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清水がおじゃまします!特別支援学級 ダンス教室

  • 2024年01月23日

    コーナー「清水がおじゃまします!」。 
    地域密着リポーターの清水まどかが、県内のみなさんのもとに直接おじゃまして 
    地域で地道に頑張る人や魅力的な取り組みなどをお伝えします。

    放送した動画はこちら

    今回おじゃましたのは、新潟市中央区の鏡淵小学校にある特別支援学級。
    身体障害や発達障害などがある子どもたちが通っています。
    ここで、この半年間「ダンス教室」が行われました。
    ダンスを教えるのは、新潟を拠点に世界で活躍するダンスチーム「CHIBI UNITY」のみなさん。
    ダンス教室を通じて成長していく子どもたちに、密着しました!

    鏡淵小学校の体育の授業では、通常学級と特別支援学級の子どもたちが一緒になって学んでいます。

    小学2年生の田中杏実さん。
    心臓に疾患がありますが、酸素を送る装置をつけて、みんなと一緒にとび箱を飛んでいました。

    こちらは、じゃんけんに勝ったら走って前に進み、負けると腕の力だけで進むトレーニング。
    杏実さんは少し遅れていましたが、自然と、クラスメイトからエールが。

    音楽の授業も、特別支援学級と通常学級の子どもたちは一緒です。

    小学2年生のヒロキさん(仮名)。
    発達障害があるといい、自分を表現することが苦手だそうです。

    合唱を練習していたとき、小さな声で歌うヒロキさんに隣にいたクラスメイトが声をかけていました。
    なぜ声をかけたのか、聞いてみると・・・。

    なぜ学級の関係なく学びあうのでしょうか。音楽を指導する教頭先生が教えてくれました。

    鏡淵小学校・教頭 木村杏子さん
    「いろんな子たちがいるということが、子どもたちどうしで学べるんですよね。
     その子たちにどう接したらいいかとか、どういう言葉がけが必要なのか、
     実際に接してみないとわからないので、一緒に過ごすことで子どもたちどうしが
     経験していくのは、すごく大事だなと思います」

    私が音楽の授業におじゃましたとき、子どもたちが「一緒にやろう」と手を引っ張ってくれたんです。
    ”大人だからちがう” ”特別支援学級だからちがう”ではなく、自然に支えあいながら
    そこにいる人を取り残さないという子どもたちの姿勢に、とても驚きました。


    鏡淵小学校の特別支援学級に、去年7月からダンスを教えていたのがダンスチーム「CHIBI UNITY」。
    新潟青陵大学 短期大学部の研究に協力することがきっかけで、これまで3回、
    ダンスの魅力を伝えてきました。

    子どもたちにダンスを教える思いを聞きに、練習しているスタジオにも、おじゃましました!

    2017年に結成されたCHIBI UNITY。新潟を拠点に活動しています。
    その実力は、毎年開催される世界大会で、史上初のジュニア部門4連覇を達成するほど!

    世界で活躍するCHIBI UNITYですが、地域での活動にも力をいれています。
    毎年、県内およそ150校の小・中学校に出前授業をしているのです。

    CHIBI UNITYメンバー 本多柊芽さん
    「新潟を拠点にやっているので、地域の方々から応援していただくことがたくさんあるので、
     ダンスを通じて仲良くなったり笑顔になってもらったりすることで、
     CHIBI UNITYがダンスで恩返ししていく形かなと思います」

    特別支援学級でのダンス教室。
    子どもたちもはじめは戸惑っていましたが、回を重ねるごとに、積極的にハイタッチをしたり、
    自分からポーズをとったりするようになったと言います。

    CHIBI UNITYメンバー 川島凪佳さん
    「表現に間違いはないと思っていて、自分がこういうふうに表現したいと思って踊ったことが
     すべて正しいことだから、楽しんで、と子どもたちに伝えました」

    4回目の授業が開かれた日。
    特別支援学級の児童8人が、全校児童の前でダンスを披露することになったのです。
    発表を目前にしたヒロキさんは・・・

    本番直前に、一番大切な笑顔の練習!

    ヒロキさんたちは、練習の成果を発揮します!

    最後は、発表を見守った児童たちも加わって、全員で!

    ヒロキさんも、みんなと身体を動かす楽しさを感じていたようです。


    特別支援学級の中には、慣れないことに積極的に挑戦できないという子どももいます。
    自分の表現したことがいろんな人に受け入れてもらえるー
    こういった経験が、新しいことにチャレンジしたいと思える糧になればいいな、と感じました。

    CHIBI UNITYは今後、能登半島地震の被害をうけた新潟市西区の小・中学校などに訪問して
    子どもたちを応援する予定だということです。

    鏡淵小学校 特別支援学級
    ヒロキさん・杏実さん・担任の先生・番組ディレクターと

    おじゃまさせていただいた、鏡淵小学校のみなさん、CHIBI UNITYのみなさん、
    ありがとうございました!

     

    ディレクター(牧陽子)のひとりごと

    「鏡淵小学校」は、局から歩いて5分のところにあるご近所さんだ。
    清水と二人、特別支援学級の教室の床に座って、子どもたちと何気ない会話からスタート。
    元気がないクラスメイトがいたら、さりげなく声をかけるー
    一生懸命頑張っても、うまくいかないクラスメイトがいたらエールを送るー
    障害があるなしに関わらず、
    「仲間を想い合う」というキーワードで結ばれた子どもたちの姿を、まず伝えたいと思った。

    「CHIBI UNITY」の練習場を訪ねると、降り積もる雪の中でも熱気にあふれていた。
    世界を舞台に活躍しているメンバーたちが目の前で踊る姿は、堂々としていて美しい。
    小学校では、子どもたちと同じ目線に立ち、どんな表現も「いいね!」と誉めて指導。
    そのまなざしは温かく、初心者の子どもたちも、少しずつ自信をつけていった。

    全校児童の前で、特別支援学級の子どもたちが披露したダンスは、わずか30秒。
    緊張した面持ちの中でも、思いっきり手足を伸ばしてハイタッチ!決めポーズ!
    「ありがとうございました」(会場から大きな拍手👏)
    「もうちょっとうまくなりたい」というヒロキさん。
    このときの達成感。このとき見た多くの笑顔は、これからのエネルギーになるだろう。
    「子どもたちのことがますます好きになりました」
    眼をうるませながら話していた担任の先生の一言が、心に残っている。

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