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ことしにかける オイシックス新潟アルビレックスBC

新たにプロ野球2軍に参加 野球で地域を元気に
  • 2024年01月19日

ことし飛躍が期待される県ゆかりの人に1年の抱負などを聞くシリーズ「ことしにかける」。3回目は今シーズンからプロ野球2軍に新たに参加する「オイシックス新潟アルビレックスBC」です。65年にわたってセ・パ2リーグの12球団で行われてきたプロ野球の歴史にことし大きな変化が訪れます。野球を通じて地域を元気にしようと意気込む監督と球団の挑戦を取材しました。(新潟放送局 記者 豊田光司)

プロ野球2軍参加へ 球団の歴史と監督の思い

2023年12月、球団初となるプロ野球のシーズンを戦う選手と首脳陣が発表されました。

チームの橋上秀樹監督。プロ野球ヤクルトなどでプレーしたあと楽天で指導者としての歩みを始め日本代表での指導経験もあります。

オイシックス新潟アルビレックスBC 橋上秀樹 監督
新たな試みの初年度、監督をさせていただきます。非常に光栄に思います。

2011年、監督就任1年目でチームを初めて地区優勝に導いた橋上さん。4年前に再びチームに戻り、監督として初めてとなるプロ野球のシーズンに臨みます。胸の高鳴りを感じる一方、厳しい現実も見据えています。

橋上秀樹 監督
注目の高さというかそれとともに担うべき責任の重さというものを少しずつ感じています。
正直なところ、ものすごい高いハードルを越えようとしているなと。

戦力強化 その先に目指すものとは

チームの課題のひとつが選手の補強です。プロ野球での年間の試合数は独立リーグの2倍にあたる、およそ140試合。対戦相手のレベルも上がります。球団は個別の交渉などに加え、球団独自のトライアウトも実施。

選手の獲得に力を入れた結果、広島で最高勝率のタイトルに輝き、リーグ優勝に貢献した薮田和樹投手も獲得。

元広島 薮田和樹 投手

プロ野球を経験した7人を含む23人が新たに加入し、選手の人数は43人と、これまでのおよそ1.5倍に増えました。橋上さんが選手の獲得で意識したのは、2020年に亡くなった野村克也さんの教えです。選手にたとえ1つでも人に負けない強みがあれば、その力を結集させることでレベルの高い相手とも戦えると考えています。

橋上秀樹 監督
野村監督の再生工場っていうのがあるんですけれど、毎年必ずNPBの戦力外選手が出るわけですから、そういった選手が再起を期すために新潟を選ぶっていうのができればなと思います。

資金面の課題も 関係強化に尽力

もう1つの課題が資金の調達です。選手の人数が増えたことで年俸をはじめ遠征費や用具の購入費なども増加。年間およそ70試合のホームゲームを運営する経費も加わり、これまでおよそ2億円だった事業規模を6億円規模に拡大する必要があります。球団は去年10月にはネーミングライツ制を導入。食品宅配大手とスポンサーシップと資本提携に関する契約を締結し、球団名も変更しました。

県内のスポンサーとの関係強化も欠かせません。2軍への参加決定以降、球団はスポンサー企業のうちおよそ50社を回り、いっそうの協力を求めています。この日、球団の池田拓史社長が訪れたのは米どころ新潟で農業機械の販売を手がける会社です。球団側が相談していたのは協賛金の増額です。

新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ 池田拓史社長

池田社長
きょうは本当に大変恐縮なんですけども来季に向けた追加のご提案といいますか。

農業機械の販売会社 鈴木繁副社長

鈴木副社長
地域活性化のためにも野球が、どんどんどんどん注目を浴びていってくれれば。
応援していきたい。

スポンサーからは選手たちの体作りに役立ててもらいたいと今後、地元の生産者と協力して食生活のサポートを検討したいという申し出もありました。そして、こんな提案も。

鈴木副社長
選手の方たちも来られて、ちょっと農業を体験してもらう。やっぱり新潟県、農業県だというのをまたアピールしてもらえばいいな。

地域の支援に応えるためにも、野球を通じて新潟を、そして地域を元気にしたい。
橋上監督と球団の挑戦が始まります。

橋上秀樹 監督
さらに野球の楽しみだとか面白さや難しさ、高いレベルの野球っていうものを感じてもらえる機会が多いと思うんですよね。子どもたちがやっぱり元気でスポーツもやってくれると多分、地域は非常に活性化というか明るくなると思うんですよね。そういったところに少しでも貢献できればなと思います。

新たな挑戦となることし、チームのスローガンは「挑」。対戦チームやさまざまなことに常に「挑む」気持ちを忘れないために、この1文字を選んだということです。チームは2月上旬にキャンプインし、初めてのシーズンに備えることになっています。

  • 豊田光司

    新潟放送局 記者

    豊田光司

    2017年入局。大阪局を経て2020年から新潟局に。スポーツや文化などを担当。活躍を期待しています!

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