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新潟 気づかぬうちに被害に フィッシング詐欺に注意!

  • 2023年05月12日

「カードの利用を確認してください」。突然送られて来たメッセージ。
確認すると、見覚えのない新幹線の切符がサイトで購入されていました。
実在する企業をかたったメールを送り、偽のサイトにクレジットカード番号などの個人情報を入力させるフィッシング詐欺。
サイトは本物そっくりに作られているため、被害に気づきにくいと言います。
被害にあわないための注意点は?実際に被害にあった記者が取材しました。
(NHK新潟放送局 油布彩那 記者)

どちらが本物のサイト?

右と左、どちらが本物のサイトかわかりますか?
片方はNHK受信料契約の正規のサイトで、片方は偽物のサイトです。

正解は、左が本物。右が偽物です。
ぱっと見ただけでは、違いがわかりませんよね。
こうした偽サイトで誤って入力してしまい、個人情報を盗み取られてしまうことがあるのです。

フィッシング詐欺とは

実在する企業をかたって電子メールを送りつけ、偽のサイトに誘導。
アカウントのIDやクレジットカードの番号などをだまし取る詐欺のことです。

日常的に使用するブランドが悪用

フィッシング詐欺には、クレジットカード会社や銀行、交通系など普段私たちがよく使う会社やサイトが悪用されています。フィッシング対策協議会によりますと、4月に悪用されたブランドは92件。
中には官公庁をかたるものもありました。

5年で50倍に急増!コロナ影響も

フィッシング対策協議会によりますと、2018年に2万件あまりだったフィッシングメールやサイトに関する報告は2022年には100万件近くになりました。
新潟県警察本部サイバー犯罪対策課によりますと、不正アクセスやクレジットカード番号を盗み取られる被害に関する相談は県内でも増えているということです。
こうした背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による、インターネット利用の増加もあるとみられています。

個人情報はどのように盗まれる?

こちらは、クレジットカードの情報を盗み取ろうとする実際のフィッシングメールです。
「『NHKプラス』を無料で体験できます」などと書かれています。
※実際は「NHKプラス」に登録する際、クレジットカード情報を入力することはありません。

今回は、NHKをかたるフィッシング詐欺を参考に、仕組みについて新潟県警察本部の担当課に説明してもらいました。

一見、正しいURLのように見えます。
しかし、これは表示上、見せかけで、クリックするとクレジットカードの情報を盗み取るフィッシングサイトにつながってしまいます。 

そして、住所や名前など個人情報を入力していくと、クレジットカードの情報を入力させる画面に。
さらに、正しいカード番号を入力しないと、次に進めないような仕組みになっています。

サイバー犯罪対策課 山本卓臣 管理官
クレジットカード番号には正規のものかどうかを判定するような情報も載っているので、
それ通りに入力しないとはじかれてしまう。
カード情報を盗み取るような手口が埋め込まれている。

そして、全ての情報を入力すると、NHKの正規のサイトに移ってしまいます。
元のフィッシングサイトに戻ることはできず、確認することもできません。

サイバー犯罪対策課 山本卓臣 管理官
正規のサイトに飛んでいますので、利用者としては正しく入力されたという認識になってフィッシングされていたというのに気づきにくくなっている。

本物そっくりで気づきにくい

また、フィッシングサイトは本物そっくりに作られているため、詐欺だと気づくことが難しいといいます。

公になっている本物のサイトから、画像や文字情報をダウンロードしてサイトを作るため、簡単に作ることができてしまうのです。

メールにも怪しい点が...

よく見るとメールにも怪しい点がありました。
メールの宛先は「NHK放送受信料」となっていますが、詳しく見るとNHKとは全く関係ないアドレスが表示されています。

さらに、普段は使わないような文字が使われていたり、句点がピリオドになっていたりしています。

安易にリンクをクリックしない!

細かいところの違いはあるものの、わかりづらいため、メールに記載されたリンクを安易に開かないことが大切だと言います。

サイバー犯罪対策課 山本卓臣 管理官
細かいところは難しいと思うので、メールが来てリンクがあったら安易にクリックせず、
あらかじめ登録しておいたブックマークや、正規のアプリを利用してアクセスしてほしい。
インターネットを利用する側が、フィッシング詐欺の存在を知った上で、インターネットを利用してほしい。

被害にあわないためのポイント

不審な利用がないか、クレジットカードの利用明細をこまめに確認することも大切だということです。

  • 油布彩那

    新潟放送局 記者

    油布彩那

    令和元年入局
    警察取材や拉致問題を担当

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