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"ドゥーラ"が支える異国での出産!

2023年10月5日

「ハロー!ネイバーズ」 今回は出産前後の母親をサポートする「ドゥーラ」という仕事を紹介します。ブラジルでは妊娠が分かったら病院より先に「ドゥーラ」を探す人がいるくらい欠かせない存在です。外国にルーツを持つ人たちにとって、言葉も習慣も違う日本での出産は不安が多いなか、愛知県で「ドゥーラ」として活躍するブラジル人の女性をナビゲーターのヴィトルさんが取材しました。

"母親に寄り添う"のがドゥーラの仕事

ドゥーラ 坂田華恵さん

愛知県で「ドゥーラ」をしているブラジル出身の坂田華恵さんです。
訪れたのは、ブラジル人家族のお宅。

この日は、12時間前に生まれたばかりの赤ちゃんと母親の様子を見に来ました。
不安なことはないか、母親に寄り添います。

ドゥーラ 坂田華恵さん

「ドゥーラはメンタルサポートと妊婦さんの体をサポート、妊婦さんのケアをします」

ギリシャ語が語源のドゥーラ。助産師とは違い医療行為は行いませんが、出産後の女性の生活が軌道に乗るまでの家事や育児を助けるサポーターです。
4歳の娘を出産したときにも坂田さんに来てもらったといいます。

ドゥーラをお願いした 牟田ケイチさん

「ドゥーラの助けはとても大きかった。ドゥーラのサポートのおかげで(出産が)スムーズでした」

牟田エドゥアルドさん

「自分が生まれていない国で、どう子どもを育てればいいのかわからなかったから不安だった。ドゥーラがいるのといないとでは全然違います」

きっかけは自らの日本でのつらい出産経験

3人の子どもがいる坂田さん。
「ドゥーラ」になったきっかけは日本での出産のつらい経験でした。

22年前に来日し結婚。子どもを授かりましたが、帝王切開が多いブラジルとは違い、日本での自然分娩での出産は27時間かかり、相談できる人もおらず、不安だったといいます。

ドゥーラ 坂田華恵さん

「入院している間はずっとひとりでつらかった」

二人目の出産のとき知ったのが「ドゥーラ」という職業。
出産が楽になればとの思いで講習を受けました。

その後、外国にルーツを持つ母親たちが同じように出産で困っていることを知り、5年前から本格的に「ドゥーラ」として活動を始めました。

あらゆる面から妊婦とその家族をサポート

ドゥーラは出産が楽になるような運動を教えたり、妊娠期間を楽しんでもらおうとマタニティペイントをしたりして、出産前からサポートします。

日本語が得意でない人の場合は、通訳も行っています。
この日、通訳として付き添ったのは、ブラジルにルーツを持つラリサさんの健診。
日本人の夫、健太さんとはふだんは英語で会話していますが、健診の用語は難しいため、坂田さんが通訳します。

心配なことはすべて聞いて不安をなくします。

坂田さんのサポートを受けた野村健太さん

「難しい言葉が英語で出ないので、彼女の国の言葉で通訳してくれると助かります。僕は出張が多いので仕事で家を空けることが多く、その間、誰か絶対助けてくれる人がいるって心強いですね」

野村ラリサさん

「家族は全員ブラジルにいるので、坂田さんは家族の一員のような存在です」

これからも出産、子育てに寄り添いたい

これまでドゥーラとして40を超える家族を支えてきた坂田さん。
これからも家族のように、出産、子育てに寄り添っていきたいと考えています。

ドゥーラ 坂田華恵さん

「家族から離れている気持ちも分かるし、日本語が話せない気持ちも分かる。できるだけサポートしたい」

取材を終えて

ヴィトルさん

「私の姉も日本で出産しましたが、育児でわからないことを誰に相談して良いのか分からず、不安になっていました。愛知県の豊田市や岡崎市などでは国籍にかかわらず、出産前後に"産後ドゥーラ"やヘルパーを派遣してくれるところもあります。
1人で不安を抱え込まず、誰かに相談することで子育てがしやすい環境になればいいなと思います」


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