【宮崎県知事選挙】そもそも知事って？仕事は？待遇は？

知事ってどんな人が？

地方自治法によって定められている都道府県のトップです。戦前は、政府から任命されていましたが、戦後は選挙で直接、住民によって選ばれるようになりました。宮崎県では昭和22年に、初めての知事選挙が行われました。

知事選挙に立候補できる権利、いわゆる被選挙権の条件は、①日本国民であること②満30歳以上であることです。ちなみに、年齢については衆議院議員や市区町村長などは「満25歳以上」です。

任期は4年です。ただ、解職請求＝リコールによって、任期途中で地位を失うこともあります。
知事は国会議員と同じ特別職の公務員です。ただ公務員といっても、一般の県職員と違って勤務時間や休日は、決まっていません。自己裁量の成果主義ともいえ、選挙で有権者から審判を受けて評価されなければ落選するなど、非常に厳しい仕事です。

知事はどんな仕事しているの？

重要な仕事の1つが、予算案の編成です。税金や国からの交付金などの財源をもとに議会との調整などを経て、その使いみちを決めます。令和４年度の宮崎県の一般会計当初予算は6400億円規模です。医療や子育て支援、防災、観光振興など、知事の考える重点施策が反映され、予算が多く配分されます。どこにお金が配分されるかで、私たちが受けられる行政サービスに影響します。

また、県内の市町村などと協議しながら、地域の課題を洗い出し、それに対応する政策や条例を作ります。また、国に要望を伝えたり、提言などを行う役割もあります。このため、国との関係性など太いパイプは大きな武器となります。このほか、大災害などの発生時には、市や町の被害状況を把握し、国や自衛隊に支援を求めるなど、県内の災害対策の指揮を執る「司令塔」も担います。

さらに、県のトップ＝「県の顔」としての発信力も重要で、全国に宮崎県の魅力をわかりやすくアピールするのも大切な仕事です。

全国の最年少、最高齢の知事は？

最も若い知事は、ことし（令和４年）3月に就任した長崎県の大石賢吾知事の40歳です。一方、最高齢は、大分県の広瀬勝貞知事で80歳です。

全国の現職の知事で最多当選は？

現職の知事で最も当選回数が多いのは、徳島県の飯泉嘉門知事（62）や大分県の広瀬勝貞知事（80）などあわせて6人で、いずれも5回です。

全国の知事でこれまでの最多当選は？

いずれも8回の当選を果たした奈良県の奥田良三元知事と石川県の中西陽一元知事です。宮崎県では黒木博元知事（昭和34年4月～昭和54年6月）と松形祐堯元知事（昭和54年8月～平成15年8月）がいずれも6回の当選を果たしました。　　　　　　　　　　　　　　※2022年12月8日時点

給料っていくら？

報酬には主に▼毎月の給料、▼民間のボーナスにあたる「期末手当」それに▼退職手当があります。給料は、一般職の給与水準や物価の動向などを参考に、条例で額が決められています。どれだけ働いても、いわゆる残業代などはありません。総務省の「令和３年地方公務員給与実態調査」によると、平均給料の月額が全国で最も高いのが埼玉県知事で142万円です。宮崎県知事は124万円で、九州の中では福岡県知事（135万円）、佐賀県知事（126万円）に次ぐ額となっています。

ちなみに、全国で最も額が低いのは、東京都の小池知事（72万8000円）です。日本の首都で1400万人の都民のトップとしては意外ですが、実は、本来であれば145万6000円で、全国で最も高いのです。しかし、小池知事は就任直後から給料の50％を減額する措置をとっているため、こうした額となっています。このように厳しい財政状況の中で「改革」などを理由に、知事が給料を減額するケースがあります。

宮崎県知事選挙の投票率は？

昭和22年に第1回目が行われ、これまでにあわせて20回知事選挙が実施されました。
投票率が最も高かったのは、第２回の昭和26年に行われた88.37％です。一方で最も低かったのは、前回、平成30年の33.90％です。

昭和54年までは、70％台後半から80％を超える非常に高い投票率だったのですが、その後は、おおむね40％台から50％台となり、前回は30％台前半まで落ち込みました。実に有権者のうち3人に1人しか投票していない状況です。

今回は、第56代目の宮崎県のトップを選ぶ選挙です。
私たちが暮らす宮崎県をどんな県にしていきたいか。候補者一人ひとりの人柄や訴える政策の中身を見極めて、1票を投じたいですね。投票日は12月25日です。