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宮崎 鉄道 感動秘話|廃線とウェディングドレス

プラスみやざき
  • 2022年11月11日

38年前のNHKの番組から

昭和59年11月30日。
営業最終日の『妻線』にウェディングドレス姿で乗ったカップルがいます。
牧田裕司さんと真理子さんです。
当時、妻線を取材していたNHKの番組で「本当に幸せいっぱい」と語っていました。
でも、なぜ、ウェディングドレス姿で乗ることに…?

最後の『妻線』に乗る新郎新婦

会いに行ってみた

当時の映像からわかっているのは名前だけ。
詳しい話を聞きたいと、牧田さんの住所を調べたところ、
現在は宮崎から遠く離れた『静岡県浜松市』に住んでいることが判明!
少し迷いましたが・・・飛行機と新幹線を乗り継いで5時間!会いに行っちゃいました。

こちらが当時ウェディングドレス姿で妻線に乗っていた、
牧田真理子さん(60)です。

夫の裕司さんはというと…。

肺がんを患い、2年前に亡くなっていました。

お客さんがバスガイドにひとめぼれ

2人の思い出を色々と聞かせてもらいました。
妻線が走っていた西都市出身の真理子さん。
高校3年間はこの妻線に乗って宮崎市内の高校へ通っていました。
卒業後は愛知県の会社に就職し、バスガイドとなります。

客の裕司さん  バスガイドの真理子さん

夫の裕司さんとは会社の団体旅行をガイドしたことがキッカケで知り合いました。
真理子さんのことを気に入った裕司さん、
その後、バス会社を調べあげ真理子さんに猛アタック!
文通を重ねて愛を育みました。

花嫁姿で列車に乗ったワケ

やがて、真理子さんの故郷、宮崎で結婚式を挙げることになりました。すると…

真理子さん

廃線と結婚式の日がたまたま一緒だったので
「妻線に乗っていただけませんか?」という話がきたので。

ディレクター

迷いはなかったんですか?

真理子さん

もう言われるがままに・・・。
今となってはのんきなことだなと思いますけどね(笑)。

実は、この妻線の最終営業日である
昭和59年11月30日に西都市内でふたりの結婚式が行われていました。
せっかくだからと式の合間をぬって
廃止当日の妻線に乗ったというわけだったんです。

今では、幸せいっぱい“ばあば”に

結婚後は、裕司さんの地元浜松市で喫茶店をオープン。2人の子宝にも恵まれました。
自他ともに認めるおしどり夫婦。裕司さんが亡くなったときには真理子さんのことを
家族も心配しました。

長女 繭さん

お母さんはお父さんに頼ってきたんで、気持ちが沈んじゃいそうだったから一緒に住もうかねと。

現在は長男と長女の家族6人で一つ屋根の下、暮らしています。
当時を知らない子供や孫に集まってもらい、当時の映像を見てもらいました。
孫の一護(いちご)くんに、花嫁姿のおばあちゃんをどう思うか聞いてみると一言。

真理子さん

辛いことを考えることもあるけど、孫たちに囲まれながら毎日笑顔の絶えない日々を過ごしてます。本当に今は楽しいですね。

休みのたびに家族を遊びに連れて行ってくれた子ぼんのうな裕司さん。
真理子さんに対してもとても優しいご主人だったそうです。
そして母親がさみしくないようにと一緒に暮らす心優しいお子さんたち・・・
本当に素敵なご家族でした。
老後を考えて、もっと妻と息子に優しくしようと思いながら宮崎へ帰りました。

  • 牛田幸宏

    NHK宮崎

    牛田幸宏

    宮崎県出身でしたが、妻線のこと、今回取材してはじめて知りました!もうすぐ子どもが1歳の誕生日!

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