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「テゲバ」VS「松本山雅FC」サッカーJ3 ホーム最終戦 見どころ

  • 2022年11月11日

サッカーJ3もあと2試合。テゲバジャーロ宮崎は最近5試合で3勝2分と好調です。
今シーズンのホーム最終戦で対戦するのはJ2昇格に向けてこちらも負けられない
3位・松本山雅FC。試合の見どころをお伝えします。

苦しんだ去年3位のテゲバジャーロ宮崎

去年Jリーグ参入1年目のシーズンで優勝争いをしたテゲバ。
今シーズンはさらなる飛躍が期待されていましたが、厳しいシーズンとなりました。

開幕戦こそ勝利したものの、去年チームの得点王だった梅田魁人選手(現水戸ホーリーホック(J2))などが移籍した影響もあり、シーズン序盤は引き分けが多く、
いわゆる“勝ちきれない”試合が続きました。また6月の12節から7月の18節までは7連敗。
引き分けを挟み3ヶ月近く勝利なしという苦しい時期を過ごします。

南九州ダービーでの勝利 
今シーズン初の逆転勝ちから状態上向きに

チーム状態が上向いたのは1つの勝利でした。
NHK宮崎でも中継した10月16日第29節の鹿児島ユナイテッドとの南九州ダービー。
テゲバペースで試合が進んだものの、前半ミスから失点。
嫌な空気の中でチームを救ったのは、大熊健太選手でした。

後半15分中盤でボールを奪ってサイドへ展開、そこから大熊選手が同点ゴールを決めました。
大熊選手はこのゴールが嬉しいプロ初得点。勢いに乗ったテゲバはその後、26分に新保選手が
逆転ゴール。今シーズン初めての逆転勝利と、ダービーを制した勢いでその後も2勝2分。
負け無しでホーム最終戦に臨みます。

勝利のカギは2つ 「先制点」と「交代選手」を止めろ!

テゲバがホーム最終戦を勝利するためには、どんなことが必要か。ポイントは2つと考えています。
1つは“先制点”。先ほど南九州ダービーで逆転勝ちしたことをお伝えしましたが、
やはりサッカーでの逆転はかなり難しいです。テゲバはここ3試合全てで先制点を奪い2勝1分。
いかに自分たちのペースでゲームを進められるか、大きなポイントです。

2つ目が、“松本の途中出場の選手を止めること”です。最近5試合の松本の成績をみてみると、
得点は9(1得点はオウンゴール)。そのうち6得点を、途中出場の選手が決めています。
もちろん、先発出場の選手にゴールを許してもいいということはありませんが、
それだけ名波監督の采配が当たり、ベンチの選手もモチベーションが高いと考えられます。
特に田中パウロ淳一選手は、最近5試合で得点3。全て途中出場からの得点です。ベンチから出てくる
フレッシュな選手を止める。つまり、試合終了の笛を聞くまで集中力を保つ必要があります。

 

松本山雅を率いる名波浩監督

ホーム最終戦をNHK宮崎で中継 
解説は福西崇史さんと前園真聖さん

テゲバジャーロ宮崎対松本山雅FCの試合、NHK宮崎では生中継します。
11月13日(日)午後1時~ 宮崎県域 総合テレビ

“テゲバウォッチャー” フクさん&ゾノさん

解説は、すっかり“テゲバウォッチャー”として定着した“フクゾノ”コンビ!(福西崇史さんと前園真聖さん)。福西さんは現役時代2回のワールドカップ出場。ジュビロ磐田の黄金期を支えた名ボランチです。磐田では、松本を率いる名波監督とプレーしてきました。中継の中では、二人の関係性なども掘り下げていければと思います。

前園さんは、南九州ダービーでも解説をしてくれました。
試合の後にいくつか今後の課題もあげていましたが、それがどこまで良くなっているのか。
チームの戦いの変化についても聞いてみたいと思います。

工藤壮人選手の追悼企画も

また中継では、先日急逝した工藤壮人選手の追悼企画も放送します。
サポーターだけでなく、選手たちにも慕われた工藤選手。
かつての戦友たちが、思い出を語ってくれました。

                   写真提供:KASHIWA REYSOL

間もなく開幕するカタールW杯の日本代表に選ばれた、酒井宏樹選手(浦和)。
柏のエースだった工藤選手とは、アカデミーからの同期。
仲間と病院に駆けつけましたが、会話はかないませんでした。

いつも明るくリーダー的な存在。
いっぱいみんなでふざけたし、その中心にはいつも工藤がいました。
チームの調子が悪い時こそ点を取って、元気づけてくれる。
綺麗なゴールではなくても、泥臭くても、
必ず1点は取ってくれる生粋のストライカーでした。
サッカー選手として、もっと見たかった景色があると思いますし、
もっと求めたかった結果もあると思う。
宮崎のことも地域ごとに好きになろうとしてましたし、
そういう選手、そういう人なので。
宮崎のサポーターにとって心に残ってくれたらいいと思いますし、これからも
宮崎で活躍した選手の1人として、しっかり記憶に残していって欲しい。
暗くなるのは工藤も求めてないと思いますし、この先みんなで会ったとしても
明るい話をできるようにしてあげたいなと思います。
僕だけじゃなく、ユースの同年代の選手たちがより一層頑張って、
結果を出し続けて、
ずっと“一緒にいる”ことができたらいいんじゃないかなと思います。

同じく、カタールW杯の日本代表・長友佑都選手(FC東京)。
かつて代表で一緒になった工藤選手には、短期間共に過ごしただけで、その人柄に惚れたと言います。
4回目の大舞台では、工藤選手に恥じない“戦う魂”を見せたいと誓ってくれました。

日本代表で2013年に彼と一緒にプレーさせてもらって、
プレーもそうですけど、ほんとに優しい人間性、心っていうものを、
すごく思い出しました。
彼のあの無邪気な笑顔をすごい憶えていて、鮮明に自分の心に焼きついていて、
ほんとに心優しい選手だったんですよね。
だけど試合でピッチに立つともう、チームのために走って、戦って、魂を見せて、ゴールを決めてくれる。そのギャップにまた惹かれたなと思います。
W杯では、僕は工藤選手みたいには、なかなかゴールもとれないし、
うまい選手ではないけれど、ただ誰よりも“魂込めて”戦う。
そういう姿勢を、工藤選手に見せたいなと思います。

元日本代表・伊野波雅彦選手は、宮崎市出身。
南葛SCでサッカーを続けながら、同郷のJリーガーたちと地元でサッカー教室を開くなど、
宮崎をサッカーで盛り上げようと活動しています。
生前、「テゲバを上のカテゴリーへ導き、地域のサッカー熱を高めたい」と望んでいた工藤選手は、
いわば“同志”。かけがえのない仲間として、遺志を継いでいくべきだと話します。 

工藤くんとは代表の合宿で一緒になって、2人で話した記憶が残ってます。
バスで練習場まで行く時に2人1組で乗るんですけど、隣りどうしで。
他愛もない話、プライベートな話もしたけど、サッカーの話ばっかしてましたね。
僕はセンターバックなんで、駆け引きの話をしたり。
僕たちももちろんそうですけど、
ほんとにサッカーが好きだったんだろうなって・・・。

僕たちが地元に尽くすっていうのは当たり前のことなんですけど、
工藤くんが宮崎でやってきてくれたことをムダにしないように、
例えば、僕たちの経験を少しでも
地元の子供たちに還元できるようにしていきたいなと思ってますし、
宮崎の発展というかそういったところに、
サッカーで携わってきた人間がしっかり行動を起こして
彼の分まで発展に尽くすっていうところが一番、
彼も喜んでくれるんじゃないかなと。

工藤選手が慕っていた先輩のひとり、元日本代表・佐藤寿人さん。
亡くなるひと月前に、笑顔を見たばかりでした。 

羽田空港でほんとにばったり会って、「寿人さん!」と声をかけてくれて。
会って話をするのは久しぶりだったんですけど、
変わらない、あのほんとに屈託のない笑顔で。
「(テゲバは)クラブとしてはこれからのクラブだけど、人も温かくて、
  宮崎すごいいいところですよ」っていう話をしてくれて。
「じゃ次は宮崎で、ちょっとご飯でも食べながらもっといろいろ話をしよう!」と
 再会の約束をしたまま、それが最後の会話になってしまったので…。

寿人さんの後釜と期待され広島に入団した頃の工藤選手にとって、寿人さんは、良き相談相手でした。
結果が出ない時期でも決して弱音を吐かず、出会った人たちを大切にする工藤選手を、
年下ながらリスペクトしていたと言います。

広島時代の工藤選手 寿人さんは心許せる先輩だった

もしかしたらストレスは抱えていたかも知れないですけど、
なるべく前向きな言葉を選んでしっかり自分の言葉として発していましたし。
彼はほんとにハードワークできる選手なので、
ゴールっていう結果に繋がればもちろん一番嬉しいですけど、
そのハードワークは間違いなくクラブのためになってるよっていう話は
していました。

あとは、やはり人を大切にしてくれる選手だったなって、改めて思いますね。
どの地域、どのクラブに行っても、その場所にいる人も、歴史も、
いろんなものを大事にしてくれる人だったので、
だからこそこういう結果っていうのは、
いろんな人にとっても悲しい出来事になってしまったかなと思います。

宮崎に、テゲバジャーロに、工藤壮人がいたっていうことを
力強く残していくためにも、
クラブがこれから発展していくっていうことがなにより一番の報いになると思う。
それが彼が宮崎に来る1つの大きなモチベーションだったと思うんで、
すぐにトップレベル、トップリーグにいくっていうことは簡単ではないですし、
そこに対するチャレンジを、工藤壮人という男は選択した。
彼が道半ばで果たせなかった夢を、残された選手、スタッフ、地元の人たち…
テゲバジャーロに携わる“オール宮崎”の力で実現していく。
いま、カテゴリーはJ3ですけど、J2、J1っていうところにあがっていく、
そういう景色に辿り着いた時、それを見た時に、
さらに満面の笑みを、天国から見せてくれると思うんで。
地元の人たちにも、ぜひテゲバジャーロの魅力を少しでも知ってもらって、
スタジアムで一緒に戦うことで、
1つのストーリーとして彩られていくと思いますし、
彼の思いをしっかり繋ぐ形で、
宮崎の人たちで未来を作っていって欲しいなと感じます。

工藤選手のためにも勝利を!テゲバの熱い戦い、ぜひご覧ください! 

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