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南牧村 移住コーディネーター 高齢化率全国一の村で24歳が尽力

  • 2023年11月09日

 

高齢化率、全国一の南牧村。3人に2人が高齢者というこの村で今、移住で若い人たちを呼び込もうと、取り組みが続いています。村は3年前「移住コーディネーター」というポストを作って、民間の人に中心的な役割を担ってもらっています。その1人が、東京出身の24歳、大井川聖心(さとみ)さんです。

「誰よりも南牧を知り、南牧を愛するコーディネーターに」

その強い思いを持って、奮闘しています。

(前橋放送局 記者 中藤貴常/2023年10月取材)

東京から南牧村の住民に

南牧村の「移住コーディネーター」を務める大井川さんは、自身も移住者の1人です。

写真提供:大井川聖心さん

東京で生まれ育ち、大学で林業の研究などをしていましたが、卒業後、自然豊かな南牧村での生活にひかれて移住してきました。

写真提供:大井川聖心さん

南牧村 移住コーディネーター 大井川聖心さん
「移住してくる方と地域の方をつなげた時に、すごくつながりが生まれていることを、とてもうれしく思います」

“定住”までサポートが重要

村にあるNPOで働く大井川さん。若い感性を生かして移住を促進してほしいと、村長から直接スカウトされ、今はコーディネーターと兼務しています。

いろいろな業務をしています

週に数回、兼務する業務は、移住の相談や、関連イベントの企画、チラシの作成など多岐にわたります。そこで大切にしているのは「定住」までを考えたサポート。楽しいことばかりではない、村の生活の「リアル」を知ってもらうことです。

この夏作ったパンフレットに、そのこだわりがありました。

「本当に南牧でいいのか、なぜ南牧がいいのか、改めて自分に問い直してみましょう」

あえてそう記しました。

南牧村 移住コーディネーター 大井川聖心さん
「山村暮らしというのは、そんなに簡単ではないので、よくないことや現実的なことを、しっかり伝えることも大事だよね、と思っています」

支援受けて民泊開業へ

その「リアル」を知った上で、大井川さんの支援を受け移住してきた小林真奈さんです。ことし6月、高崎市から南牧村に来ました。

右が小林さん

高崎市から移住 小林真奈さん
「(移住の)理由は2つあって、1つ目が魅力的な古民家が多かったこと、2つ目が大井川さんをはじめとした人にほれたというところが一番大きいです」

小林さんは、古民家を活用した民泊の開業を目指しています。移住後も、大井川さんがいつもそのそばで改装を手伝うなど寄り添ってくれました。

大井川聖心さん

「一緒にすすを払いました」

そのおかげもあり、12月の開業に向けた道筋が見えてきたといいます。

高崎市から移住 小林真奈さん
「(大井川さんは)ただ移住のあっせんをするのではなく、どういうビジネスプランがあるのかや、どう生計を立てるのか、住む覚悟はあるのかとか、住んだあとのサポートをすごく重点的にしているので、めちゃくちゃありがたいです」

ほかの自治体ともスクラム

さらに大井川さんが今、取り組むのが、移住に力を入れるほかの自治体との連携です。

「南牧村の古民家バンクに掲載されている物件になります」

10月下旬のこの日は、県内のほかの自治体などで移住を担当する人を招き、村を知ってもらうツアーを企画しました。

「ライバル」どうし、互いの魅力を知った上で、移住を希望する人のニーズに、ほかの自治体が合っていれば、その提案をする。そうした枠組みを協力して作って地方に定住する人を共に増やすのが狙いです。

富岡市の移住担当者
「近隣の市町村が移住について何をやっているのか、知っているようで知らない。そういったものを理解できるすごくいい機会になった」

南牧村 移住コーディネーター 大井川聖心さん
「本当にまだまだやることはたくさんあるし、まだまだ、村の人に知られてない職業なので、誰よりも南牧を知り、南牧を愛するコーディネーターになっていきたいと思っています」

  • 中藤貴常

    前橋放送局 記者

    中藤貴常

    警察・司法などを担当後、現在は県政担当。行政・スポーツなどを幅広く取材。

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