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群馬クレインサンダーズ 辻直人と並里成 34歳コンビ強い絆

  • 2023年10月04日

 

バスケットボール、Bリーグの群馬クレインサンダーズが今月7日、B1・3年目のシーズンの開幕戦を迎えます。昨シーズン、東地区5位だったチームに今シーズンから加わったのが34歳の辻直人選手。Bリーグ屈指のスリーポイントシューターです。前のチームからの強い残留要請を断ってまで群馬への移籍を決断した裏には、「いつか同じチームでプレーしたい」と願い続けた同学年の並里成選手の存在がありました。

(前橋放送局 記者 中藤貴常/2023年9月取材)

同学年の2人互いの印象は

新たなシーズンの直前に控え、辻選手と並里選手は、2人そろって単独インタビューに応じました。
辻選手の今、そして、そのバスケットボール人生を語る上で、同学年の並里選手の存在は欠かせないものです。その2人に、互いの印象を聞いてみると。

辻選手

「優しいですよ彼、器がでかい」

並里選手

「一見、明るそうに見えて人見知り」

スリーポイントの辻×アシストの並里どんな化学反応を?

クレインサンダーズは、昨シーズン、チャンピオンシップ出場を目標に掲げながら東地区の5位に終わりました。
中でも大きな課題がリーグ・ワースト2位だったスリーポイントシュートです。
シーズン後に行った「大型補強」の中でも、元日本代表のスリーポイントシューター、辻選手の獲得は悲願とも言えるものでした。

辻直人選手(入団会見にて)
「みなさんと一緒に群馬の新しい歴史を作っていきましょう」

その決断を後押ししたのが、昨シーズン移籍してきた並里選手です。
「ファンタジスタ」の愛称、そのままの変幻自在のパスで、チームのアシスト数をリーグ2位に押し上げました。
並里のパスから辻のスリーポイントへ」それが、サンダーズ上位進出へのカギとなるのです。

並里成選手
「僕と合うのが一番。僕は中に行ってからのパスが好きで、彼(辻選手)はシュートを思いきり打ってくれる」

高校時代から全く同じ印象

2人の物語は高校時代までさかのぼります。共に高校3年生の冬、全国高校選手権「ウインターカップ」の決勝で対戦した経験もあります。当時から強く意識し合い、全く同じ印象を持っていました。

辻選手

「インパクトがすごかった。衝撃的でした」

並里選手

「本当にインパクトがありました。衝撃でした」

それから16年、「敵」として向き合ってきた2人。平行線をたどってきた「バスケ人生」が、ようやく交わる時が来たのです。

並里成選手
「ずっと一緒にやりたかった選手だったので、やっと一緒にできることが、本当に夢のような感じです」

辻直人選手
「ベテランの域に入ってきて、もしこれ(群馬からのオファー)を断った時に、たぶん引退するまでに一緒にすることはないだろうなと思っていました。自分のキャリアを振り返った時に1つでも後悔はなくしておきたいなと」

映像提供:群馬クレインサンダーズ

7月、前のチームのあった広島から東京に到着した辻選手を並里選手がわざわざ迎えにいく場面もありました。

映像提供:群馬クレインサンダーズ

2人にとって待ちかねた瞬間でした。
それから2か月あまり。2人で挑む新たなシーズンに向けて、共に高め合ってきました。

シーズン前に強まった“絆”

先月行われた全日本選手権。Bリーグでの戦いを前にした貴重な実戦の場です。
その初戦、第1クオーターの開始早々。並里選手のファーストプレーでした。

パスの相手に選んだのは辻選手。そして、辻選手も早速、スリーポイントシュートを放ちました。

これは、惜しくもリングにはじかれましたが、早速、今シーズンのスタイルを見せました。

続く2戦目。第3クオーターにその時は訪れました。ゴール近くまで切り込んだ並里選手のパスは、辻選手へ。

映像提供:群馬クレインサンダーズ

辻選手、今度は、スリーポイントをしっかり決めきりました。

シーズンを前に強くなる同学年2人の絆。その連係プレーにさらに磨きがかかった時、初のチャンピオンシップ進出が現実味を帯びます。

並里成選手
「(辻選手はパスの)もらい方ひとつから、シュートのタイミングから、すべてがシューター陣の見本だと思います。ここで(自分の)パスが来るのかというところを(多くの人に)見てもらいたいですね」

辻直人選手
「(並里選手と)一緒にやってみて僕自身楽しかったですし、パスが来るタイミングなどもやりやすかった。並里選手と一緒に優勝を味わえたら最高だなと思っています」

クレインサンダーズの開幕戦は今月7日、アウェーで宇都宮ブレックスと対戦します。並里選手からのパスを受けた辻選手が、スリーポイントを決めて勝利へ。そんなシーンを期待して応援しましょう。

  • 中藤貴常

    前橋放送局 記者

    中藤貴常

    警察・司法などを担当後、現在は県政担当。行政・スポーツなどを幅広く取材。

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