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群馬 教員がパフォーマーへ転身 昔遊びで子どもたちに自信を

  • 2023年06月07日

桐生市に、コマ回しやけん玉、縄跳びなど、昔ながらの遊び道具を使った元教員のパフォーマーがいます。遊びを通して子どもたちに自信を持たせるため、地道に活動を続けるパフォーマーの男性を取材しました。

(前橋放送局 映像取材 林拓美/2023年5月取材)

昔遊びの達人 各地でパフォーマンス

昔遊びパフォーマー 安村尚人さん

パフォーマンスを行うのは、桐生市に住む安村尚人さん(34)です。コマ回しや縄跳び、けん玉など昔ながらの遊び道具を使ったパフォーマンスを4年前から行っています。現在は関東各地のイベント会場などで、アクロバティックな技を披露しています。

安村さんの周りには、子どもたちの熱いまなざしが

パフォーマンスだけでなく、子どもたちに昔遊びの体験会も行っています。実は安村さんの活動の目的は子どもたちの成長なんだそうです。

遊びを通して子どもたちに自信を

安村さんはパフォーマーになる前、小学校や特別支援学校などの教員を6年間勤めていました。縄跳びの指導の中で夢中になる子どもたちを見て、遊びを通して子どもたちに自信を付けさせたいと考えるようになりました。教員を退職という一大決心をして、パフォーマーの道に進みました。

林カメラマン

「昔遊びの利点はなんですか?」

安村さん

「遊びだと、子どもたちは難しいことでも集中してチャレンジすることができ、成功すれば自信につながります。それがきっかけで、勉強だったりスポーツだったり、自信を持って挑めるのが昔遊びの大きなメリットだと思います」

活動開始直後にイベントが激減

パフォーマーデビューから3ヶ月後、新型コロナウイルスの流行で、次々とイベントがなくなってしまいました。緊急事態宣言などもあって、仕事はほとんど入ってこなくなりました。

「縄跳びとコマ回しに関しては散々練習をしていました。とにかくいろんなところに訪問して、魅力を広めようと意気込んでたばかりだったのでショックでした」

インターネットの動画発信で活路を

パフォーマンス依頼が来なくても、安村さんは諦めませんでした。自粛期間中に直接子どもたちに指導が出来なくても、安村さんの思いは変わりませんでした。活動の場に選んだのはインターネットの動画発信の世界です。高度な技を披露するだけでなく、技のやり方などを丁寧に説明しています。

撮影・編集 安村尚人さん

イベントも次々と再開

去年からは徐々にイベントが再開され、パフォーマンス依頼も倍増しています。
 

「近い距離で自分のダイナミックな技を披露できるようになったことがよかったです。すごいっていうことばもうれしいですが、子どもたちが自分でやってみたいって言ってくれることが一番うれしいです」 

より多くの子どもたちへ

特別支援学校に勤めていた安村さんは、その経験をいかし、障害がある子どもたちにも昔遊びの楽しさを伝えています。この日訪れたのは障害がある子どもたちが通うデイサービス施設です。

安村さんのモットーは「丁寧に分かりやすく説明する」

すぐに子どもたちは上達し、表情も生き生きとしはじめました。

参加者

「けん玉とコマがすごく楽しかったです。できたときに自分でもびっくりしました」

安村尚人さん
「1つハードルを乗り越えたときの子供たちの顔は生き生きとしてすごくうれしいです。これからも、子供が楽しく昔遊びが体験できる場を広げていきたいと思います」

これからも子どもたちに自信を

取材した私も子を持つ親ですが、子どもの「自信」というものは、人生を生きていく上でかけがえのないものだと感じます。昔遊びの体験会で、子どもたちの諦めない姿勢と、成功したときの生き生きとした表情ががすごく印象的でした。子どもたちに自信を持ってもらう「昔遊び」。今後も多くの子どもたちに伝えていってほしいと強く感じました。
 

  • 林拓美

    前橋放送局映像取材

    林拓美

    2008年入局 盛岡放送局、青森放送局、報道局映像センターを経て現所属へ

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