【特集】おすすめの「健康レシピ」病気の予防・改善が期待できる!

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【特集】おすすめの「健康レシピ」病気の予防・改善が期待できる!

身近な食材を使った病気の予防のためのレシピや不足しがちな栄養素を効果的に補えるえりすぐりのレシピなどをまとめました。普段の食事をちょっと工夫することで、「腸内環境」を整えたり、「糖尿病」や「高血圧」の予防・改善が期待できます。

腸内細菌

私たちの腸には、さまざまな腸内細菌が住み着き健康に大きな影響を与えています。

食事のポイントは「まごわやさしいよ」の食材

腸内細菌を整えるカギは食事です。食事を工夫すれば、2週間程度で腸内環境は改善されます。一方で腸内環境が悪くなるのはあっという間です。よい腸内環境を維持するには、持続的に食事をコントロールしていくことが重要です。食事のポイントは腸内環境をよくするために食べたい食材の頭文字を並べた「まごわやさしいよ」です。

「ま」は豆。大豆・納豆・豆腐など
「ご」はごま
「わ」はわかめ・もずく・ひじきなどの海藻類
「や」は野菜
「さ」は魚
「し」はしいたけなどのきのこ類
「い」はさつまいも・じゃがいも・里芋などのいも類
「よ」はヨーグルト

「ま」豆腐を使ったレシピ

大豆や大豆製品には良質なたんぱく質のほかに食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内細菌の餌になります。納豆やみそなどの発酵食品は腸内細菌の餌になるだけではなく、悪い働きをする菌の増殖を抑える作用もあります。

豆腐のかば焼き丼

(1人分 エネルギー量480kcal/塩分量1.6g)

豆腐のかば焼き丼

【材料(2人分)】
木綿豆腐:1/2丁
麩[ふ](小町麩を砕いて粉末状にしたもの):3g(5~6コ程度)
豚ひき肉:80g
焼きのり(全形):1枚
粉ざんしょう:少々
細ねぎ(※小口切り):適量
かたくり粉:少々

≪A≫
しょうゆ:大さじ1
みりん:大さじ1
酒:大さじ1

サラダ油:大さじ1
温かいご飯:300g

【作り方】

  1. 木綿豆腐は水きりする(厚手の紙タオルで豆腐を包み、手でぎゅっと絞って水けをきれば、時間を短縮することができる)。つなぎとして入れる麩は、ポリ袋に入れて手で砕く。麩をボウルに移し、豆腐、豚ひき肉と合わせてよく混ぜる。
  2. 焼きのりを4等分に切り、片面に、かたくり粉をふる。のタネを4つに分け、のりのかたくり粉をふった面にのせて平らにのばす。
  3. Aを混ぜてタレをつくる。
  4. フライパンに油をひいて熱し、をのりの面を下にして並べて焼く。タネの周囲の色が変わってきたら裏返す。1~2分を目安に、火が通ったらを加えてからめる。フライパンから取り出し、食べやすい大きさに切る。
  5. 丼にご飯を盛り、をのりの面を下にしてのせる。粉ざんしょうをふり、細ねぎを散らす。

「さ」魚を使ったレシピ

魚には良質なたんぱく質が多く含まれています。いわし・さばなどの青魚には良質な油であるDHAやEPAが豊富です。これらは腸内細菌の多様性を高めるという報告もあります。

いわしのなめろう地中海風

(1人分 エネルギー量221kcal/塩分量0.8g)

いわしのなめろう地中海風

【材料(2人分)】
いわし(刺身用/三枚におろしたもの):3匹分
紫(赤)たまねぎ(※):1/4コ
イタリアンパセリ(※):2枝
しょうが(みじん切り):小さじ1/2
みそ:大さじ1/2
アーモンド:2粒
オリーブ油:大さじ1/2
イタリアンパセリ(飾り用):適量

※紫(赤)たまねぎ、イタリアンパセリには抗酸化作用があり、EPAやDHAの酸化・変質を防ぐ働きがある。
なければ、たまねぎやパセリでもOK。

【作り方】

  1. 紫(赤)たまねぎとイタリアンパセリをみじん切りにする。
  2. いわしを粗く刻み、としょうが、みそを合わせ、包丁でたたきながら混ぜる。
  3. 全体が混ざったら器に盛りつけ、アーモンドを刻んで散らす。オリーブ油をかけ、イタリアンパセリを添える。

腸内細菌を育てよう!腸活におすすめの「まごわやさしいよ」詳しくはこちら



減塩

塩分のとりすぎは高血圧の発症に大きく影響します。世界保健機関(WHO)が推奨する1日当たりの食塩の摂取量は5.0gとされています。しかし、日本人は平均で約2倍となる10.1gもの食塩をとっています。(日本人の平均摂取量平成30年 国民健康・栄養調査より)

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020」では、持病のない健康な成人男性の場合、1日7.5g未満、持病のない健康な成人女性の場合は1日6.5g未満を目標としています。また、高血圧の人の場合は、日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン2019」に示されている1日6g未満を目標にしてください。

食塩の摂取量と血圧の関係

食塩の摂取量と加齢による血圧の変化を調査した研究です。
1日に7gの食塩を30年間とり続けた場合と、14gの食塩をとり続けた場合の、加齢による血圧の変化を調べています。14gをとり続けた場合、7gをとり続けた場合で65歳になったときの血圧に50歳で達してしまいます。
このように、多量の塩分をとり続けていると、血圧は確実に高くなります。逆に言えば、減塩を長く続けると、それだけ血圧の上昇を抑えることができるのです。

塩分と血圧の上昇

また、減塩は脳卒中心臓病などの死亡リスクを低下させる効果や、降圧薬の効きをよくするといったさまざまな効果が期待されます。ただし、極端な減塩は危険ですので無理のない減塩を心がけましょう。

減塩食品を使ったレシピ

監修:仙台白百合女子大学 管理栄養士
佐々木裕子(ささき・ゆうこ)

きんぴらごぼう

(1人分 エネルギー量135kcal/食塩相当量1.1g ※通常のきんぴらの塩分量:2.0g 約50%塩分カット)

きんぴらごぼう

【材料(2人分)】
ごぼう:2/3本(100g)
[A]にんじん:1/5本(20g)
[A]減塩かまぼこ:20g
ごま油:大さじ1(12g)
だし(かつお・昆布):90ml
[A]砂糖:小さじ2(6g)
[A]みりん:小さじ2弱(10g)
減塩しょうゆ:大さじ1強(20g)
酢:小さじ1(5g)
ごま・七味とうがらし:適宜

【作り方】

  1. ごぼうは皮のついたまま洗い、斜め薄切りにしてからせん切りにし、水にさらして水けをきる。
  2. にんじんは斜め薄切りにしてからせん切りにする。減塩かまぼこは食べやすい大きさに切る。
  3. フライパンにごま油を中火で熱してごぼうを炒め、だしを加え、5分間蒸し煮にする。
  4. [A]を加え、さらに3分間蒸し煮にする。
  5. 減塩しょうゆを加えて2分間蒸し煮にしてから酢を加えて混ぜる。
  6. ふたを取って汁けをとばし、器に盛る。

【減塩ポイント】

  • しょうゆやかまぼこを減塩食品に置き換えることで、簡単に減塩することができます。
  • だしやお酢を使うことで味をはっきりとさせ、味の薄さを感じにくくなります。
  • ごまや七味とうがらしで風味をつけると、味の薄さを感じにくくなります。

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血糖値を下げる

血糖値を上げない効果が期待できる栄養素は、たんぱく質と食物繊維です。
たんぱく質は、体内で筋肉や臓器などの体を構成する成分となります。
私たちが体を動かすと、筋肉がブドウ糖を消費します。ところが、たんぱく質が不足して筋肉が減ると、ブドウ糖の消費が減って血糖値が上がってしまうのです。また、筋肉には余分なブドウ糖を貯蔵する働きもありますが、筋肉が減るとブドウ糖を十分貯蔵できず、血糖値が上がってしまいます。

食事でとった糖質は体内でブドウ糖に変わり、小腸から吸収されますが、食物繊維はそのブドウ糖の吸収を遅くし、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。また、食物繊維は腸内細菌のバランスを良くします。それによりインスリンが効きやすい体質になることも最近わかってきました。

たんぱく質と食物繊維をとれるレシピ

焼き厚揚げ+めかぶ

焼き厚揚げとめかぶの小鉢

香ばしくて歯ごたえがあります。お好みで一味唐辛子を加えてください。厚揚げはトースターでも焼けます。

豆腐+もずく・オクラ

豆腐+もずく・オクラの小鉢

とても簡単で、食欲のないときにもおすすめです。

たんぱく質・食物繊維で血糖値を下げる おすすめの食材やレシピ詳しくはこちら



食物繊維

食物繊維たっぷり「根菜料理」

野菜は、捨てがちな皮や葉に食物繊維が多く含まれているので、できるだけ使用してみてください。

しょうが風味の根菜きんぴら

(食物繊維量1人当たり4g)

しょうが風味の根菜きんぴら

【材料(2人分)】
ごぼう:1/2本
にんじん:1/3本
大根:2cm
しょうが:30g
えのきだけ:1袋
大根の葉:1本分(5cm)
いりごま:小さじ2

≪A≫
ごま油:小さじ2
酒:大さじ2
しょうゆ:大さじ1
みりん:大さじ1

【作り方】

  1. たわしで軽くこすったごぼうを、皮のまま大きめのささがきにする。にんじん、大根、しょうがを皮ごと3~4mm角の拍子木切りにし、えのきだけは石づきを取り、半分に切る。大根の葉は根を切る。
  2. ごま油を熱したフライパンに、ごぼう、にんじん、大根、しょうがを中火で炒め、油が全体に回ったらえのきだけ、大根の葉を加えてさらに炒める。
  3. Aを加え、汁けがなくなるまで炒める。器に盛り、いりごまを散らす。

根菜カレー

(食物繊維量1人当たり11.8g)

根菜カレー

【材料(2人分)】
れんこん:1/3本
大根:1.5cm
大根の葉:1本分(5cm)
しいたけ:3コ
たまねぎ:1/2コ
トマト:1コ
にんじん:1/3本
大豆(水煮):カップ1/2
にんにく
(みじん切り):1かけ分
オリーブ:油大さじ1
水:カップ2 1/2
固形チキンスープのもと(洋風):1/2コ
大麦ごはん:200g(白米と大麦を4対1の割合で混ぜて炊いたもの)

≪A≫
ウスターソース:大さじ1 1/2
カレー粉:大さじ2 1/2
塩:小さじ1/6

【作り方】

  1. れんこん、大根は皮ごと、しいたけは石づきを取り、1.5cmほどの角切りにする。大根の葉は小口切りにする。
  2. 皮をむいたたまねぎ、皮ごとのトマト、にんじんはすりおろす。
  3. オリーブ油を入れた鍋に、にんにく、れんこん、大根を入れて中火で炒める。オリーブ油が全体に回ったら、大豆、しいたけを加えてさらに中火で炒める。
  4. と水、スープのもとを加えてふたをし、中火で15分間煮る。
  5. Aを加え、ふたをして中火で5分間煮る。大根の葉を加えて、サッと火を通す。器に大麦ごはんと一緒に盛る。

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