筋トレはみんなのもの。医療の現場も注目!
医療の現場でも、筋肉が健康に欠かせない要素であることはよく知られています。例えば、立ったり歩いたりといった移動機能が低下した状態を「ロコモティブシンドローム」と呼びますが、筋肉が衰えると、このロコモティブシンドロームになったり、「転倒や骨折」を招くこともあります。

また、筋トレは「さまざまな病気の予防や悪化の防止」にもつながることが、近年の研究で明らかになってきました。例えば、「肺炎の予防」、「糖尿病の予防」、「関節の病気の悪化の防止」などにも効果があります。さらに近年では、筋肉量が多いほど、がんの手術後の回復が早いことがわかり、がんの手術の前に筋トレを行うこともあります。
「体幹」の筋肉はイキイキライフの要
中高年に鍛えてほしいのは「体幹」の筋肉。ひとつ目は、背骨に沿うようにある「脊柱起立筋」(せきちゅうきりつきん)です。

この脊柱起立筋は、姿勢の維持に欠かせない筋肉です。姿勢の維持や体のバランスをとるために活躍するため、「転倒・骨折」の予防にもつながります。また、脊柱起立筋の衰えで姿勢が悪くなると、肺活量が減少したり、逆流性食道炎を起こしたり、呼吸器や消化器といった内臓にも悪影響が出ることがあります。
次に鍛えてほしい「体幹」の筋肉は、主に足を前に出すときに活躍する「大腰筋」です。大腰筋を鍛えることで、スムーズな歩行を促します。

脊柱起立筋を鍛える!バックエクステンション
体幹の筋トレ、まずは「脊柱起立筋」を鍛える「バックエクステンション」です。
はじめに…いすに浅く座り、足を広げます。この状態で(1)と(2)を10回から15回行います。
(1)「上半身を倒す」背中を丸めて、上半身を大きく丁寧に倒す。
(2)「上半身を起こす」先に頭を上げ、上半身を反らせるように丁寧に起こす。
※上半身を倒すときは「おへそ」を覗き込むイメージで行いましょう。


ひざに手をつくと負荷が軽くなり、バンザイすると負荷が大きくなります。
いすは平たんな場所に置き、無理のない範囲で行ってください。
大腰筋を鍛える!レッグレイズ
次に「大腰筋」を鍛える「レッグレイズ」です。
はじめに…いすに浅く座り、座面の後ろ側を掴みます。この状態で(1)と(2)を10回から15回行いましょう。
(1)「両足を高く上げる」ひざを少し曲げて、できるだけ高く上げます。
(2)「上げた両足を下す」ゆっくり丁寧に足を下ろします。
※足を上げるとき「きゅーっ」と声を出すと力が入りやすくおススメです。
転倒には気をつけてください


ひざに深く曲げると負荷が軽くなり、ひざを伸ばすと負荷が大きくなります。自分の体調や体力に合わせて行いましょう。
筋トレは、みんなで一緒にやるのも、習慣化させるコツです。また、体を動かすことは、体の健康だけでなく、心の健康にもつながるので、無理しすぎず、楽しみながら行ってみてください。