見た目も心も若返る!マイオカインの分泌を促進する筋トレ

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脳細胞を活性化したり、大腸がんを抑制する作用がある「マイオカイン」

脳細胞を活性化したり、大腸がんを抑制する作用がある「マイオカイン」

筋肉には体を動かしたり支えたりする以外に、ホルモンを分泌する働きがあります。それが「マイオカイン」です。マイオカインは現在30種類以上発見されていますが、そのひとつ「イリシン」は血流に乗って脳に運ばれると、神経細胞を活性化する物質を分泌すると考えられています。

また、別のマイオカイン「SPARC」には大腸がんを抑制する働きがあると言われています。他にも脂肪の消費を促したり、糖尿病・高血圧・動脈硬化を抑制するマイオカインもあると考えられています。このようなマイオカインを分泌する筋肉の量をトレーニングによって増やすことは80歳、90歳になっても可能です。ぜひ無理のない筋肉トレーニングに取り組んでください。筋肉を使えば脳にも刺激を与え、全身の血流も改善することができます。

筋トレを行うときの基本的なルール

筋トレを行うときに守ってほしい3つのルールがあります。

  • ゆっくり行う。
  • 呼吸を止めない。
  • 鍛える筋肉を意識する。

筋トレを行うときの注意

  • 関節に痛みがある、もしくはトレーニング中に痛みが出た場合は中止してください。
  • 高血圧や糖尿病など持病がある場合は、担当医に相談してから行うようにしましょう。

下半身を鍛える筋トレ

マイオカインを効率よく安定的に分泌させるには、太ももなどの大きな筋肉を鍛えることがすすめられます。
運動の負荷は軽くてもかまわないことがわかっています。また、毎日でなくても、週3~5日程度行うだけでも効果があると言われています。スクワットは太ももなど下半身の筋肉を鍛えるおすすめの筋トレです。

つかまりスクワット

※安定したいすを、すべらない場所に置いて行います。転倒に注意。

  1. 両手をいすの背もたれに置き、両足は肩幅よりも少し広めに開いて立ちます。つま先は正面を向けます。
  2. 3秒間かけて、ひざの高さまで腰を落とします。その姿勢で1秒間保ちます。そして、3秒間かけて元に戻します。
  3. 10回繰り返します。

スクワット

※つかまりスクワットが無理なくできるようになったら行いましょう。転倒に注意。

  1. 両足は肩幅よりも少し広めに開き、まっすぐ立ちます。両腕は胸の高さで広げます。
  2. 膝の角度が90度になるくらいまで、3秒間かけて腰を落とします。その姿勢で1秒間保ちます。 そして、3秒間かけて元に戻します。

    【ポイント】
    ・腰を落とすときに、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。膝が前に出ると、膝を傷めてしまうことがあります。
    ・また、膝が90度まで曲げられない場合は、できる範囲で行いましょう。

  3. 10回繰り返します。

まき割りスクワット

※スクワットが無理なくできるようになったら行いましょう。転倒に注意。

  1. 両足は肩幅よりも少し広めに開き、まっすぐ立ちます。両腕を前方へ水平に伸ばして、手を組みます。
  2. 膝の角度が90度になるくらいまで、3秒間かけて腰を落とします。
  3. 腰を落とした姿勢のまま、組んだ腕を頭の後ろまで上げます。
  4. まき割りするように腕を振り下ろします。腕を上げて振り下ろすのを5回行います。
  5. 10回繰り返します。

血流を促す筋トレ

血流を促すことでマイオカインを脳や臓器に届きやすくします。また、血流を促すことで栄養や酸素を体中に供給し、筋肉や細胞を活性化させます。

かかと上げ

第二の心臓とも呼ばれるふくらはぎの筋肉を鍛えることができます。
※安定したいすをすべらない場所に置いて行います。転倒に注意。

  1. 両手をいすの背もたれに置き、両足は肩幅くらいに開いて立ちます。
  2. 3秒間かけてかかとを上げ、その姿勢で1秒間保ちます。そして、3秒間かけて元に戻します。
  3. 10回繰り返します

踏み出しランジ

第二の心臓とも呼ばれるふくらはぎの筋肉を鍛えることができます。
※最初は大きく踏み出さないようにしましょう。転倒に注意。

  1. 両足は肩幅くらいに開き、まっすぐ立ちます。手を軽く握り、肘を曲げ、両腕を胸の高さまで上げます。
  2. 腕を前に突き出しながら、右脚を踏み出して腰を落とします。その姿勢を3秒間保ち、元に戻します。
  3. 次に反対側。左脚を踏み出して腰を落とします。その姿勢を3秒間保ち、元に戻します。
  4. 左右を交互に10回繰り返します。

【動画つき】足腰や全身の筋肉を鍛える筋トレはこちら

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2020年1月 号に掲載されています。

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