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茂木健一郎さん × 湯浅 誠さん ① 若者の生活保護

2012年06月15日(金)

ハートネットTV・シリーズ貧困拡大社会では4月と5月に、
生活保護について考えました。
放送には出なかった、脳科学者の茂木健一郎さんと
反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんとの
スタジオ収録でのやりとりを再構成し、ブログで紹介していきます。

第1回目のテーマは、15万人(2009年)と急増している
20代から30代の生活保護受給者についてです。 

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 <左から、山田キャスター・茂木健一郎さん・湯浅誠さん>
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番組の収録を終えて  漫画家 倉田真由美さん 

2012年06月14日(木)

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     ※ゲストの漫画家・倉田真由美さんがメッセージを寄せて下さいました!

 
私自身、漫画だけで食べられず、生活に苦労した時期があっただけに、
「貧困」は他人事とは思えません。
貧困やホームレスに関する様々な書籍を読みました。
でも今回、収録に参加し、住まいを失った当事者たちの生活を垣間見て、
さらに生々しく現実を意識させられました。
 

今回、VTRで取材していた男性も、かつては正社員で安定した収入があり、
家族と幸せな日々を送っていた、
それが一つボタンを掛け違えただけで、悪循環に陥り、
しまいには路上生活をせざるをえなくなってしまう・・・。
一旦、住まいを無くし、ホームレスになってしまったら、
その後どうやって浮上すればいいのか。
もし私が当事者になったらと考えても、正直、出来ることが思いつきません。
 

結局、最後に頼りになるのは、人とのつながりだと思いました。
でも、住まいを失いそうになった時に必要な人間関係って、
敷金・礼金の初期費用を貸してくれたり、
保証人になってくれるくらい強固なものでなくてはならない。
数千円、数万円なら貸してくれるという程度の人間関係では意味がないんです。
それだけの人間関係を持っている人は、今の時代、
実はそれほど多くないのかもしれない、と思ったりもします。
「両親、兄弟に頼れない」という人だって、昨今は珍しくありません。
 

貧困に苦しむ人たちのために、
今、すぐに皆が何か出来るというわけではないかもしれません。
でも、口伝てでも、そういう問題に関心を持つ人が増えていけば、
状況が変わる可能性は高くなる。
インターネットが普及して、よいことばかりではないけれど、
世論の力は大きくなっていると思います。
今回のような番組が、少しでも世論が動くきっかけになってくれればと願います。


6月18日(月)午後8時00分-8時29分
「シリーズ 貧困拡大社会 漂流する路上生活者」

6月19日(火)午後8時00分-8時29分
「シリーズ 貧困拡大社会 若い世代を襲う“住まいの貧困”」



 

シリーズ貧困拡大社会 私たちの声を聞いてください(1)

2012年04月16日(月)

ハートネットTVでは1年間にわたって、私たちの日常生活のすぐ隣に忍び寄る「貧困」の問題についてシリーズで考えます。

番組では取材の過程で当事者や支援者など多くの方にお話をうかがっています。
しかし、実際に番組として紹介できる方は、時間の都合もありごく一部の方に限られています。
そこで、今回これまでお会いしたなかで、ご了承いただけた方のインタビューを再構成して掲載します。
さまざまな“声”を知ることで、貧困について考えてもらうきっかけになればと思います。


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     (写真はイメージです)
 

【生活保護当事者・Yさんの場合 (1)保護を受けるまで】


「シリーズ 貧困拡大社会」担当ディレクターです。
Yさん(40)とは今年2月に役所から紹介され、お会いしました。
背が高くがっちりとした体格ですが、笑顔を絶やさない穏やかな方でした。
私の目をまっすぐ見ながら話をしてくれたのが、印象に残っています。

湯浅 誠さんからのメッセージ  「ひんこう」と「ひんこん」

2012年04月04日(水)


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先日、TVドラマ「北の国から」シリーズで有名な、脚本家の倉本聰さんと対談させていただく機会がありました。倉本さんは現在77歳だそうですが、小さい頃、父親から「貧しくても幸せということがある。それを『貧幸(ひんこう)』と言う」と教わったことがある、とおっしゃっていました。


高度経済成長期後半の昭和44年(1969年)に生まれた私には、「モノのない時代」の記憶はありません。ただ、私自身はホームレス状態にある人たちと付き合う中で、期せずして倉本さんと同じような認識を持つに至っていました。それを私は「貧乏と貧困は違う」と表現してきました。

茂木健一郎さんからのメッセージ

2012年04月02日(月)

番組出演者のひとり、茂木健一郎さんから届いたメッセージをご紹介します。

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この世は、努力次第でどうにでもなるという人がいる。しかし、そもそも、その努力をする環境が与えられない人がいる。子どもの時はもちろん、大人になっても、自分の努力だけではどうすることもできないこともある。思い切ってチャレンジができるためには、それを支える「安全基地」がなくてはならない。誰もが最低限の「安全基地」を持つことができる。そのような社会こそが、「文明」という名前にふさわしいのではないか。
 

「シリーズ 貧困拡大社会」ブログ はじめのご挨拶

2012年04月02日(月)

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取材した新宿連絡会の炊き出しは15年間欠かさず日曜の夜に開催するなど、路上生活者の暮らしを支えています。
 


2012年1月、ある日曜日の夜。
新宿駅は休日を謳歌する大勢の人でにぎわっていました。
そこから地下通路を西へ抜け、わずか1キロ。
オフィスビルが立ち並ぶ一角にある公園には、
寒空のもと炊き出しを待つ路上生活者が行列を作っていました。