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番組の収録を終えて  漫画家 倉田真由美さん 

2012年06月14日(木)

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     ※ゲストの漫画家・倉田真由美さんがメッセージを寄せて下さいました!

 
私自身、漫画だけで食べられず、生活に苦労した時期があっただけに、
「貧困」は他人事とは思えません。
貧困やホームレスに関する様々な書籍を読みました。
でも今回、収録に参加し、住まいを失った当事者たちの生活を垣間見て、
さらに生々しく現実を意識させられました。
 

今回、VTRで取材していた男性も、かつては正社員で安定した収入があり、
家族と幸せな日々を送っていた、
それが一つボタンを掛け違えただけで、悪循環に陥り、
しまいには路上生活をせざるをえなくなってしまう・・・。
一旦、住まいを無くし、ホームレスになってしまったら、
その後どうやって浮上すればいいのか。
もし私が当事者になったらと考えても、正直、出来ることが思いつきません。
 

結局、最後に頼りになるのは、人とのつながりだと思いました。
でも、住まいを失いそうになった時に必要な人間関係って、
敷金・礼金の初期費用を貸してくれたり、
保証人になってくれるくらい強固なものでなくてはならない。
数千円、数万円なら貸してくれるという程度の人間関係では意味がないんです。
それだけの人間関係を持っている人は、今の時代、
実はそれほど多くないのかもしれない、と思ったりもします。
「両親、兄弟に頼れない」という人だって、昨今は珍しくありません。
 

貧困に苦しむ人たちのために、
今、すぐに皆が何か出来るというわけではないかもしれません。
でも、口伝てでも、そういう問題に関心を持つ人が増えていけば、
状況が変わる可能性は高くなる。
インターネットが普及して、よいことばかりではないけれど、
世論の力は大きくなっていると思います。
今回のような番組が、少しでも世論が動くきっかけになってくれればと願います。


6月18日(月)午後8時00分-8時29分
「シリーズ 貧困拡大社会 漂流する路上生活者」

6月19日(火)午後8時00分-8時29分
「シリーズ 貧困拡大社会 若い世代を襲う“住まいの貧困”」



 

コメント

私は精神的な病の持ち主ですが、夜壁を叩いたりとか大きい声を出したりなんてしません。
全くの偏見です。
不動産業界の現状に怒りを覚えます。

投稿:りょうまん 2012年06月19日(火曜日) 23時58分

倉田さんが掲示板でおっしゃっているとおり、現代社会では人間関係が希薄になっています。

これは、他人関係だけではなく、家族関係でもいえることで、今回は住宅問題でしたが、孤立死の問題とも共通します。

住宅問題にかぎりますと、一番大きいのは、いくらお金があっても、保証人を探さないと原則家を借りることができないということです。この点を国か地方自治体で解決することはできないのでしょうか?

解決できたならば、もう少し住宅問題は進展するように思うのですが。

ともかく、社会福祉の原点である、その人が自立できる環境作りを行政の力で行ってもらいたいものです。そうすることによって、基本的人権を尊重する社会が実現することでしょう。

投稿:松太郎 2012年06月19日(火曜日) 20時44分