青春アドベンチャー『1848』(連続15回)
8月16日(月)~9月3日(金) 平日の夜9時15分~9時30分 NHK-FM
スタッフFです。『1848』の放送開始まで3週間となりました。収録リポートも、真彩希帆さん、海宝直人さん、霧矢大夢さんにつづき第4弾。今回は、野々すみ花さんからのメッセージをお届けします。
これまで「青春アドベンチャー」では、『1848』の舞台や時代や場所が近接する『帝冠の恋』の主人公ゾフィー大公妃や、『ハプスブルクの宝剣』のテレーゼ(女帝マリア・テレジア)を演じていただきました。いずれもオーストリアと周辺諸国を統治するハプスブルク家の力強いリーダーの役でした。
真彩希帆さんや霧矢大夢さんと同じく宝塚歌劇団ご出身。大空祐飛さん(現在は、ゆうひさん)率いる宙組でトップ娘役の重責を果たされ、ご卒業後も舞台や映像のお仕事を通じて“演じること”を追求して来られました。毎回どの役も、今度は一体どんな風に演じて下さるだろうか……とワクワクさせられ、作品にドラマティックな色彩を与えてくれる方です。
『1848』では、旅回りの一座で舞台に懸ける女性、マルギットを演じていただきました。
【野々すみ花さん メッセージ】
私の原点は舞台です。
舞台の上でその役の人生を生きることは、自分自身の人生を生きることと同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に、命懸けでした。
結婚や妊娠出産を通して生活スタイルが変わり、自分のお世話だけしていられなくなった今は、大きな舞台から遠ざかっています。命懸けで舞台に立つという考えしか持ちあわせていない私には、なかなか飛び込めない世界になっていました。
今回のラジオドラマは、壮大な物語をなんと3日間で収録。演者全員の集中力と制作に携わる方々の緻密な作業によって構成されています。
3日間、自分ではない人の人生をまっとうできたことは、素晴らしい時間でした。
そしてその人物とは・・・舞台の上でこそ生きる意味を見出す女性。
このタイミングで演じられたこと。あらためて深い感謝でいっぱいです。
そして、主人公のユリシュカを演じた真彩希帆さん。
実は、彼女の初舞台公演は、私の宝塚歌劇退団公演でもあったのです。
お互いに大事な時を同じ舞台の上で過ごした関係性が、今こうして再び蘇ったなんて、なんてロマンティックなのでしょうね!
彼女の宝塚歌劇退団後初めて違う世界で演じる姿を見届けられたことは、私にとって大きな刺激になりました。初々しくて、眩しくて、逞しくて・・・まるでユリシュカそのものでした。
どうぞお聞き逃しなく!!
マルギットは、主人公のユリシュカを広い「外」の世界へと誘うきっかけを作ることになる存在です。高貴なゾフィーやテレーゼとは全く違う、気風がいいお姉さん。ユリシュカに対しては“ツンデレ”なところもあり、いざ芝居となるとカッコよくキマる……、どこか新しいプロフィール写真の野々すみ花さんの今に通じる雰囲気がある女性です。
私見ながら、宝塚歌劇団の大きな特徴は、個々の生徒さんの時間に限りがあることにあると思います。その限界の中で個性を磨き上げ、出会いの不思議を抱きしめて舞台に昇華させていく姿に、時の流れを感じずにはいられません。それがまた新しいことに手を伸ばそうという意欲、何かを表現しようという衝動にもつながっていくのでしょう。
『1848』の主人公ユリシュカが、人々との出会いと別れを繰り返しながら、大きな歴史の流れの中で何と向き合っていくことになるのか。どこに命の使い道を見出していくのか。この夏ぜひ、お聴き届けいただければと思います。
収録リポート、次回は石川禅さんからのメッセージをお届けします。
青春アドベンチャー『1848』(連続15回)
~人が渡れない橋、あまたの色を持ち、大地から天へと延びるもの~
8月16日(月)~9月3日(金) 平日の夜9時15分~9時30分 NHK-FM
【作】並木陽
【音楽】日高哲英
【出演者】
真彩希帆 海宝直人 霧矢大夢 野々すみ花
石川禅 中河内雅貴 入野自由 石橋徹郎
桜咲彩花 山本郁子 水野ゆふ 大滝寛
清水明彦 井内勇希 梶原航 横山賀三
井手柚花
投稿者:スタッフ | 投稿時間:17:19 | カテゴリ:オーディオドラマ