山田真夕アナと考える!NHKアナウンサーによる防災授業@山形
- 2023年11月18日
NHKのアナウンサーが各地で開催している防災教室。
今月、山田真夕アナが山形県寒河江市の高校にお邪魔しました。
テーマは、災害時に、命を守る行動や避難を促す「呼びかけ」。どんな言葉で呼びかけたら大切な人の命を守れるのか?高校生と一緒に考えました。
NHKアナウンサーの 命を守る‟防災の呼びかけ”
「呼びかけ」というのは、災害時に、命を守る行動や避難を促すために伝える言葉のことです。
NHKのアナウンサーは、東日本大震災以降、どんな言葉がみなさんの命を守ることにつながるのか、被災者や専門家への聞き取りをもとに、10年以上にわたって模索を続けてきました。
こちらは、実際の原稿を模したものです。
右側の黒い文字で書かれているのが、事実に基づいた情報。
一方で、左側の赤い文字で書かれているのが、アナウンサーが自ら書き込んだ「呼びかけ」に当たります。
災害時、「自分は大丈夫」と思ってしまう人が多い中で、
少しでも被害を減らすために、こうした言葉で注意を呼びかけています。
水害の他にも、地震や大雪などさまざまな状況別に呼びかけを考えているんです。
NHKアナウンサーによる防災授業
私が今回伺ったのは、山形県寒河江市の寒河江工業高校。
高校3年生およそ30人に向け、「水害の呼びかけ」をテーマに授業を行いました。
まず伝えたのは、NHKのアナウンサーが何を大切にして呼びかけを考えているのかについて。
テレビを見ている人がいまどんな状況にあるのか、どんなことを不安に思っているのかなというのを想像して、
その上で、どんな言葉をかけたら避難をしてくれるのか、命を守る行動をとってくれるかなというのをアナウンサー自らが考えて伝えているんです。
災害時には、アナウンサーも呼びかけをしますが、自分事として考えてもらうためには、やはり「身近な人の呼びかけ」がとても大切。それは、データにも表れています。
こちらは、2019年にNHK放送文化研究所が3600人を対象に行った大規模調査の結果です。
「あなたの避難行動を後押しすることは?」という質問で、
最も多かったのは「周囲の状況から危険を感じたとき」でしたが、
そのあとは地元の消防団や、家族、知人など身近な人の呼びかけなんです。
生徒と考える 自分だけの「呼びかけ」
ということで・・・
ここからは、生徒自身に「呼びかけ」を考えてもらいました。
シチュエーションはこちら👇
大切な人がいる地域に大雨が降りそうです!
その大切な人に「もしもしおじいちゃん?おばあちゃん?」などと電話をかけてください。
避難をしてもらうためには、どんな言葉で呼びかけますか?
「しつこく言わないと動かないよ!」
「近所のおじいちゃんおばあちゃんは、自分で逃げられないから助けないと・・・」
「方言で伝えたら、自分の素が出て、切迫感が伝わるかも?」
グループになって話し合う中で、さまざまな案が!
そして、その考えてもらった「呼びかけ」を披露してもらいました。
いくつかの「呼びかけ」をご紹介します。
【祖母への呼びかけ】
「大雨が降って川が氾濫するかもしれないから、貴重品を持って逃げて!自分も向かうから。避難場所で待ってるよ。」
最後に避難場所で待っていると言えば、逃げてもらえると思いました。
【祖父母への呼びかけ】
「死なれたら困るから。また会いたいから逃げて!」
祖母と祖父とはまだ長い間一緒にいたいと思ったので、この言葉を思いつきました。
【近所の人への呼びかけ】
「この地区に災害が迫っているから一緒に逃げましょう。私も逃げます!一緒に行きましょう!」
自分の地区は自分たちで守りたいなと思ったので、自分が率先して動いて、一緒に逃げようと思いました。
生徒の皆さんも呼びかける相手を想像して、自分だからこそできる呼びかけを考えてくれました。
最後に私から、身近な人の「呼びかけ」の大切さを改めて伝えました。
私たちも、テレビを通して視聴者の皆さんに向けて呼びかけをしますが、最後のひと押しとなるのは、家族や友人、近所の人など身近な人の言葉なんです。
もし災害が起こった時には、まずは自分の命を守れる人になって欲しいですし、
さらには、周りの人に向けて言葉を発せられる人になって欲しいなと思います。