宇都宮大学 新学部の舞台裏(宇都宮)
- 2023年12月14日
栃木県内をまわる「あっちこっちとちぎ」は今年、県内25のすべての市と町を訪ねています。
宇都宮市からお伝えするのは、さまざまな人材を地域に輩出してきた宇都宮大学。
この春、8年ぶりに創設される新しい学部の舞台裏を訪ねました。
(宇都宮放送局記者 平間一彰)
新学部は “データサイエンス経営学部”
訪ねたのは、宇都宮大学の峰キャンパス5号館。
ここが、新学部「データサイエンス経営学部」のいわば “コア部分” となります。
「データサイエンス経営学部」 はどんな学部かというと・・・、たとえば、買い物客の購買行動などのデータを分析して、ビジネスに生かす方法などを学ぶことができます。
定員は55人。卒業後は、大学で学んだことを生かして、実社会で活躍できるビジネスパーソンを輩出することを目指しています。
急ピッチで改修工事進む
春の開講に間に合わせようと、今は改修工事が急ピッチで進められています。
こちらの部屋では、作業員が壁や天井にくい打ちをしていました。
春には教員の研究室になる予定で、16人のうち6人は、学外から招へいすることになっています。
実験室には大型コンピュータを設置予定
石のがれきが山積みとなっていた部屋は、実験室になる予定です。
小学校や中学校で習う理科の実験とは違い、この部屋には大型のコンピューターが設置されます。
そして春からは、学生たちがさまざまなデータ分析をする演習が行われる予定です。
“地域のニーズにこたえる” 地方大学の使命
宇都宮大学のような地方大学にとって、新しい学部の創設は、特別な意味を持っています。
それは、「地域のニーズにこたえる」という地方大学の使命があるからです。
戦後、新しい制度のもとで誕生した今の宇都宮大学は、もともと農業を学ぶための大学としてスタートしました。
栃木県の当時の基幹産業は農業で、それに見合う人材の育成が求められていたからです。
そのあと、日本が高度成長時代に入ると工学部が設置され、学生は、機械工学や電気工学なども学べるようになりました。
これも「ものづくりができる人材を育てる」という時代の要請に合わせたものでした。
今 求められる “デジタル人材”
そして今の時代は、ビッグデータやAI=人工知能などを活用してビジネスができる “デジタル人材” の育成が、急務となっています。
新学部の初代学部長に就任する長谷川光司副学長は、「データサイエンス経営学部の創設は、時代の要請にあわせるものだ」と話します。
新学部の初代学部長に就任予定 宇都宮大学 長谷川光司副学長
データ解析は、現代社会の「読み」「書き」「そろばん」と言われるほどの基礎的な学力と言うことができます。新学部では、地域に眠っているデータを読み解くことで起業につなげたり、経営に生かしたりといった人材を育てていきたい。宇都宮大学は地域社会とともに歩んできた大学なので、地域の人や学生たちと、新たな1ページを作っていきたい。