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追悼 人間国宝 大澤光民さん

見る人に喜んでもらえる鋳物を
  • 2023年11月01日

追悼 人間国宝 大澤光民さん

 

人間国宝で高岡市の鋳金家(ちゅうきんか)大澤光民(おおざわ・こうみん)さんが、10月29日、肺炎と心不全で亡くなりました。82歳でした。

高岡市生まれの大澤光民さん、本名、幸勝(ゆきまさ)さんは、15歳で鋳物の道に入り、高岡伝統の鋳造技法を継承するとともに、銅合金の表面にほかの金属で文様をつける独自の技法「鋳ぐるみ法」を編み出しました.

平成17年に(2005年)国の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定され、その後も創作活動を続けていました。

 

NHKは6年前、平成29年に大澤さんを取材していました。
当時、大澤さんは75歳。

見る人に喜んでもらえる鋳物を作りたいと、ひたすら努力を重ねてきた大澤さんが、夏の暑さと戦いながら、展覧会に向けて新たな作品作りに取り組む姿です。
ぜひご覧下さい。

 

【平成29年8月放送】

 

当時取材したカメラマンは“人間国宝”というからには、とても厳格な方なのではと勝手に思い込み、かなり緊張して取材にお邪魔したそうですが、実際にお会いしてみると、大澤さんは笑顔が爽やかなとても気さくな方で、質問にも一つ一つ丁寧に答えて下さったそうです。

そのカメラマンが取材中に、大澤さんが若いころから大切にしていることを教えていただいたのですが、それは「人に話を聞くときは、真剣に分かるまで聞く、そして聞いたことはすぐ実行する」ということばでした。「真剣に分かるまで聞く、そして聞いたことはすぐ実行する」。大澤さんの真摯な人柄が、偲ばれることばだと思いました。

 

大澤さんは家族によりますと、体力の低下などにより、2年ほど前からは活動していなかったということです。

大澤さんの長男はNHKの取材に対し、「強い信念を持って人生を全うしたと思う。人間国宝として最期まで貫いていた」と話していました。

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