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【コロナ5類移行後1か月】徳島で変わったこと

  • 2023年06月14日

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行して、6月8日で1か月です。以前の日常を取り戻しつつある徳島の各地を取材しました。

互いの笑顔が見える学校生活に

コロナ禍のおととし、上板町の高志小学校を取材したときの様子です。児童も教員もみなマスクをつけて学校生活を送っていました。

それから2年がたち、5月に再び学校を取材すると児童の半数以上がマスクを外していました。

文部科学省は4月1日から学校教育の現場でマスクの着用を求めないことを基本とする通知を出しました。この学校でも4月からマスクの着用を個人の判断としていますが、「5類移行」を受けて外す児童がさらに増えているといいます。

コロナ禍で中断していたグループ学習も再開したほか、給食の際には机を向かい合わせにしないものの「黙食」は必要ないとされていることから、小さな声で会話を楽しんでいました。

みんなの顔とか声が、きちんと聞こえたり見られたりしてうれしいです。

みんなの顔がはっきり見えて、いつもマスクしよったときよりも楽しくなった。

高齢者施設にも笑顔

重症化リスクを抱える人が多い高齢者施設にも変化が訪れています。

感染対策のため面会の制限を徹底してきた徳島市中島田町の高齢者施設では、新型コロナの感染拡大以降、入居者と家族の面会をオンラインにしたり、時間や場所を制限したりしてきました。

施設では「5類移行」を受け、施設を自由に訪れて入居者と対面で面会できるよう制限を緩和し、取材した日には徳島市の60代の男性が妻とともに、4年前から施設に入居している90代の両親の元を訪れました。

男性は、施設での生活の様子を尋ねたり、家族の写真を見せたりして両親と楽しそうに会話をしていました。

訪れた男性

これまで玄関での荷物の受け渡ししか出来なかったので、直接会えるようになり嬉しい。今後は気軽に訪れて、たあいのない会話をしたい。

91歳の母親

コロナ禍では全然、家族と話せなかった。向き合って会話できるようになり、とても嬉しい。

飲食店にも徐々ににぎわい

新型コロナで大きな影響を受けてきた飲食店も、ようやくにぎわいを取り戻しつつあります。

徳島市の繁華街、富田町にある創業47年のラウンジでは、取材した5月下旬、8つあるテーブル席の半分が常連客で埋まっていました。

「5類移行」にあわせて店では、従業員に義務づけていたマスクの着用を個人の判断に委ね、従業員は笑顔で接客していました。

この店では、新型コロナの感染拡大以降、時短営業を求められて休業したり、客の数を制限したりして、一時、1か月の売り上げがコロナ禍前の2割ほどに落ち込みました。

その後、去年11月ごろから客が戻り始め、ことし4月は売り上げがコロナ禍前の1か月の6割程度に回復したということです。

「3年ぶり、4年ぶりに来てくれる客がいてうれしい。今後はビジネスマンの利用が戻ることに期待している」

観光客もコロナ禍前に近い水準に

「5類移行」による変化は、徳島を訪れる観光客数にも表れています。

徳島県内の主な観光施設を訪れた人は5月、前の月より大幅に増加しました。

このうち
▽鳴門市の「渦の道」を訪れた人は5月、のべ6万4115人と前の月より2万2000人余り増え、
▽三好市の「祖谷のかずら橋」は5月、3万5074人が訪れ、前の月より1万4000人余り増えました。

このほか、
▽板野町の「あすたむらんど徳島」は、前の月より1万4000人余り増え5万7010人
▽阿南市の「太龍寺」とふもとの道の駅とを結ぶロープウエーは1200人余り増え6749人
▽美波町の「日和佐うみがめ博物館カレッタ」は、2400人余り増え4360人でした。

5月は大型連休があり、利用客は例年4月より増える傾向にありますが、ことしは大幅に増え、いずれの施設でもコロナ禍前の水準に戻りつつあるということです。

県観光政策課は「新型コロナの感染者が減少し、5類に移行するなか、人の流れが回復してきている」としています。

「5類移行」移行の感染状況は増加傾向

ただ「5類」に移行したとはいえ、新型コロナの感染状況には引き続き注意が必要です。感染状況の把握方法は、すべての感染者の報告を求める「全数把握」から、指定した医療機関からの週1回の報告をもとにした「定点把握」に変更されました。

8日に県が発表した、6月4日までの1週間の感染者数は、1医療機関あたり3.22人で、2週連続で前の週を上回りました。全国の傾向と同じく、徳島県内でも感染状況は緩やかな上昇傾向となっています。

こうした「定点把握」の数字について県は「前の週と比較することで感染の傾向をつかんでほしい」としたうえで、高齢者など重症化リスクの高い人を中心に、引き続きマスクの着用や手洗いなどの感染対策を行うよう呼びかけています。

前の週と比べて感染者数の数字が増えているのか、減っているのか。その推移を参考に場面に応じて家庭や個人で必要な対策をとってほしいと思います。

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