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地域ぐるみで企業の魅力アップ

地域で連携して福利厚生を充実させ人材確保にもつなげよう
  • 2024年03月18日
地域ぐるみで企業の魅力アップ

人手不足を背景に、売り手市場が続き、企業の間では人材の獲得競争が激しさを増しています。各地で、賃金を引き上げる動きがありますが、人材を確保するためには、福利厚生の充実も大切だとされています。三豊市では、地域を挙げて働く人の健康増進を図り、福利厚生を充実させようという試みが始まっています。個々の企業、単独では難しくても、市の主導で地域の企業が連携し、健康に働き続けられる環境づくりと雇用問題の改善につなげようという取り組みです。

健康“社員食堂”

 

三豊市内の10の飲食店で、それぞれ工夫を凝らした健康志向のランチメニューが提供されています。サーモンの南蛮漬け定食は、地元の食材をたくさん使った、塩分控えめのヘルシーな献立です。従業員がヘルシーな食事をとることで、健康の増進とともに、企業に対する満足度の向上につなげてもらおうと、三豊市が行っている事業で、参加している地域の企業の従業員が“社員食堂”のように利用できるようになっています。専用の健康アプリでチェックインし、市のデジタル通貨で支払うと、ポイントがもらえます。飲食店にとっても新たな顧客の開拓につながることが期待されています。

利用した人
最高です。毎日仕事頑張れると思う。

利用した人
健康食だと聞いていたので、もうちょっと味が薄いのかなと思ったら、味がしっかりついていてとてもおいしい。

健康コンテスト

 

働く人たちの健康増進に力を入れる三豊市では、企業対抗の健康コンテストも実施しています。脂肪や筋肉の増減、歩いた歩数などに応じてポイントが付与されます。社内でチームを組んでポイントを競い、上位入賞のチームにはスポーツ用品などが贈られます。ゲーム感覚で楽しみながら、健康意識を高めてもらうのがねらいです。

参加企業は

 

市の事業に参加している冷凍食品メーカーでは、以前から従業員の健康管理に力を入れてきました。オフィスには、空いた時間に利用できるように健康器具が設置されていて、製造しているコロッケが食べ放題のコーナーもあります。市の健康コンテストにも2つのチームを作って参加しました。

コンテスト参加者
やっぱり健康が1番かと思うので、ひとりではなかなかできないことも、地域ぐるみでみんなでやることでできることもあると思うので、そういった意味ではすごくいいと思う。

 

会社の業績は好調で、従業員をもっと増やしたいものの人手不足で思うように集まらないと言います。市の事業に参加して健康の増進や福利厚生の充実を図ることで、企業としての魅力が高まり、人材確保にもつながればと考えています。

参加企業 味のちぬや 管理部 合川達雄部長
人手不足を感じていて、1つの企業だけでは、できることはどうしても限られてくるので、三豊市で、そういうインフラを整えてもらえたら、うちはそれにどんどん参加していって、社員の意識も少しでも変わっていけば


宿の共助

 

三豊市の事業には“宿の共助”もあります。瀬戸内海の絶景が楽しめる、一棟貸しの優雅なコテージも、空いているときは、参加した企業の従業員が割安で利用することができます。宿泊施設の空き状況のデータを、参加した企業が共有できる仕組みです。現在は、市内を中心に25棟の宿泊施設が対象で、通常の料金に比べておおむね30%から50%ほど安く利用できます。宿泊施設にとっては空室の有効活用や清掃の効率化を図ることができる一方、地元企業も、コストを抑えて福利厚生を充実させることができます。

宿泊施設 燧-Hiuchiー 真鍋貴臣代表
よくある予約サイトで直前に安売りしますみたいなのがあるけど、不特定多数のいろんな人に出すよりは、地元の人や知っている人で、ちゃんと会社の福利厚生として泊まってくれる人に使ってもらえる方が、こちらも顔が見えて、ありがたい。

 

実証事業は3月までで、3つあわせてのべ30社余りが参加しています。市は、地域全体で健康に働き続けられる環境を構築することで、地元の企業の魅力アップにもつながればとしています。

三豊市 担当者
必ずしも給与面だけではなく、休暇やライフスタイルを重視するという声も多いと聞いているので、各企業ごとにその辺のサポートをすることが難しいような部分でも、市や地元の企業とあわせて、共助の取り組みとしてもっと盛り上げていけるような仕組みを作っていけたら。

  • 佐藤和枝

    高松放送局記者

    佐藤和枝

    丸亀支局担当

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