展示 13

コンピュテーショナルフォトグラフィーによる3次元撮像

ホログラフィーによる高精細3次元動画撮影を目指して

展示概要

自然光下での高精細な3次元撮像を目指して、コンピュテーショナルフォトグラフィーの研究を進めています。コンピュテーショナルフォトグラフィーとは、被写体とカメラの間に特殊な光学系を組み込み、計算機で演算処理することにより、一般的なカメラでは捉えられない特殊な映像を撮影できる技術です。ここでは要素技術として、インコヒーレント※1デジタルホログラフィーと符号化イメージングを展示しています。

インコヒーレントデジタルホログラフィーの撮像システム
符号化イメージングの撮像システム

研究の目的

没入感・臨場感あふれるコンテンツ制作に必要な、レーザー光などの特殊な照明を使用しない高精細な3次元撮像システムを実現するための研究です。

課題

インコヒーレントデジタルホログラフィーによる3次元撮像では、条件の異なる複数枚のホログラムの取得が必要で、動画での撮影は困難です。加えて、出力された3次元映像の品質を高めるためには、ホログラムの微細な縞模様を高解像度に取得する必要があります。

どんな技術?

開発した技術

条件の異なる4枚のホログラムを一括で取得できるインコヒーレントデジタルホログラフィーの光学系を構築しました。これにより、動きのある被写体を連続的に撮像できます。

加えて、被写体とカメラの間に微細な符号化パターンを設けて、画像の解像度を高める超解像技術を開発しました。

2つの技術について、動画でご説明します。

インコヒーレントデジタルホログラフィーで撮影した映像です。

撮影後でも任意の奥行き位置にピントを合わせた動画を再生できます。みなさまも是非、ご自分でピント調整をしてみてください。

符号化イメージングで超解像した画像です。

技研では、今後この2つの技術を組み合わせた3次元撮像システムを構築し、没入感・臨場感あふれるコンテンツの制作に必要な、3次元空間におけるあらゆる光の情報を高精度に捉えられるカメラの実現を目指していきます。

詳しい解説

2つの技術の詳細について説明します。

インコヒーレントデジタルホログラフィーによる3次元撮像

  • 位相※2条件の異なる複数のホログラムを生成する技術
  • 空間的に光を分割する技術

符号化イメージングによる超解像

  • 符号化パターンを使った超解像の原理
  • ミラーデバイスと2つのカメラを使った高速符号化技術

過去の技研公開での展示

関連文献