コンピュテーショナルフォトグラフィー

高精細な3次元情報を取得するための基礎技術の探究

自然光(インコヒーレント光)の下で高精細な3次元情報を取得できるコンピュテーショナルフォトグラフィーの研究を進めています。ここでは、取得した3次元情報から計算で画像を構成し、自由にピントを調整できる技術を展示しています。

コンピュテーショナルフォトグラフィーとは

被写体とカメラの間に特殊な光学系を組み込むことで、一般的なカメラでは捉えられない映像を撮影できる技術です。カメラで撮影した時点では画像というより単なる情報に過ぎず、これを計算機で数値計算することで画像が得られるため、コンピュテーショナルフォトグラフィーと呼ばれます。3次元情報の取得だけではなく、例えば、 超解像、ぶれやぼやけの除去、レンズなしカメラなど、これまでにさまざまな高機能の撮像技術が提案されています。

技研で研究を進めている
コンピュテーショナルフォトグラフィー

技研では、 コンピュテーショナルフォトグラフィーの主要技術として「インコヒーレントデジタルホログラフィー」を研究しています。
ホログラフィーは紙幣の偽造防止や立体表示に活用されており、光の干渉縞を使って情報を忠実に再現できる特徴があります。これを撮影技術に応用したのがインコヒーレントデジタルホログラフィーです。

こちらで撮影の仕組みを室井哲彦主任研究員がわかりやすくご説明します。

技研では、これまでに複雑な撮像特性を理論的に解析し、光学系設計の最適化を進めてきました。今後、動画やカラー化対応も含めた性能向上を進め、没入感・臨場感あふれるコンテンツの制作に必要な、3次元空間の光の情報を高精度に捉えられるカメラの実現を目指していきます。

光の干渉縞を使った3次元映像技術についてはこちらもあわせてご覧ください。

自分でピント調整してみよう

これがインコヒーレントデジタルホログラフィー技術で撮影し計算で構成した画像です。被写体の3次元の情報を取得しているため、撮影後でも任意の位置にピントを合わせた画像を再生することが可能です。皆様もぜひ、ご自分でピント調整をしてみてください。

干渉縞ってなに?

光のもつ3次元情報を取得するために重要な役割を果たす「干渉縞」。いったいどのような仕組みなのでしょうか?

3次元情報からどのように画像を構成しているの?

取得した3次元情報から、どのように画像を構成しているのでしょうか。画像の構成技術について説明します。