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「子ども放置禁止」条例 埼玉・自民党県議団 なぜ取り下げ? 会見Q&A 【詳しく】

  • 2023年10月10日

 

小学3年生以下の子どもを自宅に残したしたまま保護者が外出することなど放置を禁止する虐待禁止条例の一部改正案を埼玉県議会に提出した自民党県議団は、改正案を取り下げることを明らかにしました。
なぜ取り下げたのか?1時間半近くに渡った記者会見の主なやりとりをまとめました。

「子ども放置禁止」条例案とは

埼玉県虐待禁止条例の一部改正案は県議会の最大会派自民党県議団が子どもが放置されることにより危険な状況に置かれることを防ごうと、先週、県議会に提出しました。

改正案では、小学3年生以下の子どもを家などに残したまま保護者などが外出することを禁止するとともに、4年生から6年生については禁止ではなく努力義務としています。

埼玉県によりますと、10日午後2時までに1007件の意見が寄せられ、このうち改正案に反対意見が1005件、賛成意見が2件だということです。

また、さいたま市PTA協議会が行った改正案に反対するオンラインの署名活動には、10日午後2時までに2万7000人以上の署名が集まったということです。

自民党県議団の会見

これについて、自民党県議団の田村琢実団長は、10日午後さいたま市内で記者会見し、県議団が先週提出した虐待禁止条例の一部改正案を取り下げることを明らかにしました。

自民党県議団 会見で語ったことは?

自民党県議団 田村琢実団長

会見の冒頭、自民党県議団の田村琢実団長は、次のように述べました。

田村琢実団長
「県民や国民のみなさまに大きな不安の声をいただき、ご心配を賜っていること、心からお詫びを申し上げる。私の説明不足がひとつに挙げられる。すべて私の責任だと感じている。本日、このような状況を鑑みて緊急で団会議を開催して方向性を決定したので、県民国民のみなさまに発信させていただければと思う」

Q:取り下げになった理由は?

A:県民や国民のみなさまに不安と心配の声を多数いただき、団体などからも意見をちょうだいしたので、諸般の事情により、すべてを総合的に判断して、私の提案で団員の皆さんにご理解を賜った。

Q:条例の趣旨は?

A:社会全体で子どもたちを育てていく、見守っていく、そういう環境づくりを目指していた。

Q:現状とかい離があった?

A:私どもの議員団は若い世代が多く、子育て中の議員もいる。きちんと協議していてかい離があるとは考えてない。私の説明不足でかい離を生んだ。条例案そのものの中身は正しかったが、誤解を招いた。私たちが考えていた方向性と違う方向に世論が動いてしまった。すべて私の説明不足。

Q:議論の進み方の反省点は?

A:条例全体の構成を説明しきれず、(子どもの放置の禁止など)改定部分のみの説明に突っ走ってしまった。そこは非常に残念な思いだが、広く国民や県民から指摘をいただいたので取り下げという判断に至った。もともとの条例に記されている、安全配慮義務の説明が不足していて、こういう事情の場合は虐待にあたるかあたらないかを○×で回答してしまった私の責任。

Q:安全配慮義務とは?

A:安全配慮義務は、各家庭で子どもの発育状況によって違う。家の鍵をかける、火を使わないとか、家庭内で約束されていればほとんど虐待にはあたらない。

Q:県民などからはどんな声が寄せられたのか?

A:一概には言えないが、子育ては各家庭で違うことや、シングルマザーの働く環境、子育て環境を理解してほしいという声が寄せられている。

Q:今も待機児童の問題があるが、環境整備についてどう考えるか?

A:市町村は、小学3年生以下が学童保育への入所を希望する場合に入所させなくてはいけないが、達成できていない市町村もある。そこを加速度的に進めていくために、条例を制定することで県が市町村をバックアップする姿勢を示すつもりだった。しかし、私どもが考えていたのとは違う方向に世論が動いた。今後の課題としたい。

Q:きょう昼に開かれた県議団の団会議ではどんな声が寄せられた?

A:説明を尽くせば理解が広がるのではないか、ちゃんと説明すれば理解してもらえるのではないかという声もあったが、私としては、ご理解を得られる状況ではないと判断した。

Q:これまでに行ったパブリックコメントで寄せられた内容は?

A:パブリックコメントについては、意見を自由に言っていただく環境づくりが重要ということで、内容は公表しないことになっているが、反対意見が多いというわけではない。それで提案に至った。寄せられたパブリックコメントの件数は言えないが、少なかった。反省材料としては、広く子育て世代の声を拾う、拾っていたと思っていたが、もう少し丁寧にパブリックコメントを集めるべきだった。

Q:何が問題だったか?

A:提案した条例の改正案自体に問題があるとは思っていない。一度県民の不安を払拭したい。

Q:問題ないのになぜ撤回?

A:国民と県民の不安の声を第一に取り除くことが大事。今回の議会では達成できないが引き続きやっていきたい。

Q:今後、子育て世帯や子ども支援団体などと情報交換をするような思いはある?

A:きょうは、取り下げということを決定したばかり。今後はゼロベース。ご提案をいただいているので真摯に受け止めて反映できるようにしていきたい。

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