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インフルエンザ 埼玉県でも早くも流行 予防接種や対策は?

  • 2023年09月29日

埼玉県でも、過去にない早い時期にインフルエンザの感染が広がっています。予防接種の開始時期を例年より前倒しする医療機関も出ています。私たちはどうすればいいか。小児科の医師に対策を聞きました。

(さいたま放送局 記者 玉木香代子)

異例の9月に早くも流行

インフルエンザの患者数が増えている埼玉県。9月に入って患者数が大きく上昇しています。流行の注意報が出ています。9月に出る注意報は異例です。

診療所には患者が相次ぐ

さいたま市岩槻区の小児科の診療所

さいたま市岩槻区にある小児科の診療所でも、いつもならインフルエンザの患者がゼロだという9月下旬までの1か月に、およそ30人の患者を診たそうです。院長の峯眞人さんは、ピーク時の本格的な流行とまではいかないものの、この時期にこれほどの感染者が出ることは異例だといいます。

小児科の診療所 院長 峯眞人さん
「40年以上診療をやってきていますが、こんなことは初めての経験です。夏休み明けからインフルエンザの患者数が増えてきて、集団生活や学園祭などの行事を通じて、集団で感染してしまう子どもたちが出てきて、家庭内で大きな子から小さなお子さんに感染が広がってきている状況です」

接種を前倒しする動きも

乳幼児健診で 親に状況を説明する峯医師

医師によりますと、例年なら、年明けの1月後半から患者がどんどん増え始めて3月にかけてピークを迎えることが多いので、ピーク時に免疫効果が残っているように、10月下旬に予防接種を始めることが多かったということです。

しかし、すでに流行している状況なので、今シーズンは、接種時期を10月7日からと、3週間程度早めることを決めました。

受付開始とともに次々と予約が

受付を開始した28日正午すぎ。診療所では30分ですでに300人近い予約が入っていました。

新型コロナワクチンとの同時接種もできると案内しているため、家族で同時に接種することを検討している人もいました。

1歳と4歳の子どもの母親
「流行が早いのは心配ですね。上の子が幼稚園で集団生活を送っているので、インフルエンザもコロナもかかると家族で大変な思いをするので、10月中旬には家族で同時接種することを考えています」

対策どうすれば?医師は…

今の感染状況を受けて、対策はどうすればいいのでしょうか?峯医師に聞きました。

記者

予防接種が効果的なのでしょうか?

小児科の診療所 院長 峯眞人さん
「予防接種のワクチンは、重症化を防ぐというものなので、ワクチンを打ったからといってインフルエンザにかからなくなるわけではありません。ただ、ここ数年インフルエンザの流行がなかった時期に、ウイルスと闘ったことがない子どもたちがまとまっていますので、正直重症化するリスクも高いと考えたほうがいいです。だとすると、せめてワクチンで重症化を予防することが重要だと思います」

新型コロナウイルスも流行していると聞きました。注意が必要ですか?

小児科の診療所 院長 峯眞人さん
「今は新型コロナも同時に流行しているので、我々医師が心配しているところです。今、流行している新型コロナの特徴は、かかったときの熱が高く、最初は咳が出ない傾向があります。これはインフルエンザと全く同じなので、症状からだとまったく区別がつかない。
今は新型コロナとインフルエンザがダブルで流行している状況なので、かかってしまって重くなってしまうと大変な状況になるので、対策としてワクチンを検討していただきたい。小さいお子さんの場合、感染経験がなければコロナは3回、インフルエンザは2回打つ必要があります。
同時に接種できる種類のものなので、子どもを何度も診療所に連れて行く負担を考えても、体調が良ければ、同時接種することも選択肢としてぜひ考えていただきたい」

早くワクチンを打つと、来年2月ごろに効果が薄れていそうで心配なんです

小児科の診療所 院長 峯眞人さん
「今の流行が年内にピークを迎えて収まるのか、年明けまで流行が続くのか、我々専門家でも正直ちょっと予想ができない状況です。確かに小さなお子さんほど接種するワクチンの量も少なく、効果の持続も大人よりも短いのですが、まずは今流行している状況に備えることを優先して考えていただきたいと思います。

ただ、前のシーズンにワクチンを打ったお子さんの場合、何もワクチンを打ってきていないお子さんに比べて、1回のワクチンの効果が高く出る場合もありますから、シーズンに2回打つ場合に、2回目の間隔を空けることも、対策のひとつとして考えられるかもしれません。いずれにしても、どのように計画をたてるか迷った場合は、ぜひかかりつけの小児科医の先生に尋ねていただきたいと思います」

季節外れに感染が広がる、インフルエンザ。今後の予測が立てづらい状況ではありますが、家族がかかって重症化するのを防ぐためにも、今からできる対策を話し合って備えていきたいですね。

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