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小林製薬 紅麹 食品への不安にどう対応 SNSには誤情報や偽動画も

  • 2024年4月5日

「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で影響が広がっています。健康被害の原因が特定されない中、小林製薬の紅麹原料を仕入れていた会社では、取引先への対応に追われているほか、SNSでは誤った情報や偽の動画が広がっています。

小林製薬「紅麹」問題で自主点検

小林製薬の「紅麹」の成分が含まれた健康食品をめぐっては、摂取したあと、亡くなった人が報告されるなど、全国で健康被害の訴えが相次いでいます。

厚生労働省は、小林製薬の紅麹原料を仕入れていた企業名を公表し、健康被害の情報が寄せられた製品がないかなどを自主点検するよう求めていて、小林製薬から紅麹原料を直接仕入れた52社については、該当する製品がなかったことがわかっています。

一方、これらの52社から原料の供給を受けた173社については、4月5日が自主点検の報告期限でしたが、関係者への取材で期限までに該当する製品の報告がなかったことがわかりました。

“自主回収を” 費用負担はどうなるのか

厚生労働省が自主点検を求めた173社のうち、茨城県に本社がある食品の製造加工などを手がける会社では、小林製薬の紅麹原料を含む食用インクで描いた柄などを食品に貼り付けることができる「食べられるシート」を製造し、8つの会社に卸しています。

確認したところ、小林製薬が「プベルル酸」という物質が見つかったと公表したものとは別のロットのものだったとわかり、これまで健康被害の情報が寄せられたこともなかったということです。
しかし、小林製薬からは、「原因が完全に究明できていない」などとして、原料の使用を控えるとともに販売した製品を自主回収するよう求められています。

仲谷健太郎社長
「安全宣言を出してくれないために自主回収しなくてはならないところまで追い込まれています。どこまで責任を負ってくれるのかと言われても、回収方法や期限、それに費用についての話が一切出てこないので、小林製薬から回答があるまで保管するよう頼むしかありません。冷凍している場合は冷凍倉庫の費用、全国から回収するなら運送費などと費用が膨らんでいくので、どこまで請求されるかわからず不安です」

食品への不安 使用について張り紙で明記

消費者の間で紅麹を使った食品への不安が広がる中、対策に乗り出した店舗があります。東京・練馬区に本店があるスーパーマーケット「アキダイ」では、小林製薬の紅麹原料を使った商品は販売していませんでした。

ただ、都内4店舗の取り扱い商品をすべて確認したところ、ほかの会社の紅麹を使った商品が2つ見つかったことなどから、陳列棚に「こちらの製品は紅麹を含みますが小林製薬の紅麹は使用しておりません」と張り紙をしました。

秋葉弘道社長
「風評被害のようになっているのが現状で、紅麹と書いてあるだけで『これ大丈夫なんですか』と問い合わせがあったり返品されたりといったことが起きています。お母さんが良いと思って買ったけど、紅麹が含まれていることに家族が気づいて問い合わせてきたケースもありました。しかたないですが、そういう手間はお互い嫌だろうから最初から告知する方が良い、紅麹は入っているけど小林製薬のものではないという理解のもとで買って頂ければトラブルや心配もないかと思ってやっています」

誤情報や偽動画に注意を

一方、SNSでは誤った情報や偽の動画が広がっています。会社が会見で健康被害の原因が新型コロナワクチンであると発言したとする偽の動画や、着色料としてさまざまな食品に用いられる「ベニコウジ色素」と小林製薬が製造した「紅麹原料」を混同した投稿も相次ぎ、中には危険性を訴える誤った情報もあります。

「ベニコウジ色素」はベニコウジカビの培養液から得られる食品の着色料で、食品添加物として国によって使用が認められています。業界団体の日本食品添加物協会は「ベニコウジ色素」と「紅麹原料」は異なるとする見解を出し、「ベニコウジ色素」で健康被害が出たことはないとしていて、メーカー各社も同様の声明を出しました。

多くの人が不安を感じるときには偽情報が広がりやすく、発信しているアカウントに不審な点はないか見るほか、公的機関や報道機関の情報を確認するなど、注意が必要です。

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