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“ボールはともだち”「キャプテン翼」連載終了 葛飾区にゆかり今後は?

  • 2024年4月5日

サッカー漫画の金字塔「キャプテン翼」。40年余りにわたった雑誌「週刊少年ジャンプ」での連載が終了しました。
原作は高橋陽一さん。出身地の東京・葛飾区では、漫画を活用したまちおこしを進めていますが、その地元のチームに所属する、稲本潤一選手をはじめ、ワールドカップに出場経験のある国内外のトップ選手からも愛され、影響を与えてきました。

「キャプテン翼」とは

主人公のサッカーの天才少年、大空翼が個性豊かなチームメイトやライバルたちとともに劇的な試合展開の中で数々の名シーンを生み出し、友情を育みながら成長していく姿が描かれています。
50以上の国と地域で刊行され、コミックスの累計発行部数は国内外で9000万部以上にのぼっています。
サッカー漫画の金字塔として知られ、これまで、日本代表をはじめ、海外のトップ選手もファンを公言してきました。

作者の高橋陽一さんに聞く

作者は、東京・葛飾区出身の高橋陽一さん。ことし1月、体力の衰えや執筆環境の変化などを理由に連載の終了を発表していました。

キャプテン翼の作者 高橋陽一さん
「率直にはほっとしている部分と、やっぱり若干の寂しさみたいなのもありつつ、この決断に対してあんまり後悔はないなと」

連載が始まった当時、日本にプロチームはなく、ワールドカップへの出場もまだ先の状況でした。

「ワールドカップを見てからサッカー好きになったので、日本もいつかこの舞台にとか、もっともっとサッカーのすばらしさを日本の人たちに知ってほしいなという思いで描き始めた部分もありましたので、多少なりとも貢献はできたのかなと」

ファンからは

長く続いた連載は、多くのファンを魅了してきました。

 

僕自身サッカーやってて、親がサッカー漫画ということで買ってくれて、それからずっと読んでいます。プレーヤーとしてはけっこう夢を持たせてくれるようなシーンがいっぱいあって、そういうところに魅力を感じます。

 

ずっと長くみてきました。楽しませてもらいました。ありがとうございました。

葛飾区では「キャプテン翼」を活用したまちおこし

高橋さんの出身地は東京・葛飾区。区では、「キャプテン翼」を活用したまちづくりを進めています。
区は、将来的に建設を目指すサッカースタジアムの用地として、JR新小岩駅近くにある総合運動場の土地取得に関する協定を、去年(2023年)、土地を所有する文部科学省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」を結び、ことし(2024年)3月に団体から取得しました。
区によりますと、広さは約6万8000平方メートルで、取得費用は約325億円だということです。
今後は、区民に開放した運動場として利用しながら、将来的には1万5000人規模の観客を収容できるスタジアムを建設したい、としています。
実現すれば、入場可能数がJリーグのJ1基準の1万5000人以上を満たすサッカー専用のスタジアムが、初めて東京23区内にできるということです。

世界で戦うトップ選手にも影響

その、葛飾区にあるサッカーチームが「南葛SC」。キャプテン翼の主人公が所属したのと同じ名前の社会人チームに稲本潤一選手が所属しています。「キャプテン翼」のファンで、実際に日本代表に選ばれるまでになり、ワールドカップに3大会続けて出場しました。

元日本代表 南葛SC 稲本潤一選手
「ボールは友だちだと思いますし、やっぱり翼くんになりたかったですね、僕の世代の選手たちは、まちがいなくキャプテン翼に影響を受けて、サッカーのおもしろさ、楽しさであったりとか、もしかしたらそれをきっかけに サッカーを始めた選手も多いと思うので、キャプテン翼を生んでくれてありがとうと言いたいですね」

世界で戦うトップ選手にも影響を与えてきた「キャプテン翼」。作者の高橋さんはいま、このように思っています。

高橋陽一さん
「漫画の中で表現してきたものが実際のサッカー選手たちにも影響を与えて、日本のみならず、世界のサッカー選手の皆さんにも、インスピレーションを与えられるようなものになったっていうのは大変誇らしく思いますし、世界の皆さんにも同じように、やっぱりサッカーっておもしろいよねっていうふうに漫画を通して思っていただけたのはうれしく思っています」

連載は終了 今後は…

高橋さんによりますと、今後、オリンピック編をはじめ、ワールドカップでの翼の活躍などを描く構想があるということで、新たにサイトを立ち上げ、ことしの夏以降に鉛筆描きの下絵のいわゆる「ネーム形式」で物語の続きを明かしていくということです。

高橋陽一さん
「今後は下絵のところでストップして、それを見てもらうという感じなので『これじゃ駄目だよ』って読者の方々が離れていく可能性もあるとは思いますが、僕としては、それでも自分の中で物語は残しておきたいなっていう思いのほうが強かったです。まだまだおもしろいものが描けるんじゃないかと自分自身も思っているので、続きの翼の物語も読んでいただけたらうれしく思います」

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