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ふるさと納税「代理寄付」とは?能登半島地震 被災自治体の事務代行でメリットは

  • 2024年1月15日

能登半島地震のあと被災した自治体の代わりにふるさと納税を通じた寄付を受け付ける「代理寄付」の取り組みが広がっています。首都圏などの被災していない自治体が事務作業を代行し負担を減らすことが狙いです。ふるさと納税の「代理寄付」仕組みや狙い、取り組みの広がりについてまとめました。

茨城県境町 能登半島地震で「代理寄付」受け付け

茨城県境町は1月2日から石川県輪島市と珠洲市、3日から石川県へのふるさと納税の寄付を代理で受け付けを始めました。1月11日時点で1万7000件余り、3億円を超える寄付が全国から寄せられているということです。

きっかけは関東・東北豪雨

境町が「代理寄付」に取り組むきっかけになったのは、町の広い範囲が浸水した9年前の2015年に起きた関東・東北豪雨です。ふるさと納税を通じて全国から多くの寄付が寄せられ助けられた一方で、受け付け業務の負担が課題となりました。

境町ふるさと納税推進室 織原智史室長
「被災した自治体の職員はまずは住民の支援にまわらなければならないという状況があるので、事務を代行することで支援できればと思っています。ぜひ『代理寄付』という仕組みを、ご理解の上、ご検討いただきたいです」

負担軽減 ふるさと納税「代理寄付」の仕組み

ふるさと納税の仲介サイトは今回の地震で被災した自治体を支援しようと、特設サイトを設けてふるさと納税を通じた寄付を呼びかけています。
主な4つのサイトのうち、「ふるさとチョイス」と「ふるなび」は、被災した自治体に代わって別の自治体が寄付を受け付ける「代理寄付」と呼ばれる仕組みを導入しています。

「代理寄付」は通常、寄付金を受け取る自治体が行う必要がある証明書の発行などの事務作業を被災していない自治体が代わりに行うことで、被災した自治体が災害対応に集中できるよう支援する仕組みです。

被災自治体の負担を増やしたくない

静岡県内に住む田中里枝さんは、ふるさと納税を通じて被災地への寄付を考えましたが、自治体の事務作業が増えて負担になるのではないかと悩んでいたところ、インターネットで茨城県境町が「代理寄付」を受け付けていることを知りました。
自治体の業務負担を増やさず返礼品もないため被災地の役に立てると考え、石川県珠洲市に2万円を寄付しました。

田中里枝さん
「私自身、子育てで多くの人に助けてもらってきたので何か恩返しできないかと思いました。1人1人ができる範囲の少しずつの力が集まってみんなで助け合うことが大事だと思います」

「代理寄付」 関東地方の自治体では

サイトの運営会社によりますと、能登半島地震のあと「代理寄付」の取り組みは広がっていて、12日午前8時半時点で全国63の自治体が実施しています。

「ふるさとチョイス」と「ふるなび」の運営会社によりますと、関東地方の自治体では、▼東京・稲城市、▼神奈川県鎌倉市、▼埼玉県草加市、▼千葉県流山市、それに茨城県の▼古河市、▼結城市、▼常総市、▼桜川市、▼行方市、▼つくばみらい市、▼大洗町、▼境町です。

2つのサイトでは「代理寄付」で11日までに合わせて8億8000万円余りが集まっていて、「ふるさとチョイス」の運営会社は、「被災自治体への寄付の際にはぜひ『代理寄付』の利用を検討してください」と呼びかけています。

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