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墜落オスプレイ 米軍横田基地所属 国内配備の現状 飛行どうなる 国や自治体は

  • 2023年12月7日

鹿児島県の屋久島沖で11月29日午後、アメリカ軍横田基地に所属する輸送機「オスプレイ」が墜落し、乗組員1人が死亡しました。東京都と基地周辺の自治体は、国やアメリカ軍に対し、安全性が確認されるまでオスプレイの飛行を停止させるよう要請したほか、千葉県木更津市も、防衛省に対し安全が確保されるまで飛行を見合わせるよう要請しました。今後の飛行はどうなるのか、オスプレイの国内の配備状況などとあわせてまとめました。

墜落の機体 屋久島沖で通常訓練

アメリカ軍のオスプレイは日本各地で訓練を行っていて、アメリカ空軍特殊作戦司令部は29日に出した声明で、墜落した機体は鹿児島県屋久島沖で通常の訓練を行っていたと明らかにしました。

また、防衛省は30日、墜落したオスプレイは、山口県の岩国基地から沖縄県の嘉手納基地に向かう途中だったことを明らかにしています。

オスプレイ 普天間基地 横田基地 木更津駐屯地に

防衛省によりますと、国内に配備されているオスプレイは11月29日時点で、アメリカ空軍が6機、アメリカ海兵隊が24機、陸上自衛隊が14機の合わせて44機だということです。

配備場所は、空軍が東京の横田基地、海兵隊が沖縄県の普天間基地、陸上自衛隊が千葉県の木更津駐屯地です。また、日本に配備されているオスプレイとは別にアメリカ本土などから一時的に展開してくる機体もあるということです。

このうち木更津駐屯地の14機は暫定的に配備されていて、再来年の2025年に、佐賀県に新たに開設される陸上自衛隊の駐屯地に移転する計画になっています。防衛省はさらに3機を陸上自衛隊に配備する計画です。また、アメリカ軍横田基地には来年、2024年ごろをめどに追加で4機が配備される計画です。

都と 横田基地周辺自治体による協議会が要請文

屋久島の沖合でアメリカ軍横田基地に所属する「オスプレイ」が墜落した事故を受けて、都と、横田基地周辺の自治体でつくる協議会は、30日、防衛省やアメリカ軍に対し、要請文を出しました。

文書では、ことし8月、オスプレイがオーストラリアで墜落した事故などを踏まえ、「基地周辺住民は、安全性に対する不安をさらに募らせている。度重なる事故の発生に対して厳重に抗議する」としています。

その上で、安全性が確認されるまで、飛行を停止させることや、事故の経緯を明らかにして、原因究明を行い、再発防止をはかることなどを求めています。

木更津市は防衛省に要請 陸自の対応は

また、事故を受けて、防衛省から木更津市に対して30日、状況などの説明があったということです。
これを受けて木更津市は防衛省に対し、原因が究明され安全が確保されるまで、飛行を見合わせるよう口頭で要請したことを明らかにしました。

事故を受けて陸上自衛隊は、木更津駐屯地に暫定的に配備しているオスプレイ14機について、当面、飛行を見合わせるとともに安全性を確認するため機体の点検を行っているということです。

木更津市 渡辺芳邦市長(コメント)
「市民の安全性に対する不安を払拭するため万全の措置をとるよう要請した。引き続きオスプレイの運用を注視し、市民に不安が生じないよう取り組んでいく」

厚木基地などがある神奈川県や関係自治体の協議会は

さらに厚木基地などを抱える神奈川県や横浜市など関係する自治体で作る協議会は1日、外務省と防衛省に対し、事故の原因の究明や再発防止策を講じることや、安全が確認されるまでオスプレイの飛行を停止することなどを文書で要請しました。

横浜市によりますと横浜港にあるアメリカ軍の施設「横浜ノース・ドック」にオスプレイが駐機しているのは平成30年以降、少なくとも5回確認されているということです。

“十分な説明ない中での飛行に懸念”

松野官房長官は12月1日、閣議のあとの記者会見で「アメリカ側に対しては防衛大臣や外務大臣からの要請も含め、国内に配備されたオスプレイについて、捜索救助活動を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう正式に要請してきている」とした上で、次のように述べました。

松野官房長官
「これまでの日本政府の累次の要請にもかかわらず、飛行の安全の確認について十分な説明がない中、オスプレイの飛行が行われていることに懸念を有している。引き続きアメリカ側に対してオスプレイの安全確保のため、防衛省や外務省からさまざまな働きかけを行っていきたい」

“11月30日の要請は正式なものである”

日本側が要請について、アメリカ国防総省は「公式な要請は受けていない」とする認識を示していましたが、上川外務大臣は1日午前の記者会見で「先ほど在京のアメリカ大使館から『11月30日の要請は正式なものである』との認識を確認した」と述べました。

その上で「引き続き関係省庁やアメリカ側と緊密に連携しつつ適正に対応していく」と述べました。

“米 墜落事故踏まえオスプレイ安全点検と説明”

木原防衛大臣は12月5日の閣議のあと記者団に対し「アメリカ側から4日に『すべてのオスプレイの部隊は事故をしっかりと踏まえた上で、安全点検および予防的な整備を現在行っている』との説明を受けた。飛行の安全性を確保するためにアメリカが実施している措置の確認をしている」と述べました。

一方、捜索救助活動を除き、安全が確認されてから飛行を行うよう要請している中、沖縄の海兵隊のオスプレイが飛行を続けていることについて「懸念が払拭されたわけではなく、しっかり情報提供を受ける必要がある」と述べました。

【追記:12月5日】

米軍 全オスプレイの飛行停止を発表

屋久島沖でアメリカ空軍の輸送機CV22オスプレイが墜落した事故で、アメリカ空軍特殊作戦司令部は12月6日、声明を出し、「初期段階の調査で得られた情報は、機体そのものの問題が事故につながった可能性を示している」と明らかにしました。
その一方で、「問題の原因については現時点ではわかっていない」としています。

これを受けてアメリカ軍は、海兵隊などが使用するMV22を含む、世界に配備しているすべての種類のオスプレイの飛行を停止したと発表しました。
これまでアメリカ軍は日本国内に配備している空軍のCV22に限定して飛行を停止し、事故の調査の結果、必要があれば追加の措置をとるとしていました。

【追記:12月7日】

オスプレイの飛行状況 沖縄では

ただ事故のあとも離着陸が相次ぎ、防衛省によりますと、6日までに海兵隊のMV22オスプレイが、普天間基地で118回、嘉手納基地で4回、また、海軍のCMV22オスプレイも普天間基地で2回、嘉手納基地で24回、それぞれ離陸や着陸するのが確認されたということです。
NHKが設置したカメラでは6日も、普天間基地でMV22オスプレイが離着陸する様子や、嘉手納基地でCMV22オスプレイが離陸する様子が捉えられていました。

また、事故が起きるまで、東京の横田基地に配備されている空軍のCV22オスプレイも嘉手納基地にたびたび飛来していました。

【追記:12月7日】

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