花粉症といえば、春のイメージがありますよね。
毎年、春になると目がかゆくなったり、鼻水が出たり、悩まされている人は多いのではないでしょうか。でも実は、その花粉症、この時期も注意が必要なんです。
体調の変化どうですか?
のどがちょっとおかしいというのは感じます。咳が出ちゃうというのはありますね。
それは何でだと考えられますか?
いや分かんないですけど、ちょっとおかしい。
ちょっとアレルギーぽくて、のどがカラカラして。
花粉症ひどくて鼻がかゆくなったりとか、体がだるくなったりとか、あんまり家から出たくないです。
「花粉症がひどくて」という声もあることから、この時期、どんな植物が花粉症の原因になっているのか探りました。そこで、今回、話を聞いたのは植物の専門家、相模原市立博物館で学芸員を務める秋山幸也さんです。
早速、相模原市内を探索してみると・・・
紅葉みたいな形の葉っぱですね。これ、みんなカナムグラです。
ツル状の雑草、「カナムグラ」です。花粉を飛ばすのはこの時期です。
さらに近くを探すと。
大きな葉が特徴の「オオブタクサ」もありました。こちらも、多くの花粉を飛ばします。
どこにでもはえるので、花粉もかなり身近なところに飛んでいると思います。花粉症の原因になります。
春に花粉を飛ばすのは、山間部に生えている樹木などですが、秋は河川敷の草などが中心です。
相模原市立博物館 秋山幸也 学芸員
「秋の花粉はこうやって草で、全然目立たないが身近な所にある。私たちが住んでる、生活をしてるそばで、はびこってる植物なので、影響を受ける人は多いと思いますね」
いまがピークだという花粉の飛散。このところの気温の変化が拍車をかけているといいます。
「夏がものすごい暑すぎて、私たちも、ふだん植物見てても植物が熱くて夏バテしてるような印象があったんです。ところがここにきて雨がざっと降って、気温もちょっと下がりましたよね。そこでまた元気が良くなって、花を咲かせて花粉をいっぱい飛ばしてるっていう状況ですね」
注意が必要な花粉については、東京都のホームページにも掲載されています。
春の花粉症の原因となる、スギやヒノキの花粉は2月から5月ですが、ブタクサやヨモギ、それにカナムグラなどは今の時期の9月から10月に飛散量が増えるとして注意を呼びかけています。
花粉症などを専門とする都内のクリニックには、12日も“秋の花粉症”の患者が治療に訪れていました。
花粉症患者
「くしゃみ連発とか、目がかゆいとか、鼻水が止まらないです。川のそばに住んでいるので、そこを散歩すると感じるので。でも散歩もしたいので、マスクをしながら、散歩をしています」
院長の永倉仁史さんは、花粉症を訴える人が多く訪れると言います。
ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック 永倉仁史 院長
「ブタクサですと、夏の終わりから、お盆の終わり頃から患者が見えて、9月になってだんだん増えてきて、花粉数の測定見ても一気に増えています。今が一番、多い時期だと思います」
その上で、“ことしならでは”の注意点も指摘します。
「やはりコロナもずいぶん減ってきたので、マスクをはずしたことで、ブタクサの患者がやはり症状を抱きやすいのもあると思います」
さらに、ここ数日の寒暖差もあると言います。
「ことし急に温度、湿度がさがり、気道の粘膜は荒れやすくなる。それは風邪になりやすかったり、花粉症は症状を起こしやすいです」
花粉症とかぜには似た症状もあります。
体調を崩しやすいこの時期、どう見分けたらいいのでしょうか。
「のどがいがいがしたり、鼻水が出るのは両方に共通するので、そういう意味で区別が付きにくいです。病院に来てもらえば、血液検査をしたり、診察をして、感染症状があれば、やはり風邪を考えます。そうでなければアレルギーを考えることになります」
15年ほど前に”秋の花粉症”だと診断されたという女性は、症状を和らげるために治療を受けています。
15年ほど前に”秋の花粉症”だと診断されたという女性
「秋になっても全然終わらないということで検査をして、それでこんなに長い期間ずっと悩まされていると分かりました。スギ・ヒノキは4月5月で症状が落ち着いてくると思うが、その後も暑くなっても花粉症が止まらない場合は、ブタクサやイネ科なども調べた方がいいと思います」
永倉医師は、”秋の花粉症”の原因となる草の花粉は、長距離は飛ばないので、ふだん行動する範囲にブタクサなどがあれば、それを避けて、花粉を吸い込まないことが大切だと話していました。