東京都は21日、インフルエンザの流行注意報を出しました。9月に注意報が出されるのは、統計を取り始めた1999年以降、2回目で、これまでで最も早いということです。また、埼玉県と千葉県もそれぞれインフルエンザ流行の注意報を出していて、現在の形で統計を取り始めて以降9月に発表するのはいずれも初めてです。全国の状況とあわせてまとめました。
厚生労働省によりますと9月17日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は3万4665人で、前の週からおよそ1.5倍に増えています。
1医療機関あたりの患者数は、全国では7.03人で、地域ごとでは、沖縄県が20.85人と最も多く、次いで、千葉県が14.54人、愛媛県が12.07人、佐賀県が11.95人、東京都が11.37人などとなっています。
このうち7つの都県では今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを示す「注意報レベル」の基準値、10人を超えています。
東邦大学 舘田一博教授
「しばらくは感染拡大が続く兆候がみられている。近く、全国で『注意報レベル』の10人を超える可能性もあり、来週や再来週の推移は特に注意する必要がある」
東京都によりますと、17日までのインフルエンザの感染者数は1医療機関あたり11.37人で、「流行注意報」を出す基準の10.0人を超えました。この時期としては過去最多となった前の週のおよそ2倍となりました。
都は今後、さらに流行が拡大する可能性もあるとして21日、「流行注意報」を出しました。9月に注意報が出されるのは、統計を取り始めた1999年以降、2回目で、これまでで最も早いということです。
また、9月17日までの2週間で、幼稚園3校、小学校138校、中学校45校、高校21校のあわせて207校で、学級閉鎖などの臨時の休みになったということです。
都はインフルエンザの予防のために、こまめな手洗いやせきエチケットなど基本的な感染防止対策を呼びかけています。
埼玉県によりますと9月17日までの1週間に県内261の医療機関から報告されたインフルエンザの患者は1医療機関あたり11.07人となり、3週連続でおおむね2倍のペースで増えているということです。
また、千葉県によりますと9月17日までの1週間に県内200の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数はあわせて2907人にのぼり、1医療機関あたりの患者数は14.54人となりました。
いずれも基準値を超え埼玉県と千葉県は今後、大きな流行が起きるおそれがあるとして20日、インフルエンザ流行の「注意報」を発表しました。
インフルエンザは例年、秋の終わりから冬にかけてが感染のピークで、いずれの自治体も1999年に現在の形で統計を取り始めて以降9月に「注意報」を出すのは初めてだとしています。
インフルエンザは子どもではまれに急性脳症となったり、高齢者や免疫の低下している人は重症になったりすることがあるとして、各自治体は換気や手洗い、うがいなどの対策を徹底するよう呼びかけています。