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明治神宮外苑 イコモスが再開発の中止求めた文書の内容とは?

  • 2023年9月8日

「世界の公園の歴史においても例のない文化的資産」
東京・新宿区などにまたがる明治神宮外苑について、ユネスコの諮問機関「イコモス」は再開発の中止を求める文書を公表しました。再開発事業を認可した東京都の担当者は「文書の詳細を確認中」としています。

9月以降 高さ3m以上の樹木伐採や移植

東京・新宿区や港区にまたがる明治神宮外苑の再開発は、神宮球場とラグビー場を、位置を入れ替えてそれぞれ建て替え、商業施設などが入る2棟の複合ビルが新たに建設される計画です。
ことし3月から工事が始まり、9月以降、高さ3メートル以上の樹木の伐採や移植が始まる見通しです。

ユネスコ諮問機関イコモスが中止求める警告文書

ユネスコの諮問機関の「イコモス」は9月7日、再開発の中止を求める警告の文書をホームページに公表しました。
それによりますと、神宮外苑は近代化が進む東京で緑地を確保するために整備され、都市の公園や庭園の中核を担ってきたと説明し、「世界の公園の歴史においても例のない文化的資産」だとしています。

警告の文書 国内では3例目

イコモスや文化庁によりますと、国内で警告の文書が出されるのは、去年の東京・港区の鉄道遺構「高輪築堤跡」に続いて3例目で、文書に法的な強制力はないということです。
再開発事業を認可した都の担当者は「文書の詳細を確認中」としています。

“環境に最大限の配慮を”

明治神宮外苑の再開発に関して、ユネスコの諮問機関が再開発の中止を求める文書を公表したことについて、西村環境大臣は9月8日の閣議後の記者会見で「都市緑地は、生物の生息や生育、住民にも身近な自然とのふれあいの場として非常に重要だ。環境省としては、自治体からの相談があった場合には、環境への配慮に関する調査方法などの技術的助言や情報提供を行う。環境保全の観点から、さまざまな条件や課題がある中でも、環境に最大限配慮した事業の実施を期待したい」と述べました。

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