レギュラーガソリンの小売価格は、現在の方法で調査を行っている1990年以降で最高値を更新しました。8月28日の時点で、全国平均で1リットルあたり185円台となっている小売価格を175円程度に抑えられるよう岸田総理大臣は30日、補助金を拡充する方針を明らかにしました。負担軽減策の内容や仕組みについてまとめました。
国の委託を受けてガソリン価格の調査をしている石油情報センターによりますと、レギュラーガソリンの小売価格は28日時点の全国平均で、1リットルあたり先週から1.9円値上がりし、185.6円でした。
これは、15週連続の値上がりで、現在の方法で調査を行っている1990年以降で、最高値を更新しました。
9月末までとなっている燃料価格の負担軽減策をめぐり、岸田総理大臣は8月30日、石油元売り各社への補助金を拡充する方針を明らかにしました。
新たな措置は9月7日に発動した上で、買い控えなどの流通の混乱を避けるために段階的に拡充し、ことし10月中には目標の175円程度の水準を実現したい考えで、年内は継続するとしています。
また、冬の暖房に不可欠な灯油のほか、農業や漁業に広く使われる重油なども同様に支援を継続していくとしています。さらに同じく9月末が期限の電気や都市ガス料金の負担軽減策についても、物価高に対応する追加の経済対策を実施するまでの間、続ける方針を示しました。
政府の燃料価格の負担軽減策は、ガソリンの小売価格が基準とする価格を超えた場合、その超過分の一部を補助する仕組みです。
具体的には、レギュラーガソリンの場合、小売価格が1リットルあたり、168円から185円までの部分と、185円を超える部分で、それぞれ補助率が変わります。
このうち、185円を超える部分は、9月から12月まで全額を補助します。一方、168円から185円までの部分は、9月はその30%を、10月から12月まではその60%を補助します。
これらの措置で、政府は、過去最高となったガソリンの小売価格が、10月中には、175円程度の水準に抑えられる見込みだとしています。
これまでも政府はガソリンなどの燃料価格の上昇を抑えるため石油元売り各社に補助金を支給してきました。
補助額は原油価格の動向にあわせながら基準とする価格を上回った場合には、去年1月から3月にかけて1リットルあたり5円、3月から4月にかけて25円、4月から12月は35円と補助の上限を拡大してきました。
資源エネルギー庁は、この補助金で、去年6月にはレギュラーガソリンの全国平均価格を最大41.9円抑制する効果があったとしています。
原油価格の高騰が落ち着きを見せたことから、ことし1月からは補助の上限を毎月2円ずつ引き下げ、5月には25円まで縮小させたのに加え、6月以降は、基準価格を上回る分が25円以下なら100%の補助率を2週間ごとに10%ずつ引き下げています。
補助金の縮小は、ガソリンの全国平均の小売価格が過去最高となった要因のひとつとなっています。