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東京電力管内 8月31日まで節電要請 家庭で無理なくできる節電方法とは?

  • 2023年7月3日

この夏の電力需給について、東京電力の管内では非常に厳しくなるおそれがあるとして、政府は7月1日から8月31日まで無理のない範囲で節電要請を行っています。

節電要請にあわせて、資源エネルギー庁のホームページでは家庭や企業でできる省エネの具体的な取り組みをまとめています。

東電管内 8月31日まで節電要請

政府は、この夏の電力需給について供給の余力を示す「予備率」が、全国すべての地域で安定供給に最低限必要な3%を確保できる見通しだとしています。

ただ、東京電力の管内では7月の予備率が3.1%、8月は4.8%となる見通しで、想定外の暑さになるなどした場合、電力需給が非常に厳しくなるおそれがあります。

このため、政府は東京電力の管内で7月1日から8月31日までの2か月間、無理のない範囲で節電を呼びかけることにしています。

7月1日からの節電要請は冬に続いて数値目標は設定されておらず、経済産業省では家庭に対し、不要な照明を消すことや、リビングや寝室の照明の明るさを下げること、それに室内温度の設定を無理のない範囲で上げることなどを呼びかけます。

また、企業に対しても可能な範囲でオフィスや店舗の照明を減らすことや、カーテンやブラインドを活用し、冷房の効率を高めることなどを呼びかけることにしています。

西村経済産業大臣
「体調を一番に考えて無理のない範囲で、使っていない部屋や廊下の照明を消すなどさまざまな取り組みをお願いしたい。1つ1つ小さな取り組みが積み重なれば大きな効果になる」

資源エネルギー庁~省エネの取り組み紹介~

10年に1度の厳しい暑さを想定した場合、東京電力の管内では、電力供給の余力を示す「予備率」が7月は3.1%、8月は4.8%と、安定供給に最低限必要とされる3%は上回っているものの、厳しい電力需給となることが予想されています。

7月1日からの東京電力管内の節電要請にあわせて、資源エネルギー庁のホームページでは家庭や企業でできる省エネの具体的な取り組みをまとめています。

この中で、午後5時から午後8時ごろの時間帯が太陽光による発電量が減少して電力需給が厳しくなるとして、この時間帯は特に節電の取り組みが重要だとしています。その上で、家庭では電力使用量のおよそ4割を冷房が占めるとして、無理のない範囲で室内温度の設定を上げるよう呼びかけています。

具体的な節電例(家庭)

○室内温度の設定 26度から28度に上げると5.4%の節電効果
○目詰まりしたフィルターを清掃すると…1.9%の節電効果
○部屋の明るさを抑えると…2.5%の節電効果
○不要な照明を消すと…1.5%の節電効果

また、企業に対しては可能な範囲でオフィスや店舗の照明を減らすよう求めていて、オフィスビルの照明を半分程度に減らした場合、建物全体で12.7%の節電効果があるとしています。

こうした中で、電力の小売り事業者も要請にあわせる形で、利用者に対して節電を促す取り組みを行っています。このうち、「東京電力エナジーパートナー」は6月19日から節電した量に応じて電子マネーと交換できるポイントを付与するサービスを始めました。

会社が指定した時間帯に利用者ごとの平均的な使用量よりも節電できれば、取り組みに応じたポイントがもらえる仕組みです。

また、東京ガスも7月1日から節電を促す取り組みを始め、対象となる時間帯に節電できれば、電子マネーと交換できるポイントをもらえるということで、各社ではこうしたサービスを通して、利用者にできる限りの節電を働きかけたいとしています。

“無理のない範囲で節電を”

経済産業省によりますと、東京電力管内の7月1日から1週間の電力需給は、最も厳しい時でも予備率が12.3%と、安定供給に必要な水準は確保できる見通しとなっています。

一方で、想定を上回る気温の上昇が連日続いて、需要が急増すると需給が厳しくなるおそれがあるとしています。

資源エネルギー庁 迫田英晴 電力供給室長
「日中の暑い時間帯はエアコンをしっかり使ってほしいが、夏場は夕方にかけて電力需給が厳しくなる傾向にあるので、午後5時以降の時間帯で無理のない範囲で節電に協力してほしい」

節電要請にあわせて企業側は?

夏の節電要請にあわせて東京都内の印刷会社では、設備の稼働を一部休止するなどして、電気の使用を少なくする取り組みを進めています。

東京・千代田区に本社がある従業員およそ60人の印刷会社では、夏の電気代が2022年までの3年間で、50%近く増えました。
会社ではコストの削減にもつながるとして、節電に向けた対応を進めています。

これまで3つのフロアでそれぞれ印刷機を稼働させて納期に間に合わせていましたが、このうち、1つのフロアでは原則、稼働を休止し、作業を集約しました。

稼働を休止したフロアでは、空調や照明も使わずに済むということで、こうした工夫で電気の使用量を少なくしようとしています。一部の印刷機の稼働を止める形となりますが、納期をこれまでより長めにするなど取引先の理解を得ながら節電に取り組みたいとしています。

また、オフィスでは会議室のエアコンを運転開始から1時間たつと自動で消える設定にしたり、消し忘れ防止機能を活用したりして、余分な電気を使わないようにしています。

この会社では、2019年に国の補助金を活用して省エネ性能の高い空調や照明設備に改修した結果、オフィスの電気の使用量が半分近く減ったということで、今後、さらなる設備の更新も検討することにしています。

共立速記印刷 笹井靖夫 社長
「エアコンや印刷機の稼働調整など、できることをひとつずつ確実に行って、省エネに貢献したいです。改修のための投資費用はかかりますが、国の補助金も活用しながら取り組みます」

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