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中野サンプラザ 50年の歴史に幕 閉店への惜別と感謝の声

  • 2023年6月30日

東京・中野区の「中野サンプラザ」が7月2日、50年の歴史に幕を閉じます。
地域の象徴として愛され、地元の成長をけん引する存在だった施設が閉館するのを前に関連する店舗や地域の人たちからは、これまでの感謝や閉館を惜しむ声が聞かれました。

中野サンプラザとは?

1973年に開館した全国勤労青少年会館(現中野サンプラザ)

東京・中野区にある「中野サンプラザ」は、昭和48年・1973年6月に「全国勤労青少年会館」としてオープンしました。
「サンプラザ」は、「太陽」の「SUN」と、人々が集う「広場」の「PLAZA」を組み合わせたものです。

JR中野駅の北口にあり、座席数およそ2000のコンサートホールをはじめ、ホテルやレストラン、結婚式場などを備え、中野のランドマークとしての役割を果たしました。

三角形の個性的な外観は多数の人が利用する施設ほど下に位置する必要があるという防災避難計画の観点や、遠くから見たときにわかりやすくするためにデザインされたといいます。

美空ひばりさんも節目にコンサートを

故・美空ひばりさんが芸能生活30周年と40周年のコンサートを開くなど国内外のさまざまなジャンルのアーティストが歴史的なコンサートを開いたことでも知られています。
また、モーニング娘。などアイドルにも多く利用され、「アイドルの聖地」とも呼ばれました。

また、結婚式や成人式の会場としても利用されてきたほか、レストランやボウリング場などもあり、地域の人たちにとってなじみ深い場所です。

思い出の施設に“感謝と惜別”の声

オープンまもない昭和49年9月に結婚式を挙げた女性

中野サンプラザの閉館まで残り2日となった6月30日。名残惜しむようにたくさんの人が訪れていました。

オープンまもない時期に結婚式場で式を挙げた女性
「結婚記念日は毎年必ずレストランで食事を楽しんでいます。きょうは最後に、娘と待ち合わせて食事にきた。自分が結婚式を挙げた場所が、50年も残っていて嬉しかった」

板橋区から訪れた男性
「サンプラザホールで大学の卒業式があったので見届けたいと思い足を運びました。新しい建物は、サンプラザを継承して地域の人が交流できる場所になってほしい」

中野サンプラザで営業を続けてきた生花店

中野サンプラザで18年前から続く生花店では28日、最後の営業を終え、店舗の片づけなどが行われました。
この店ではコンサートを行うアーティストへの花束や、結婚式でのブーケなどを手がけイベントでは従業員が総出で対応にあたったということです。
 

店長 千葉瞳さん
「お客さんは長く通ってお花を買ってくださる方ばかりだった。花も店もなくなっていく姿を見るとお客様との関わりの中での歴史を懐かしく感じます」

中野サンプラザは7月2日の山下達郎さんのコンサートを最後に50年の歴史に幕を閉じます。

その後は?

その後、建物は来年から解体される予定で跡地には7000人収容のホールやホテルに加え、オフィスや住居、商業施設などが入る地上62階建て程度、高さ250メートルほどの高層ビルが建設され2028年度に完成予定です。

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