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千葉 長生村議会議長 2度目の辞職勧告 記者団との一問一答も掲載【詳報】

  • 2023年6月21日

公用車の中で職員をたたいてけがをさせたなどとして議会から辞職勧告を受けた東間永次議長は、6月20日、議会に出席して議員を辞職しない考えを示しました。
ところが議会は、同日、女性職員へのセクハラ行為もあったなどとして2度目の辞職勧告という異例の決議をしたのです。

再び辞職勧告を受けた心境や今後の進退などについて東間議長は何を語ったのか、記者団との主な一問一答も含めて、詳しくまとめました。

“議員辞職はしない” その理由は…

長生村議会の東間永次議長はことし4月、私的な歓送迎会に出席して公用車で帰宅する途中、運転していた女性職員をたたき軽いけがをさせたとして罰金20万円の略式命令を受け、5月には、議会から議員の辞職勧告を受けました。

議長は事件後、体調不良を理由に本会議を欠席していましたが、20日、議会の特別委員会に出席し、「ご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪しました。

そして、当時、酔っていたとしたうえで、議員を辞職しない考えを明らかにしました。

長生村議会 東間永次 議長
「検事から『酒をやめなさい』と言われたが、『議員を辞めなさい』とは言われなかった。後援会や支援者から『信用を得るため議員を続けたらどうか』と言われ、助けてくれる人がいるんだなと思った」

職員に“1万円の商品券を手渡した”

また、事件のあと、たたいた職員に1万円の商品券を手渡したことを明らかにし、「運転してもらい、お世話になりましたという意図で渡した。暴力を振るったから渡したわけではない」と説明しました。

事件のあと、職員に商品券を手渡したことについて、議長は記者団に次のように述べました。

東間 議長
「事件翌日の土曜日に、議会事務局長を通して女性職員を呼んだところ、あまりいい感じがしなかったので、何かご迷惑をかけたなと思った」

「“運転してくれてありがとう。酔っ払っていたのでいろいろすみません”という気持ちで週明けに商品券を渡した。その際、女性職員はにこにこしていたので、何もなかったと安どしていた

“セクハラ行為認める” “音声データ破壊も”

東間永次 議長(右から2番目)

20日委員会では、女性職員に対するセクハラ行為についても質疑が行われ、東間議長はこれを認めました。

セクハラ行為にあたると議長が認めたのは、いずれも公用車を運転していた女性職員に対する発言で、事件が起きた公用車の中での会話と公用車で帰宅した後に行った電話での通話内容です。

委員会では、女性職員が録音していた当時の音声データなどが示され、東間議長は自分の声だと認めた上で、セクハラ行為にあたるという認識を示したということです。

さらに、2つの音声データのうち、1つのデータのコピーを東間議長が破壊していたことも明らかになりました。

村や議長によりますと、音声の存在を知った議長から確認したいなどと依頼を受けた議会事務局長が女性職員の了解を取った上で、音声のコピーが入ったUSBメモリーを手渡していたということです。

受け取った議長は議会事務局長とともに音声を確認していたところ、途中でUSBメモリーを折るようにして壊したということです。

委員会後 議長は何を語った?

委員会の後、東間議長は記者団の取材に応じました。

議長を続けるか?
議長職については、議員を辞職しない意向を改めて示した上で「これから支援者などと協議して決めたい」と述べ、議長を続けるかどうか、検討する考えを示しました。

公用車については?
公用車の私的利用については、「公用車だと気づいて『まずい』と伝えたが、議会事務局長が『職員との歓送迎会なので大丈夫だ』と答えたので、そのまま乗車した。まずいという認識はあった」と陳謝しました。

音声の内容については?
音声の内容については、答えられないとした上で「お酒に飲み込まれてだらしない状態のものだった。なぜ、仲間で歓送迎会を開いたのに録音をするんだろうという気持ちがあって壊してしまった」と釈明しました。

ドライブレコーダーの記録一部ない
今回の事件では、公用車に取り付けられていたドライブレコーダーの当日の記録の一部がなくなっていました。これについては「編集したり、誰かに編集するよう指示したりしたことは一切ありません」と述べ、関与を否定しました。

議長に2度目となる辞職勧告!

東間議長が議員を辞職しない考えを明らかにしたことを受けて、議会は20日午後、本会議を開き、女性職員に対するパワハラ・セクハラ行為もあったなどとして、議長に対し異例の2度目となる辞職勧告案を賛成多数で決議しました。

決議のあと、東間議長は記者団に対し「身にしみる思いで、先ほどより弱気になっています。ただ、やり残したことがあるので支援者と相談して対応を決めたい」と述べました。

村議会では、公用車に同乗していた木嶋睛一副議長に対しても辞職勧告が決議されていますが、副議長は辞職しない考えを示しています。

議長 一問一答

2度目となる辞職勧告を受けた後、東間議長は記者団の取材に応じました。主な一問一答は以下の通りです。

今の心境は?
「大変身にしみているという感じがしています。1回目の辞職勧告を留置所で弁護士から聞いたときは全員が賛成したと知り、いたたまらない気持ちでした。今回は、ちらっと何人か反対の方がいて、(補記:採決は11人が賛成、3人が反対)、失礼かもしれないが少しうれしいという気持ちです」

決議理由となったパワハラやセクハラについて
「取り調べの中でも調べられました。一部始終話しました。すべての取り調べを受けて、それを含めて罰金20万円ではないかと思っています。言い逃れではないです」

進退について
「やり残したこともあるので、どうなるか、自分としては皆さまに申し訳ないが、支援者が『やめろ』といえばやめなければならないが、今後、支援者とアポをとって話し合いたい。2度目の辞職勧告なので、少し弱気になっているのかなと思っています。支えはなんといっても支援者なので、相談して決めていきたい」

~当時の状況などについて~

東間議長は当時の状況などについても説明しました。主な一問一答は以下の通りです。

ふだんの酒癖は?
「酒を飲むとしゃべるのが多いです。当時はだいぶ飲んで、記憶がないです。まだ77歳ですが、人生で2番目くらいに飲んでしまい自分の寝るところまで上がっていけないような状況でしたので、恥ずかしい限りでございます」

記憶がないのになぜ認めたのか
「歓送迎会のメンバーの中で1番、暴力を振るうのは誰かと考えた結果、私だと思いました。拘留の最終日に、自分ではないかという気持ちがわいてきました」

信用を回復に向けて
「今回の事件で拘留されていた期間の報酬をお返しし、公用車を使った分をお支払いしたい。それが信用につながるわけではないんですけど、少しでも気がついたところから信用が得られるように努力をしたい」

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