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木更津で震度5強 県内6人けが 屋根瓦や窓ガラス落下も 千葉

  • 2023年05月11日

11日朝、千葉県南部を震源とする地震があり、木更津市で震度5強、君津市で震度5弱の揺れを観測しました。
この地震で、あわせて6人が軽いけがをしたほか、建物の一部が損壊する被害が木更津市や君津市など3つの市であわせて23棟、確認されています。

り災証明書の申請受付始まる

木更津市では被害を受けたことを示す「り災証明書」の申請の受け付けが始まりました。
受け付けは12日朝から木更津市役所の駅前庁舎で始まり、訪れた人たちが被害の状況などを書類に書き込んでいました。
震度5強の揺れを観測した木更津市内では屋根の瓦が落ちるなどの住宅被害が相次ぎ、市は申請を呼びかけています。
申請に訪れた40代の女性は「自宅の屋根の瓦が落ちてしまい、次の地震が来たらさらに崩れてしまいそうで不安です」と話していました。
「り災証明書」の申請は木更津市役所の駅前庁舎で平日の午前9時から午後4時半まで受け付けています。

6人軽いけが

千葉県によりますと午後4時現在、今回の地震で震度5弱を観測した君津市など5つの市であわせて6人が軽いけがをしました。
このうち、▼君津市では70代の女性が寝室で転倒し右肩に軽いけがをしたほか、▼千葉市ではベッドから転落するなどして女性2人が軽いけがをしたということです。
このほか、松戸市や茂原市、それに鎌ケ谷市でもそれぞれ高齢の女性1人が軽いけがをしました。

住宅被害は23棟 ほかにも・・・

千葉県によりますと、今回の地震で建物の一部が損壊する被害が木更津市や君津市など3つの市であわせて23棟、確認されています。
住宅被害は屋根の瓦が落ちるなどいずれも一部損壊で君津市が8棟、木更津市が7棟、勝浦市が1棟となっています。
また住宅以外の建物では店舗の壁にひびが入るなど木更津市と君津市であわせて7件確認されました。

JR木更津駅

JR木更津駅構内の天井の蛍光灯が落ちかけているのが確認できました。

切符売り場の路線図のところにもヒビが

作業員の方々が修理に取りかかりました。

県立木更津東高校

渡り廊下

県立木更津東高校では校舎にある廊下の天井の一部が落下しました。
落下したのは渡り廊下の天井に取り付けられていた厚さ3ミリほどの金属製の板で、長さおよそ2メートル幅およそ15センチにわたって剥がれ落ちたということです。
けが人はいませんでした。

島崎一広校長
「校舎と渡り廊下を接合している天井部分の銀色の枠が下に落ちました。早朝だったので、生徒に被害がなかったのはよかったです。ほかにも家庭科室で並べていた食器類が崩れたり、教室の黒板消しが落ちたりするなど、軽微な被害がありました。
いまのところ、生徒に被害があったという報告はありませんが、電車が遅れているので、授業は状況に応じて対応していきます」

木更津市吾妻
木更津市吾妻の2階建ての住宅では、2階の屋根から瓦がはがれ、1階の屋根の上に落ちました。

住宅の室内では、2階の棚に置いてあったCDやゲームソフトなどが落ちて床に散乱したほか、廊下やキッチンの壁がひび割れるなどの被害がありました。
地震が起きたとき、この住宅では家族4人が寝ていましたが、けがはなかったということです。

この家に住む吉原健太さん「雨などに備えて修理を急ぎたいと思います。まだ余震などもあるかもしれないので、注意しながら作業します」

妻の直美さん「大きな揺れで飛び起きて、子どもたちも怖くて泣いていました。ガシャーンと音がしたと子どもが言っていたので、まさかと思って外を見てみたら 瓦が落ちて割れていました。過去の大きな地震のトラウマがよみがえって不安になります」

木更津市清見台
木更津市清見台地区では住宅街にある街灯の照明器具が落下しているのが確認できました。

このほか震度5弱を観測した千葉県の君津市役所によりますと市内の浦田地区で建物の屋根瓦が落ちたという情報があり、市が確認を進めています。

久留里城のしゃちほこも

久留里城

震度5弱の揺れを観測した君津市にある久留里城では、地震の影響で天守閣のしゃちほこが破損して一部が落下し、修復には数か月かかると見込まれています。

久留里城の天守閣は昭和53年に再建されたもので、久留里城址資料館によりますと、きょう未明の地震で天守閣の最上部に設置されている高さおよそ1メートルのしゃちほこの尾の部分が破損して
落下しました。

落下した尾の部分

天守閣はけさから立ち入り禁止となっていて、今後、しゃちほこや、落下した際に当たった天守閣1階の屋根の修理を行うため、復旧には数か月かかる見込みだということです。

久留里城址資料館の平塚憲一 副館長「天守閣のシンボルであるしゃちほこが壊れてしまったことに悲しさを感じます。一刻も早く修復して、お客さんに来てもらえる環境を整備したい」

ホームセンターでは防災用品コーナー

木更津市にあるホームセンターでは、11日早朝の地震を受けて急きょ、防災用品を集めたコーナーが設置されました。

専用のコーナーは店の入り口付近に設けられ、非常食や非常用の飲料水、それに家具の転倒を防止する器具など防災用品が並べられていました。

妻とともに訪れた70代の男性「けさの地震で自宅に被害はありませんでしたが、食器棚などの対策が必要だと感じ、こちらに足を運びました」

30代の男性「自宅では備蓄などの対策をしていなかったので、焦ってしまいました。地震はいつ起こるか分からないので、備えを進めようと思います」

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学校などの対応

県内の一部の学校などでは、休校や授業の開始を遅らせるといった対応を取りました。

千葉県教育委員会によりますと、11日朝の地震で交通機関に影響が出ているとして鴨川市にある長狭高校、館山市にある安房高校、富津市にある天羽高校の3つの県立高校と、県立の特別支援学校2校が11日の授業を取りやめたということです。
また、17の県立高校では、授業の開始を遅らせたり、午前中の授業を短縮したりする対応を取ったということです。
このほか、県によりますと、いずれも君津市内にある私立の中学校、高校、専修学校それぞれ1校と、幼稚園1か所も地震の影響で休校や休園になったということです。
一方、県内の小中学校は、いずれも通常どおり授業を行っているということです。

木更津市 大雨警報など基準引き下げ

今回の地震で震度5強の揺れを観測した木更津市について気象庁などは、強い揺れで地盤が緩み雨による土砂災害の危険性がふだんより高くなっているとして、「大雨警報」と「大雨注意報」、それに「土砂災害警戒情報」の基準を通常の8割に引き下げました。

気象庁は、当分の間、この基準で運用することにしていて、揺れが強かった地域では雨の降り方に十分注意し、大雨警報や土砂災害警戒情報が発表された場合には、早めの避難など安全の確保を心がけてほしいとしています。

熊谷知事「災害への備えの再確認を」

熊谷知事は午後4時から開いた県の災害対策本部会議の中で、次のように述べました。

熊谷知事「地震の発生から半日が経過し、被害の状況が明らかになってきた。今後、1週間程度、同程度の規模の地震が発生するおそれがあるということで、降雨への警戒も必要なことから、引き続き、市町村や防災関係機関と連携した上で、被害状況の把握や県民への情報発信に努めていただきたい」

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