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ディズニー40周年 共に育った街・舞浜3丁目で進む高齢化 千葉

  • 2023年5月2日

4月15日、開業から40周年を迎えた東京ディズニーリゾート。その近所に、住宅地があるのを知っていますか?
浦安市の「舞浜3丁目」。開業と同時期に開発され、ディズニー好きの住民も多く暮らしています。しかし、近年は高齢化が課題に。ディズニーのそばで進む高齢化の現状と、街で進むコミュニティーの再生を取材しました。

(千葉放送局記者 池田侑太郎)

「ディズニーとともに成長した」

4月29日、ディズニーリゾートのある千葉県浦安市内で行われたパレード。40周年を記念し、全国各地で行われる園外でのパレードの第一弾でした。

このパレードを特別な思いで見ていたのが、鍋谷公子さん、84歳。ディズニーリゾートのおひざ元、浦安市の舞浜地区に住んで34年になります。

ディズニーのパレードが大好きだという鍋谷さん。ミッキーマウスたちに手を振ったり拍手をしたりしながら、ディズニーでの思い出、そして浦安・舞浜で暮らした日々を振り返っていたといいます。

鍋谷公子さん
「うきうきしました。ディズニーは夢があって、若い人から年寄りまで、年齢に関係なく楽しいんですよ。これからも頑張って、また行きたいなと思える場所です。人生の多くを過ごしてきた浦安での日々を思い出しました」

ディズニーランドまで徒歩10分ほどのところに住む鍋谷さん。30年ほど前は、年間パスポートを持って、散歩やひなたぼっこの延長で、毎日のように訪れていたといいます。

84歳となった今でも、家族や友人の誕生日、また見たいパレードがあるときなど、年に1、2回はパークを訪れています。

孫まで家族3世代にわたって、ディズニーに親しんできました。

鍋谷公子さん
「やっぱりディズニーとともに一緒に大きくなってきたといいますか、成長したといいますか、年取りましたといいますかね。子育てを助けてもらった部分もあります。ここに住んで、近くにディズニーがあるというのは、私にとってはとても良かったです」

「トムソーヤ島は庭だった」

鍋谷さんが暮らすのは、浦安市の舞浜3丁目地区です。

住民に話を聞くと、舞浜に住んでいる理由の1つに、ディズニーが好きなことがあると話す人も多くいました。

地域の住民

「娘はトムソーヤ島は庭だと思っていたようです」

地域の住民

「近所のママ友でベビーカーを押して一緒に行っていましたね」

舞浜3丁目の住宅街

ディズニーが生活の一部となっているこの街。ディズニーランドの開園と同時期に開発され、当初、比較的家計に余裕のある50代以上の人が多く入居したといいます。

一方でこの街も、日本の各地と同じ課題を抱えています。

「住民の3分の1が高齢者」

「最初にお住まいになられた人を含めて、だんだんと高齢化が進んできています。市が出している人口統計で、舞浜3丁目で高齢者といわれる方がだいたい3分の1ぐらいにまでなってきている状況ですね」

舞浜3丁目の現状をこう話すのは、自治会長の伊能隆男さんです。

さらに、高齢化により、もともとこの地域が持っていた課題が表面化したといいます。

伊能隆男さん

「スーパーがちょっと離れたところにしかないんです。一番近いところで車で5分から10分ぐらい。車の免許を返納されている方は増えてきていますね。タクシーで買い物に行ったり、バスを使ったり、あるいは歩いたりですとか、結構ご負担となっていることも多いかと思います」

買い物が近くでしづらい舞浜3丁目地区。より便利な中心部のマンションに引っ越す高齢者もいるといいます。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言下では、外出制限もかかる中、ただでさえ遠いスーパーはさらに行きにくいところになりました。

「誰かと会えて、誰かと話せる」

そこで自治会が3年前から取り組みはじめたのが「舞浜三丁目マルシェ」。地域での移動販売です。

週に1回、集会所の駐車場を利用して開催。準備や運営も街の人々がボランティアで行っています。

最初は1店舗からのスタートでしたが、今では野菜や魚、パンを売る店など、5店舗が市内から出店。毎回50人ほど、多いときには100人以上が訪れ、買い物を楽しんでいます。

最初はコロナ禍での外出のしづらさ、そしてスーパーへの距離が遠いことから始まったこの取り組み。買い物のしやすさはもちろんのこと、利用者に聞くと、それ以上に良いことがあるといいます。

地域の住民

「気軽に買いに来られてとても便利だなっていうことと、新鮮なものが買えるということがメリットじゃないかなと思ってます。さらに、ここに来ると知っている顔があって、いつもいらっしゃる皆さんに会える楽しみがあります」

地域の住民

「住民交流の場所になっています。『あの人元気かな』とか、ここに来るとお話できますからね。世代を超えて交流できるので、それも非常に大きいと思います。買い物には年代差がないですからね」

自治会長の伊能さんも、効果を実感しているといいます。

伊能隆男さん

「コロナや買い物対策がきっかけとなったんですが、そこに行けば誰かと会えたり、誰かとお話ができたりして、そういった場所になれているからこそ、今でも多くの人が利用してくれているのだと思います」

「住み続けていくので関わりを」

マルシェでは、若い世代の“ママさん”も活躍しています。

菊池麻由子さんと関谷文子さん。舞浜3丁目で暮らしはじめてそれぞれ7年目と3年目です。2人は積極的に自治会の活動に参加。マルシェでもお世話役として、受付や設営などを担っています。

マルシェでは、夏休みや祝日など学校が休みの場合には、地域の子どもたちがお手伝いして、3世代にわたっての交流ができているといいます。

若い世代の2人が活動に積極的に参加するのは、地域の人たちが温かく、さらに街に関わっていきたいと感じたからだといいます。

菊池麻由子さん

「引っ越してきた当初は友達もいなくて、孤独を感じていました。でも自治会の役員をして以降、地域の人と関わるようになって、温かさを感じました。これからもずっと住み続けていくので、引っ越してきてくれた方との関わりだったり、今までずっと住んでこられた方との関わりだったりを大切にしていきたいなって思っています」

関谷文子さん

「お休みの日は子供たちも実際に参加してお手伝いをして、楽しんでいます。地域で子供たちが何か楽しめることがあると、すごく盛り上がるんですよね。自治会の活動の中で、いろんな方々と関わることができて、自分の力でよければお手伝いしていこうかなっていうのを感じました」

「マルシェにさらなる進化を」

地域全体で課題を乗り越えようとしている舞浜3丁目。自治会長の伊能さんは、マルシェのさらなる発展を望んでいます。

伊能隆男さん

「マルシェを単に買い物の場から、場合によってはいろいろ介護関係や健康問題だとか、そういったことの相談などを含めた交流の場作りに、これからさらに進化させていきたいなと思っています」

ディズニーとともに歴史を重ねてきた街。高齢化の課題に直面しながらも、コミュニティーの再生が進んでいます。

取材後記

千葉局に赴任して1か月、はじめての企画取材でした。経験不足と勉強不足から招いてしまったハプニングもありましたが、あたたかい街のみなさんのおかげでなんとか形にすることができました。

舞浜駅は南口からしか出たことがなく、今回取材するまで北口の存在すら知りませんでした。ディズニーという現実離れした世界観を持つ場所のすぐそばで、日本全体で起きている課題が見られたことは驚きでしたが、そのなかで住民が主体的に対策に取り組んでいる姿がありました。舞浜に限らず、高齢化自体は避けられない現実ですが、そのなかでどう生きていくのか、1つのヒントがあるように感じました。

  • 池田侑太郎

    千葉放送局記者

    池田侑太郎

    記者2年目、千葉に来て1か月が経過しました。実はパレードよりアトラクション派です。40周年なのでまたパークにも遊びに行きたいです。

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