徳川の家臣 変わらぬ思い
- 2023年06月16日
徳川家に仕えた家臣の子孫は
久能山東照宮で、毎年、徳川家康の命日4月17日に行われる神事「御例祭(ごれいさい)」
参列している人の中には、かつて徳川家に仕えた家臣の子孫がいます。
時代が変わりゆく中、先祖の歴史とともに、大切に受け継いできた徳川家への思いをお伝えします。
共に参列する徳川宗家19代当主
社殿へ向かう神職や家臣の子孫たちと共に参道を進むのは、徳川宗家19代当主 徳川家広さんです。
家臣として家康を支えた水野家
家康の母、於大の方の実家で家臣として徳川家を支え続けた水野家。
その水野家につながる人が今も静岡市にいます。
静岡市内に住む水野完太郎さん90歳です。
家康の母、於大の方は水野家から
水野さんが受け継いだ家系図です。家系図では徳川家康の家臣であった先祖にさかのぼることができます。家康の母、於大の方が記されています。
愛知県刈谷市の寺に伝わる於大の方の肖像画です。放送中の大河ドラマ「どうする家康」では、松嶋菜々子さん演じる於大の方は、家康を産み戦国の世をたくましく生きる、家康を支えた一人として描かれています。
水野さんは於大の方を通じて家康とのつながりを感じています。
水野完太郎さん
家康公のお母さんが出たっていうのは、非常に光栄なことだと思います。
静岡に残る家康の面影
徳川家康が過ごした時代の面影は今も各地に色濃く残っています。
徳川家臣団大会
家康が築いた駿府城近くにあるホールで、家臣の子孫や関係者による徳川家臣団大会が開かれました。
去年1月、背骨を折るけがで一時寝たきりとなった水野さん。久能山東照宮の長い石段を歩き通すことに不安を感じ、ことし4月の御例祭への参加は諦めました。しかし水野さんは徳川宗家と接する機会を何よりも大切にしたいと考え、家臣団大会に参加することを決めました。
会場には徳川宗家の当主、そして徳川四天王と呼ばれた重臣の子孫たちが、それぞれの家に伝わる話などを発表していました。
この日、水野さんは世代をこえて続く、徳川宗家と家臣の子孫のつながりに、喜びを感じていました。
徳川家への思い、これからも
水野完太郎さん
お会いしてお話できることも昔だったらとても私どもはできるような格じゃなかったんですけど、先祖のご奉公という感じでとてもうれしいです。
水野さんは、時代が移り変わっても、徳川家とのつながりを大切にしたいと願っています。
これから先もずっと水野家が続くことを願っている水野さんは、こう話しています。
徳川家もずっと何十代でも100代200代でも続いていっていただきたいと思っています。