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旬の桜えび漁師飯グルメ 沖あがりにかき揚げ NHK静岡 田中アナ

  • 2023年05月19日

NHK静岡アナウンサーの田中洋行です。6月に5年ぶりに由比漁港で開催される“由比桜えびまつり”。不漁とコロナを乗り越えた地域を代表する人気イベントがついに復活。多くの家族連れや観光客でにぎわいそうですね。前回の記事でJR由比駅近くのサクラエビのかき揚げ丼などをお伝えしましたが、今回もサクラエビを活用したグルメを紹介します。地元の伝統的なグルメ、ソウルフードとして知られるすき焼き風の漁師飯“沖あがり”に深海魚のセンハダカ、そして静岡の特産・お茶の新芽のかき揚げです!

JR新蒲原駅 旧東海道周辺

前回の記事で、JR由比駅近くの“由比桜えび通り”や近くの飲食店を紹介しましたが、今回は由比駅から二駅となりの新蒲原駅周辺を訪ねました。旧東海道のなごりを感じながらどのようなソウルフードと出会うことができるのか楽しみですね。

JR新蒲原駅 交通アクセス
電車で東海道線静岡駅からはおよそ30分、由比駅から二駅で5分ほど。近くの富士川河口付近の河川敷ではサクラエビの天日干しも行われる。

"由比桜えびまつり”に関する特集記事はこちら

地元の漁師飯 “沖あがり”

おかみの山崎伴子さん

今回、訪ねたのは静岡市清水区蒲原にある新鮮な海の幸など地元の食材にこだわったお店。おかみさんの山崎伴子さんがすてきな笑顔で迎え入れてくれます。

落ち着いた店内でほっとできます

さっそくソウルフードだという定番のメニュー“沖あがり”を味わいます。サクラエビとともに豆腐やネギなどが入り、すき焼きのような甘いしょうゆで煮込む鍋料理です。

熱が入るとサクラエビが白く色づく

かつて、漁師が一晩中、漁によって冷えきった体を温めようと食べていた、まさに地元の食文化を代表する料理なんです。

甘い鍋は漁師たちの心と体を癒したそう

文化庁が認定する地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化「100年フード」にも選ばれています。

ほどよく甘くとても優しい味です。豆腐とネギを一緒に口に含み、よくかむと口の中でそれぞれの味が広がります。

田中アナ

浜で労をねぎらっていた漁師たちの姿が思い浮かびます。 寒い季節に辛口の日本酒をちびちびしながら食べたら最高だろうな。

“もも”と“くろ”のかき揚げ

珍しい魚も食べることができました。センハダカという黒い色をした深海魚です。今回、調理前に特別に見せていただきました。

深海魚のセンハダカ 大きさは4~5センチ
ハダカイワシの一種です
ハダカイワシの仲間は
この小さな点が海中で発光します
夜になると海面近くまであがってきます
サクラエビも捕食しているそうです

センハダカは見た目が華やかでなく、混ざるとサクラエビの品質が落ちるとも言われていたため注目されてこなかったといいます。

“もも色”のサクラエビと“黒い”センハダカを一緒に揚げたかき揚げ、通称“ももくろ”。

サクラエビと一緒に揚げて、抹茶塩を振って食べるとサクラエビのサクサク感とセンハダカのほんのりした苦みが絶妙にあってとてもおいしいです。今後、注目したいです!

静岡の特産 お茶とサクラエビ

 静岡のお茶の産地では、新茶の季節に新芽をてんぷらにしますよね。こちらの揚げ物は新芽とサクラエビを混ぜて揚げています。

ほろ苦さとお茶の香りがサクラエビの風味とともに楽しめます。静岡らしさを口いっぱいに感じられるおもしろい一品です。

食文化伝える おかみのアイデア料理

田中アナウンサーとおかみの山崎伴子さん

NHK静岡 田中洋行アナウンサー
今回、おかみの山崎さんとお話していると地元の食材を利用したメニューのアイデアがどんどんと出てきていました。長く低迷が続いたサクラエビ漁やコロナ禍からの観光、飲食業界の回復とともに、山崎さんの地域の食文化を守り、愛する気持ちにふれてあたたかい気持ちになりました。浜に息づく伝統料理、私も伝え続けていきたいです。

  • 田中 洋行(たなか・ひろゆき)

    NHK静岡 アナウンサー

    田中 洋行(たなか・ひろゆき)

    大学で海洋生物を学んでNHKアナウンサーに。
    人と海との関係は奥深く、魅力だけでなく環境の問題なども多くの人に伝えたいと長年取材しています。「しず海ひろば」で静岡の海の話題を発信中。

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