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“おおきなかぶ” 絵本の世界が現実に! 浜松

  • 2023年03月14日

「うんとこしょ、どっこいしょ」

おじいさんが育てた大きなかぶを力を合わせて引き抜こうとする家族と助っ人の動物たち。
このかけ声を聞くと、絵本「おおきなかぶ」の一場面を思い浮かべる人もいると思います。

そんな絵本の世界が現実になりました。

絵本そっくりの体験

ある晴れた日の朝。

畑の片隅に子どもたち8人が集まりました。
浜松市立花川小学校の1年生たちです。

子どもたちが集まったのは、畑で育てられた「おおきなかぶ」を引き抜くため。
それも、直径40センチもある桜島大根です。

授業で、絵本そっくりの体験をしてもらおうと企画されました。

まず、おじいさんが

まず、お面をつけた“おじいさん”が挑戦です。

「うんとこしょ、どっこいしょ…」

かぶは抜けません。


次に、おばあさんが後ろからおじいさんの体をつかんで、
「うんとこしょ、どっこいしょ…」

やっぱりかぶは抜けません。


おばあさんは孫を呼びましたが、

それでもかぶは抜けません。

ついに…

“犬”や“猫”も助っ人に加わりましたが…

やっぱりだめです。

最後に登場したのは、お面をつけた“ねずみ”さん。

どこか不安そうですが、猫さんにうながされて、かぶをひっぱる列に加わりました。

そして、

「うんとこしょ!どっこいしょ!
 うんとこしょ!どっこいしょ!」 


3人と3匹がかけ声を合わせてかぶを引っ張ります。

すると…

ゴロン!
 

ついに、おおきなかぶが土から出てきました!
重さは20キロほどもあります。

「思ってたのよりすごくおおきい~!」
「こんなの1人じゃ抜けないよ!」
 

子どもたち…ではなく、
“おじいさん”や“動物たち”は大喜びです。

子どもたちに喜びを

子どもたちが喜ぶ姿を優しい目で見つめる男性。
かぶを育てた「本物の」おじいさん、
天野和幸さん(82)です。
 

天野和幸さん

浜松市内でばら園を営む天野さんは、
去年から子どもたちにかぶを抜いてもらっています。

天野さん

授業で学んだ物語を学校の机の上だけで終わらせるのはもったいない
子どもたちには、実際に自然に触れて自分たちの手で収穫する体験をさせてあげたい

実はこのかぶ、おいしく食べるためには3か月ほど前に収穫しなければならなかったそう。

天野さんは子どもたちに絵本そっくりの体験をしてもらいたくて、かぶが大きくなるまで育てたんだそうです。

天野さん

子どもたちが純粋な気持ちで喜んでいる様子を見るのがなにより嬉しいです
その笑顔が次につながります

天野さんは、来年は「日本一大きなかぶ」を育てて、
子どもたちに、また絵本の世界を体験してもらうつもりです。

  • 西野 圭 カメラマン

    NHK静岡放送局

    西野 圭 カメラマン

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