なぜ気仙沼でフカヒレが有名なの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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フカヒレはサメのヒレを使って作られる食材ですが、その多くが気仙沼で作られているそうです。
一体なぜなのか?今回は隊員が調べてきました。


いざ気仙沼へ!

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隊員
「なんで、気仙沼でフカヒレが有名なのか、調査します!」

さっそく向かったのは気仙沼市魚市場。
気仙沼漁業協同組合の西條 良孝さんにお話を伺いました。

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隊員
「なんでフカヒレが有名なんですか?」
西條さん
「じゃあ、こちらを先にご覧ください。」

案内された先には…

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西條さん
「マグロです。」
隊員
「マグロですね。」
西條さん
「これはマグロだし、あっちはメカジキ。」

あれ?フカヒレはサメのヒレのはず…

実は、サメはマグロやメカジキと生息域が似ていて、同じエサを食べるため一緒に水揚げされるようになったそう。

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というわけで、マグロやメカジキが並ぶ先には…

見つけました!ヨシキリザメです。
この日、水揚げされたばかりだそうです。

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気仙沼とサメには深い関りが!

気仙沼はサメの水揚げが日本一。
国内の半数以上を占めています。

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さらに水揚げ高も、マグロやメカジキを大きく上回っているんです。

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西條さん
「昔から気仙沼にはサメという伝統があったので、アブラツノザメなんかは焼いて食べたり、こういったヨシキリザメとかアオザメの身ははんぺんとかのすり身で。」


さらに、鮮魚店を訪ねるとこんなものも売られていました。

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モウカザメの心臓。
地元では“モウカの星”と呼ばれています。

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店主
「漁師さんの賄として食べていたんですけど、ごま油と塩でレバ刺しみたいに食べると、もう最高なんですよ。」

気仙沼では、サメは捨てるところがない魚として、明治時代ごろから重宝されてきたそう。
食用だけでなく、サメの革を使ったさまざまな商品も生まれています。

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財布やカバン、さらには靴まで!
本当に余すところなく大切に活用されています。


全国的にも有名になったのはなぜ?

気仙沼がフカヒレで有名になったのは、地域で育てた高い加工技術も理由の一つです。
その秘密を探るため、フカヒレ専門の加工会社を訪ねました。

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フカヒレは、ヒレの繊維だけを残して作られるため、骨や肉、皮を取り除く必要があります。

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これらは全て手作業。
いかに形をきれいに整えるかが価格に影響するため、熟練の技が必要とされるそう。


中でも一番難しいとされる、骨を抜く作業を体験させてもらいました。

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隊員
「これ、包丁が出ちゃうんですけど、これはだめですか?」
工場長
「それはだめです。」

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女性従業員
「骨を抜いてみてください。」
隊員
「いきます!」
工場長
「包丁が入っていないので、うまく骨とヒレが(切り離せていなくて)くっついちゃって、崩れちゃう。」

10年以上のベテラン従業員と比べると、その差は歴然。

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このように、本当に繊細で高い技術力が求められるんですね…
気仙沼にはサメの加工会社が10件以上あり、互いに技術を競い合って発展してきたのです。

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工場長・米倉さん
「フカヒレ加工はもちろんなんですけど、サメからはサメ肉も取れますし、サメの骨もとれます。
こういった加工屋さんが集まっている。長い年月をかけて(加工技術が)継承されて(サメに)価値が生まれている。」


広がる「サメの活用法」

今では町をあげて”サメの気仙沼”をアピール。
さまざまなフカヒレ料理が生まれています。

ふかひれ丼に…

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ふかひれずし、

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なんとデザートまで!
こちらは、はちみつにフカヒレを溶かしたソースがかかっています。

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サメの利用方法は多様になっていて、最近はサメを原料にしたペットフードも売られているそうです。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「フカヒレが有名になったのには、昔からサメを余すことなく活用しようという気仙沼の方々の高い技術力と、冷めない気持ちがありました。…サメだけに。
お後がよろしいようで。」





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