仙台駅の『ステンドグラス』に人が集まるのはなぜ?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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待ち合わせ場所としておなじみのステンドグラスについて調査してきました!


さっそく見に行ってみよう!

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安藤さん
「仙台駅にやって来ました。
改めて見ると大きいですね。」

高さ7.2m、幅4mの巨大なステンドグラス。
JR仙台駅2階の中央広場に設置され、その前のスペースは仙台の有名な待ち合わせスポットとしていつも賑わっています。

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待ち合わせ中の人にインタビュー!

どうしてここで待ち合わせをしているのか、実際に待ち合わせ中の人に聞いてみました。

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「いつも分かりやすくてここに来るので。」
「ここはね、昔からの集合場所。」
「ステンドグラスそのものの色合いとかが素敵ですよね。
待つ時間を忘れさせてくれるような。」

みなさんに親しまれているステンドグラスですが、そのデザインについて聞いてみると…

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「知らないです!」

「全然知らなかったです」

意外と知らない人が多いようです。


何が描かれているの?

改めてステンドグラスを見てみると…

七夕の吹き流しに、

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伊達政宗公、

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そして松島の五大堂。

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ステンドグラスいっぱいに宮城を象徴する風景がおさめられていました。

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この原画を描いたのは、山形県新庄市出身の洋画家・近岡 善次郎さん。

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そしてステンドグラスを手がけたのは、駅や空港などの公共空間に設置するパブリックアートの普及活動を行う「公益財団法人 日本交通文化協会」です。
企業の協賛などを募り、1972年から550点以上もの作品を全国に展開しています。

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常任理事・西川 恵さん
「アートを設置することによって、公共空間を気持ちのいい居心地のいい場所にしたい。
そこにとどまって、おしゃべりをしたり待ち合わせをしたり。
もう一つは、不特定多数の人にアートを味わってほしいという思いがあります。」

仙台駅のステンドグラスが設置されたのは1978年。
東北新幹線の開業を控えた仙台駅の発展を願い、地元百貨店が寄贈しました。

元仙台駅長の渡邉 英明さんに、ステンドグラスができた当時のことを伺いました。

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渡邊さん
「大きな高さのあるものが初めて仙台駅についたということは非常に画期的なことだったと思います。
かなりインパクトがある。これは仙台駅の大きなシンボルのひとつになるんじゃないかと感じました。」


ステンドグラスができる前はどうだった?

では、このステンドグラスができる前の駅の待ち合わせ場所はどこだったんでしょうか?

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渡邊さん
「大時計がついていまして、大時計の下が待ち合わせの場所になっていました。」

仙台駅の旧駅舎の正面玄関に設置されていたという大時計。
当時の待ち合わせ場所のシンボルとして親しまれていたそうです。

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宮城を象徴するデザインがモチーフとなったステンドグラスは、昔の駅舎のシンボル・大時計に代わる新たな待ち合わせ場所として捉えられるようになったのではないかと渡邉さんは教えてくれました。

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待ち合わせ場所が変わっても変わらないもの

仙台駅の待ち合わせ場所の移り変わりを描いた人がいます。
懐かしの風景を描くイラストレーターの小野寺 純一さんです。

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小野寺さん
「この下でみんな待ち合わせしたんだよね、大時計の前でね。」

小野寺さんが待ち合わせの風景を切り取る中で感じるのは、待つ人々みんなが“笑顔”だということ。

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小野寺さん
「(待ち合わせ場所は)別れっていうのはあまりないから。出会いの場なんだよね。
そういった意味ではステンドグラスの役目っていうか、そういうのも良いなと思って。
ずっと残っていってほしいね。」

人々が集まり思いが交差するステンドグラス前。
愛される「仙台の待ち合わせの名所」として、今日も多くの人に親しまれています。


こっちのイメージが強い人も?

今回紹介したステンドグラスには、「杜の讃歌(さんか)」という作品名がついています。

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そしてこのステンドグラスの横にはかつて伊達政宗の騎馬像があり、「伊達前」や「政宗前」と呼ばれステンドグラスと合わせて待ち合わせの名所でした。

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その騎馬像は2008年、政宗公が青年期を過ごした大崎市岩出山の、有備館駅に移設されています。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「今回ステンドグラス前で待ち合わせしていた方々に色々なお話を伺っていたところ、すごくみなさん楽しそうに待ち合わせのエピソードを語ってくださいました。
ステンドグラス、時を経るごとに宮城の皆さんの大切な思い出の場所として心に刻まれていってるんだなと改めて感じました。」





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