宮城の名物『笹かまぼこ』は、どうやって生まれた?
今回のみやぎUP-DATEでは、たくさんの方から寄せられたテーマについて調査します!
テーマを紹介してくれるのはこの方。
笹かまぼこのマスコットキャラクター、ささかまンです。
ということで今回のテーマはこちら!
詳しい人に聞いてみよう!
ここからは安藤さんにバトンタッチ。
安藤さん 「その笹かまぼこについて調査します!」 |
さっそく塩釜市の魚市場をたずね、笹かまぼこの歴史に詳しい橋沼 幸平さんにお話を伺いました。
ルーツを聞いてみると…
橋沼さん 「明治ごろ、宮城県を中心に三陸エリアでタイやヒラメがたくさんとれた時期があり、加工品の一つとしての位置づけでできたと聞いています。」 |
明治時代の仙台湾が始まりだという笹かまぼこ。
こちらはその成り立ちが描かれた紙芝居、「ヒラメちゃんとタラ助くん」。
「わ~、魚がいっぱいとれてるね。ヒラメだよ大漁だね。」 |
「とれた魚は荷車で肴町へ!」 |
「えっ、夏は腐っちゃうよ」 |
「なんとかしなくちゃもったいない!」 |
「わかった!そこで笹かまぼこだね!」 |
仙台湾で大量にとれた魚を細かく刻み、すって焼いて加工することで長持ちさせたのです。
形の由来は?
訪れたのは松島町にある創業およそ90年のかまぼこ店。
笹かまぼこに愛情を注ぐ阿部 博幸さんにお話を伺いました。
阿部さんによると、笹かまぼこの名前や形に秘密があるといいます。
阿部さん 「笹かまぼこは笹の形に似てる。 仙台藩主伊達政宗の家紋が竹に雀ということで仙台藩の笹にちなんだと言われています。」 |
この笹の葉の形に似ていることから、昭和の時代に仙台のかまぼこ店が「笹かまぼこ」と名付けたそうです。
笹かまぼこ作り体験!
形を完全再現すべく、安藤さんが笹かまぼこ作りに挑戦!
作り方は阿部さんに教えてもらいます。
材料はスケトウダラなどの白身魚のすり身です。
安藤さん 「笹かまぼこの形を思い出して…」 |
阿部さん 「叩きながら凹凸のないようにすべすべに平たく」 |
安藤さん 「私の知ってる笹かまぼこの形じゃない気がする…」 |
…ちょっと違うようですが、気を取り直して形を整えます。
焼くときのコツは3つ!
阿部さん 「その一に気合、二に火力、三に辛抱!」 |
だそうです。
お餅のように膨らんだら、ひっくり返して完成です。
お味は…?
安藤さん 「笹かまぼこというより、焼き魚を食べているくらいのお魚のすごくいい香りがしてきておいしいです!」 |
初めての手作り笹かまぼこのおいしさに、思わず顔がほころぶ安藤さん。
明治の仙台湾で生まれ脈々と受け継がれてきた笹かまぼこ。
宮城の風土と歴史が詰まった名産品です。
今回お話を伺った阿部さんは、「宮城・仙台の地元の文化の味だと思うので、こういうところの味と形は代々継承していければ」と話していました。
笹かまぼこが広まるまで
実は、「笹かまぼこ」と呼ばれるようになる前は、その形から「木の葉かまぼこ」「ベロかまぼこ」「手のひらかまぼこ」などとも呼ばれていたそうなんです。
そして笹かまぼこが広まるようになったきっかけが2つ。
1つは昭和57年の東北新幹線開通。
もう1つは昭和62年の大河ドラマ「独眼竜政宗」。
これをきっかけに多くの人が宮城を訪れ、お土産品として笹かまぼこの需要が伸びた。…と、ささかまンと、相棒のあげかまンが教えてくれました。
安藤のひとこと。
安藤さん 「身近で親しみやすい笹かまぼこなんですが、今回、自分の手で作ってみたり歴史を知ってみたりすることで改めて愛着がわきました。 みなさんも宮城の名産品ぜひ“知る”ということで愛を深めてほしいなと思います。」 |
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