岩間瞳キャスターが取材!宮城のパプリカ

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色鮮やかなパプリカ。
今旬を迎えていますが、実は宮城県は全国一の産地なのです。
宮城のパプリカの魅力を探りました。

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仙台市宮城野区の小売店を訪ねると、赤色、黄色、オレンジ色のパプリカがずらり。
旬のこの時期は県内産のものが多く販売されていました。
栄養価が高いのも魅力で、見た目が似ているピーマンと比べてビタミンCは2倍以上!
県内では栗原市や石巻市、登米市などで生産されていて、出荷量は全国1位です。

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訪れたお客さんも「1週間に1回は食べる」とか「甘くて食感がいい」、
「料理が色鮮やかになるから添えるのに使う」などと買い求めていました。

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なかでも出荷量が多い栗原市にある農場を訪ねました。
県内一の広さで年間およそ750トンを生産しています。

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まずは農場でとれたばかりのパプリカを試食。
まるかじりでいただきましたが、お、お、おいしい…!
みずみずしくて、生でもかなり甘みが強く感じられました。

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栗原で栽培を始めたのは14年前。
東京の商社が「国産のパプリカがほしい」という客からの声を受けて農場をつくりました。

農場を管理する農業法人の大竹諭さん
「宮城県の夏暑すぎず冬寒すぎない気候がパプリカの栽培に適していました。
消費地である関東への高速道路のアクセスがよかったのもここを選んだ理由です。」

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農場が取り入れたのは「パプリカの産地・オランダの栽培方法」を参考にした
最先端の技術や機械。
例えば、出荷量を増やすためパプリカの苗は上へ上へと高く伸ばして栽培します。

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その苗についたパプリカを効率よく収穫するために使うのは、高所作業車です。
足元にあるボタンを操作し、実に高さを合わせながら作業していきます。

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収穫した大量のパプリカを乗せて何かが走ってきました。
…無人で走る自動運搬機です。
地面にセンサーが埋め込まれていて、それに沿って選果場まで自動で運びます。

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水耕栽培されているハウスの中の水量や温度、二酸化炭素の量などは自動で管理され、
スマートフォンで確認もできます。
人と機械が役割分担することで、品質のよいパプリカを多く出荷できるよう工夫しているということです。

農場を管理する農業法人の大竹諭さん
「“パプリカといえば宮城県”と、宮城が誇る産物としてパプリカ生産が盛り上がっていけばいいなと思います。」

 

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こちらは石巻市の北上川の河口にある農場。
東日本大震災の被害を受けたふるさとをパプリカで盛り上げようという人がいました。

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農場を営む鈴木嘉悦郎さんです。
この場所にはかつて、鈴木さんの自宅や田んぼがありました。
代々コメ農家だった鈴木さん。震災の津波でその自宅や田んぼは大きな被害を受けました。

鈴木嘉悦郎さん
「塩害を受けた土を使って農業というのはまず無理だと思いました。だから施設園芸…ハウス内で土を使わない農業を実践したいと思ったのです。」

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震災から5年後、鈴木さんは水耕栽培の農場をつくります。
現在は2か所でパプリカやトマトを栽培し、100人ほどが働いています。

鈴木嘉悦郎さん
「この地区は人が住宅として住んではだめだよという場所になってしまったものですから。だったら仕事の場として、やっぱりこの地域に戻ってもらいたいという思いがありました。」

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従業員の女性は、
「住まいはすぐ近くです。近くに子どもがいて、家と学校の間に職場があるというのが私にとってはすごく大事なのでありがたい職場です」と話していました。

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さらに2021年には、隣に直売所とカフェが入った複合施設をオープン。
地域の人たちが集える場を作ろうと考えたのです。

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カフェで提供されるのは、もちろんパプリカ料理。
パプリカがたっぷりのったペペロンチーノに、色鮮やかなミックスピザ。
そして角切りにしたパプリカが入ったマーボーパプリカ丼もあります。

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もっと多くの人にパプリカに親しんでほしいと、
家庭でできる簡単な食べ方を鈴木さんが教えてくれました。

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まずは、「パプリカのマリネ」。
切ったパプリカを電子レンジで2分弱、しんなりするまで温めます。
そして甘酢と白だしを1:1の分量で混ぜ合わせて完成です。
酸味にも負けない甘さとジューシーな味わいが最高でした。

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そして「パプリカの天ぷら」。
熱を加えたことによって甘みが増し、油との相性も良く
白いごはんも進むメイン料理になっていました!

鈴木嘉悦郎さん
「パプリカ料理をもっと工夫して新しいメニューも開発していきたいです。」

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宮城県もまた全国一の産地としてパプリカをアピールしようと力を入れています。
「宮城県産」と書かれたパッケージを作り、複数の農場がこれを使っているのです。
このほか、栽培方法の勉強会も開くなど、農場同士の連携を進めて宮城のパプリカのブランドづくりを目指しているということです。

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今が旬のパプリカ。宮城が誇る食材は地域の元気も生み出していました。
ご覧のみなさんの中でも食べ方が分からず、あまりパプリカを買ったことがないという人もいるのではないでしょうか。
肉厚で甘みが強いパプリカは、生のままサラダに入れてもお肉と一緒に炒めても…どんな料理にも合います!
ぜひ旬のいま、宮城のパプリカを楽しんでいただけたら嬉しいです。

【取材:岩間 瞳キャスター】

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