歴史の街でお得にサイクリング

来年、創建1300年を迎える多賀城市でサイクリングしながら集めたポイントで地域の特産品などと交換できる催しが8月から行われました。「ライドアラウンド」と呼ばれ、全国各地で行われています。秋も深まりはじめたこの季節、その魅力を体験した記者がお伝えします。

(仙台放送局・井手上洋子)


【サイクリングで“ポイ活”】

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「ライドアラウンドin多賀城」。対象エリアの多賀城市、塩釜市、東松島市、七ヶ浜町、松島町、利府町の3市3町で指定されたスポット約90か所をめぐることで、ポイントを集めることができます。

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自転車は多賀城駅構内にある観光案内所でレンタルでき、料金は1時間150円から300円。ふだん自転車に乗らない私は今回、初めて電動自転車に乗ってみることにしました。

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(多賀城市 市民文化創造課 佐藤綾雅さん)
「きょうはサイクリング日和になりました。多賀城の歴史をめぐるコースを案内します」

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多賀城駅の観光案内所から約3キロ、最初に到着したのは来年・令和6年の公開に向けて復元工事中の「多賀城南門」です。高さは14メートルあり、「二重門形式」の極めて格式高い門として復元される予定です。発掘調査でその規模や構造などが明らかになっていますが、かつて東北経済の中心だった多賀城の入り口にあたる重要施設だったそうです。

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「ライドアラウンド」でポイントを獲得するには事前にスマートフォンで専用アプリをダウンロードする必要があります。指定ポイントに到着するとGPSが位置情報を読みとって、「チェックイン」ボタンをタップするとポイントが獲得できます。

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「ライドアラウンド」はモデルコースはありますが、どのルートで巡るかは自由です。
飲食店などを利用するとさらにポイントがたまります。主な指定ポイントをご紹介します。


【多賀城市の歴史を再発見】

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指定ポイントの中には、その場所にまつわるクイズに正解することでポイントを追加することもできます。例えば「多賀城市埋蔵文化財調査センター」では企画展「文字が語る古代多賀城」が開催中(~12月17日)です。多賀城の歴史や出土資料の企画展を無料で見学でき、展示品などにまつわる問題に挑戦することで25ポイント獲得できました。

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(多賀城市 市民文化創造課 佐藤綾雅さん)
「自転車で巡りながら多賀城の歴史も知ってほしいです。ちょっと立ち寄るだけはクイズに正解できないのでしっかり見学して欲しいです」

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多賀城市内には東日本大震災にまつわるスポットもあります。こちらは多賀城市内在住の俳人、高野ムツオさんが詠んだ句が刻まれた句碑です。
「泥かぶる たびに角組み 光る蘆」。震災の直後、泥の中でも蘆の穂先が光に輝いて角組む(芽吹く)光景を、苦難に立ち向かう被災者の姿に重ねて詠んだ句だということです。

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この日は3時間のサイクリングで4か所を巡り、集められたのは135ポイント。ただ交換できる特典は最低200ポイントからだったので、1日の限られた時間ではやはり難しかったです。でも秋晴れのもと気持ちのよいサイクリングを楽しめました。

※「ライドアラウンドin多賀城」の開催期間は10月31日までです。

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