七ヶ浜町の地名が 縄文土器に! なぜ?

七ヶ浜町に「大木(だいぎ)」という地名があります。この地名が東北地方を代表する縄文土器に付けられています。
その理由を岩田宗太郎記者が探りました。


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その土器がたくさん展示されている七ヶ浜町歴史資料館を訪ねました。

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こちらが「大木」という地名のついた「大木式土器」です。縄文時代の前期から中期にかけて作られていた、東北地方南部を代表する土器とされています。

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この地域では大木式土器がたくさん出土していますが、なぜ七ヶ浜の地名がつけられているのか。その答えは、資料館の隣にある、「大木囲貝塚」にありました。

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全国に多数ある貝塚の中でも質のいい出土品が多く、国の指定史跡にもなっています。
この周辺には貝塚が密集していることから、大正時代から多くの研究者が発掘調査を行ってきました。

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学芸員の田村正樹さんによりますと年代ごとに状態のいい土器が見つかったことなどから、「大木」の「地名」がつけられることになったとされています。そして「大木」とは、この貝塚の中に非常に大きな木があったことから、大木と呼ぶようになったとのことです。

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縄文土器の特徴は、なんと言っても「縄目模様」ですが、大木式土器は、
「渦巻き模様」が特徴のひとつです。

見つかった土器の中には、渦巻き模様の下書きの跡が残っているものもありました。

七ヶ浜町歴史資料館にはさまざまな模様や形をした「大木式土器」が時代ごとに展示されています。その数は100点を超えるということでその迫力に圧倒されます。

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学芸員 田村正樹さん
「土器の模様から作った人の技術の高さが伺えます。模様などを丁寧に観察して一つ一つの違いや特徴を発見するのも楽しいと思います」

時代ごとのデザインの変化や、土器の色や形の違いを見ることで当時の人たちの暮らしぶりに思いをはせてみてはいかがでしょうか。


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岩田宗太郎記者

2011年入局
宇都宮局、科学・文化部を経て
2022年8月から仙台放送局


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