誰にも言えなかった~孤立する妊婦たち~

子どもへの虐待が後を絶ちません。
国の調査・検証から、死に至るケースで最も危険な1日は、生まれたその日だということが分かってきました。虐待を受け死亡した子どものおよそ5人に1人が、生まれたその日に亡くなっています。背景にあるとされるのが、予期せぬ妊娠などの結果、社会から孤立する妊婦の存在。妊娠SOSには「誰にも言えなかった」という声が多く寄せられています。なぜ、孤立を深めてしまうのか。当事者の女性たちの声に耳を傾けました。


もしも、あなたが妊娠で困っていたら、匿名で、無料で相談できる場所があります。
それが「妊娠SOS」。全国に50か所あり、東北にも5団体があります。
どこに電話をしても、サポートをしてくれます。

全国のにんしんSOS相談窓口 | 一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク
https://zenninnet-sos.org/contact-list
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今回取材した妊娠SOSは、仙台市を拠点に活動するNPO法人「キミノトナリ」です。
にんしんSOS仙台・特定非営利活動法人キミノトナリ
https://kimitona.net/

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《身近な人ほど相談できない》

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東田美香さん

「誰にも言えない」というワードはよく出てくる。私たちのところに連絡をくださる方は、知らないからこそ相談できる。身近じゃない、誰か知らない人だから相談できるけれど、顔の見える関係の人には絶対に言えないっていう方が多い。

東田美香さんは「妊娠してすぐの虐待死を無くしたい」と、東北で初めて妊娠SOSを立ち上げました。高校受験を控える中、妊娠してしまった、妊娠後相手の男性と連絡がとれなくなった、など新しい相談が月に15件ほど寄せられます。中絶か、出産か。自分で育てるのか、誰かに託すのか。妊婦ひとりひとりの希望に寄り添いながら、サポートしています。

《「妊娠SOS」に寄せられる声》
東田さんたちのもとに寄せられた、女性たちからのメッセージです。

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《だれかに頼っていい》

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未成年で妊娠した美咲さん(仮名)。おなかの子どもの父親とは、妊娠が分かったときには連絡がとれなくなっていました。中絶手術を考えていましたが、幼少期に両親が離婚し、引き取られた祖父母とも信頼関係が築けなかった美咲さん。おなかの子どもは「本当の家族」になれる存在だと感じ、生みたいと思うようになりました。しかし「自分が悪いから、自分の問題だから、相談できない」と、悩む日々を送ります。
そんな中、東田さんと出会い、サポートを受けながら出産することができました。出産後も支援を受けながら、娘と暮らしています。「どの赤ちゃんを見ても娘がいちばんかわいい。」美咲さんには、いま悩んでいる妊婦さんに伝えたいことがあります。

だれかに頼っていいんだってわかったときに、なんでも話していいんだなって思えたし、だれかに言わないとだれも助けてくれないので、そこで何も言わないのはもったいないことだと思う。勇気を出して話してみて。

もしも、あなたが妊娠で困っていたら、匿名で、無料で相談できる場所があります。
それが「妊娠SOS」。全国に50か所あり、東北にも5団体があります。
どこに電話をしても、サポートをしてくれます。

全国のにんしんSOS相談窓口 | 一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク
https://zenninnet-sos.org/contact-list
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今回取材した妊娠SOSは、仙台市を拠点に活動するNPO法人「キミノトナリ」です。
にんしんSOS仙台・特定非営利活動法人キミノトナリ
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