呼子町 能登半島地震で輪島朝市を支援 同じ「朝市」縁で
- 2024年01月14日
能登半島地震で大規模な火災が発生した石川県輪島市の「朝市通り」を支援しようと、同じ朝市で知られる唐津市の呼子町では、朝市を運営する市民たちが、義援金を募る活動を始めました。
唐津市の港町、呼子町の観光名所のひとつが「呼子朝市」。全国的にも有名な「イカ」をはじめ、海産物や農産物、手芸品など50を超える露店が、およそ200メートルの通りに立ち並びます。
その通り沿いにある広場にはいま、募金箱が置かれています。呼子朝市を運営する人たちが、朝市の真ん中に位置する広場に設けました。平日の朝に訪れると、朝市の商店主たちが、買い物で訪れた人や観光客に声をかけて、支援を呼びかけていました。
広場には、メッセージボードも設置され、寄付をした人たちは、被災地に向けた応援や励ましの言葉を書き込んでいました。
そこには「のりこえましょう」「応援しています」「1日も早く平穏な日が訪れますように」などと、つづられていました。中には、子どもたちによるものや外国語で書かれたものもありました。
寄付をした人たちにどんな思いで寄付をしたか、尋ねました。
「輪島朝市通りはすごく良かったので、そこが燃えたことは、ショックが大きい。頑張ってほしいと思う。」
また、当時、宮城県仙台市で東日本大震災を経験したという千葉県の男性です。
「また明るい光が見える時が来ると思うのでじっと耐えて頑張ってほしい。」
男性は、これから寒さが一段と厳しくなることも心配だとしたうえで、自分たちが立ち上がったように、必ず復興できることを信じていると話していました。
募金活動をすることを決めたひとり、呼子朝市組合・組合長の山下祥子(やました・しょうこ)さんです。コロナ禍によって、厳しい運営となっていた全国の朝市。ようやく、その期間を乗り越えた矢先の被災に心を痛めています。同じ朝市を運営する立場として、輪島朝市や被災地のために、何ができるか考え、いち早く行動に移しました。
「コロナで朝市はみんな傷ついて、『頑張ろう朝市』という掛け声で頑張ってきた。それがいまは『頑張ろう輪島』に変わっている。全国の朝市みんなで応援している。きっと未来はあると信じて応援していきたい。」
能登半島地震では、輪島市の観光名所「朝市通り」で大規模な火災が発生し、店舗や住宅など200棟以上が焼けたとみられています。
朝市が開かれる地域どうしで交流してきた輪島と呼子。呼子朝市を運営する人たちは、全国有数の規模を誇る輪島朝市を訪れて、「追いつけ」という気持ちで、朝市の発展に尽くしてきたということです。
長年、呼子朝市の運営に携わってきた、前の組合長、原美智代(はら・みちよ)さんです。10年ほど前に、輪島朝市を見学していました。
海産物や伝統工芸品だけでなく、地元の方たちが草履などを手作りし販売し、人情味のあふれる朝市だったといいます。
「輪島朝市は、呼子朝市ともよく似ている。それがみんななくなってしまった。」
「本当に寂しい。とにかく体に気をつけて、早くみんなが明るい笑顔が出せるようになってほしい。」
呼子朝市で集められた寄付は、義援金として、朝市が開かれる地域どうしを結ぶ「全国朝市サミット
協議会」を通じて、現地に届けられるということです。