値上げ続く 沖縄県内では 食品だけでなくバス運賃なども
- 2024年04月03日
新年度となり、4月から食品の価格やバス運賃などさまざまなものが値上げとなっています。消費者やスーパーなどに話を聞きました。
NHK沖縄放送局 宮城杏里キャスター
お弁当作りに影響…?
まず訪れたのは那覇市安里にあるスーパー。商品棚を見て回ると、ハムやベーコンが5%から20%値上がりしていました。「家庭ではお子さんのお弁当作りに影響が出るかもしれない」と気になりました。
店の担当者に話を聞くと、値上がりした中で最も品目が多いのは、ハムやソーセージ、それに冷凍食品などの「加工食品」。次いで、トマトケチャップや香辛料などの「調味料」。ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの「紙製品」も、値上がりしているということです。
訪れていた女性は「家計簿を何十年もつけていますが、値上がりがどんどん大きくなっていく」と話していました。
親子連れの女性は「少しずつみんな高くなっているので家計にも響きます」と話していました。また、お菓子も値上がりしているということで、一緒に訪れていた女の子は、「お菓子を友だちと全然食べられないから悔しい」と話していました。
店側も苦しい状況
このスーパーによりますと、これだけ多くの商品が値上げとなるのは半年ぶりで、今後も値上げは続く見込みだということです。
すでにお客の購買意欲は下がっているということで、店側も苦しい状況の中、売り上げを伸ばすため、さまざまな工夫をしています。
栄町りうぼう 古波蔵恵輔 店長
力を入れているのが関連販売です。お買い上げ点数が減ってきているなか、いかにもう1点多く売るか。ポップでお客様に情報を伝えて購買意識を高めていただくのもひとつの方法です。楽しく買い物して欲しいとも思っているので、こういう情報も見てもらえるとお店としてもうれしいです。
バス運賃も値上がり
値上げはスーパーだけではありません。県庁前のバス停に行くと、料金表示を貼り直した跡が。
琉球バス交通と那覇バスは、4月から那覇市内の均一運賃が240円から260円に。そのほかの地域での初乗り運賃が160円から190円になりました。
燃料費の高騰や設備投資、乗務員の労働条件の改善などが理由で、値上げとなるのは、消費税の税率改定を除くと、2008年12月以来です。
一方、子育て世帯の負担を考慮して、通学定期については通常運賃からの割引率をおよそ4割から
5割へ引き上げて、現行の金額と同じ程度か値下げとなりました。
乗客の男性は「きのう急に変わったからびっくりしました。毎日多いときは3回、4回使っていて、月で計算したら結構いきます」と話していました。
4月から値上げしたものは
あらためて、値上げとなったものをまとめました。
国内の主な食品メーカー、195社を対象にした調査の結果では、価格を変えずに内容量を減らす「実質値上げ」を含めて2806品目が値上げとなり、値上げ率の平均はおよそ23%です。
分野別に見てみると、▼ハムやソーセージ、それに冷凍食品などの「加工食品」が2077品目。▼だし製品やトマトケチャップなどの「調味料」が369品目。▼ウイスキーやトマトジュースなどの「酒類・飲料」が287品目などとなっています。
琉球バス交通と那覇バスは、那覇市内の均一運賃が240円から260円、そのほかの地域での初乗り運賃が160円から190円に。
高速道路の料金です。NEXCO西日本は沖縄自動車道で実施している35.5%の料金割引を終了。ETCを使わない場合、普通車では那覇ー許田間が1040円から1610円となりました。
医療保険や年金も変わりました。
公的医療保険では、年間の年金収入が211万円を超える75歳以上の高齢者が支払う保険料の上限が、今の年間66万円から73万円に引き上げられます。
さらに、公的年金は、伸び率が物価の上昇率よりも低く抑えられ、支給額が実質的に目減りとなる一方、20歳から60歳になるまで毎月支払う国民年金の保険料は、賃金の上昇に伴い、前の年度より460円高い、1万6980円となります。